島村春世&古賀紗理那 ワールドカップ日本代表インタビュー

  info_category3.gif2015/10/07

 8月22日~9月6日、東京や仙台など日本各地で行われたFIVBワールドカップ2015に、NECレッドロケッツから島村選手と古賀選手が出場し、日本代表チームの主力として活躍した。最終結果は7勝4敗の5位。来年、ブラジル・リオデジャネイロで行われるオリンピックの出場権獲得はならなかったが、世界の強豪国と堂々と渡り合った。ワールドカップで得た収穫や改めて感じた課題、海外のトップチームや選手の印象、リオオリンピックへのてごたえに加え、大会の経験を今月17日に開幕するV・プレミアリーグ2015/16(レッドロケッツの初戦は18日)にどう生かしていきたいか、それぞれの想いを聞いた。
 
 
――すでに気持ちはリーグ開幕に向いているとは思いますが、先日のワールドカップを振り返っていただきます。日本チームの5位という結果について、どのような感想をお持ちですか?
島村 4敗はすべて圧倒的な力の差で負けたというわけではなく、もうちょっと頑張れば勝利に手の届くものだったのかなと感じています。そのちょっとが何なのかというのは、個人個人で違うかもしれませんが、試合が終わった後に選手同士でも「勝てた試合だよね」という話が出ていたので、圧倒的な実力差というよりも、自分たちが崩れたらこういう結果になるんだということを実感した大会でした。もちろん、その時は全力で戦っていましたが、今になって思うと、それぞれの場面でもっと良い選択があったんじゃないかなという思いもあります。
古賀 本当にわずか何点かの差で負けた試合が結構多かったので、あとちょっとずつ詰めるところを詰めていかないといけないですし、それを詰めていければ、チーム力はもっと上げられると感じました。
 
――ご自身のプレーに関してはいかがですか? 通用した部分や、なかなか通用しなかった部分もあったかと思います。
島村 サーブは大会を通して、まあまあ良かったかなとは思いますが、その他のプレーに関しては、ブロックもあまり良くなかったですし、このチームには通用したけれど、このチームには通用しなかったりと、プレーの良し悪しに波がありました。でも、自身での手ごたえは掴んで戻ってこられたと思っています。
古賀 スパイク、ブロック、サーブ、レシーブもそうですが、やはりメンタル的な部分ももう一段階ずつレベルアップしないといけないなと実感しました。
 
――11試合を戦った中で、とくに印象に残ったチームや選手がありますか?
古賀 韓国のキム・ヨンギョン選手が本当にすごい選手というのは以前からわかっていました。私自身は初めての対戦でしたが、その選手を抑えて、チームとしてしっかり勝つことができたのは、とても自信になりました。
 
――逆に、対戦してみてちょっと手に負えないなと感じた選手はいましたか?
古賀 うーん、いたかな…。
島村 いなさそうですね(笑)。
古賀 ロシアのタチアナ・コシェレワ選手は打点が高くて、日本に対してはブロックが低いとわかっているから、わざとトスを近くして上から手首のスナップだけ利かせて決めることが多く、うまく落とされて拾えなかったのには苦労しました。


 
――島村選手にとって印象に残ったチームや選手は?
島村 私は中国戦が印象深いです。ロシアやセルビアも高いのですが、まだ頑張れるというか、拾えたり、ブロックで引っかけたりというのができていました。でも、中国の朱婷(シュ・テイ)選手に関しては、高さもある上に空いている所をしっかり狙って打ってくる巧さもあって、最後の最後まで対応しきれませんでした。中国とは今季、ワールドグランプリでも何度か対戦し、その力量はある程度わかっているつもりでしたが、今回はとくに朱婷選手にやられたというイメージが強かったです。もちろん、他にも良い選手がそろっていましたが、そこは想定していた範囲内の強さでした。
 
――中国戦を含め、セルビアやアメリカなど、敗れた試合の多くは大会終盤でした。やはり連戦の疲れも影響していたのでしょうか?
島村 いいえ、日本はスタメンを代えながらやっていましたし、私自身はそれほど疲労は感じませんでした。また、たとえ疲労があったとしても、それは他のチームも同じ条件ですから、負けた言い訳にはできません。
 
――お二人は一昨年に全日本デビューは果たしていますが、三大大会出場は初めてでした。海外での大会や国内でのワールドグランプリなどとは違いましたか?
島村 同じ国内での大会でも、埼玉でのワールドグランプリとはまったく違いましたね。
古賀 他の大会ではなかったぐらいの応援をたくさんの人からしてもらえたので、それはとても力になりました。
 
――ワールドカップ開幕戦は、レッドロケッツのチームのみなさんも応援に来てくれたそうですね。
古賀 はい、来てくれました。
島村 ゆっくり話せる時間はありませんでしたが、試合後にみんなの席の近くまで行って、手を振ってあいさつしました。
 
――今大会では2位までに与えられる来年のリオオリンピックの出場権は獲得できませんでしたが、次の予選へ向けての手ごたえはつかめましたか?
古賀 チームとして、あとちょっとずつの差だったと思うので、これからの時間でしっかり詰めていければ大丈夫だと思います。
島村 負けた試合でも「勝てたな」という内容が多かったので、手ごたえは感じています。ただ、みんなで個々の意識を高めていかないと、今の差は埋めることはできないと思います
 
――今回の全日本チームの中で、この選手のこういう部分は見習いたいなと感じたものはありましたか?
古賀 それぞれの選手のプレーを見て、「あぁ、すごいな」と思ったのはいくつかありましたが、なかでも内瀬戸真実さんのサーブレシーブのフォームはきれいなので見習いたいです。
島村 同じポジションの人をよく見ていたので、山口舞さんのどんなトスでもミスにしないプレーは自分も近づきたいなと思いましたし、大竹里歩選手のブロックの形はすごく良いなと勉強になりました。


 
――島村選手は今季からレッドロケッツのキャプテンです。日本チームのキャプテンだった木村沙織選手のキャプテンシーも参考にできるのでは?
島村 サオリさんの「チームのみんなで頑張っていこう」という思いから、頻繁にみんなに声をかけている姿はよく見ました。私はしゃべり下手な所があるのですが、自分から頑張ってどんどんコミュニケーションをとっていかないといけないなと感じました。あとはプレーでも、ここぞという場面で止めてくれたり、ピンチサーバーで入ってもきちんと仕事をして帰ってくる姿は、さすがだなと。それはキャプテンだからというわけではありませんが、私もこれからやっていきたいなと感じています。
 
――今季、全日本の一員として遠征や合宿をやってこられたお二人ですが、全日本ならではのエピソードなどありますか?
島村 ワールドカップ前の6月にブラジル遠征をした時の宿舎ですかね。サクアレマという町にブラジルの各カテゴリーの代表チームが合宿を行う施設があって、そこに1週間ほど滞在したのですが、その宿舎がもう大変で(笑)。トイレは清潔じゃないし、部屋の隅にキノコが生えてたり。
古賀 お湯も出なかったですしね。今までいろいろな遠征をしましたが、そこまでの宿舎はなかったです。
島村 窓も普通に開けられない仕組みになっていましたし、改めて日本は恵まれているなと思いました。
 
――ワールドカップでの背番号は、古賀選手が「8」、島村選手が「9」で、試合前などにお二人が隣同士に並ぶことが多かったように思います。背番号はどのように決まったのですか?
島村 番号がサリナと並んだのはたまたまだと思います。前から全日本に入っている人たちは番号がもともと決まっていて、私たちのように今年から入った選手は空いている番号をつけていた感じですね。



 
――今月17日にはV・プレミアリーグ2015/16が開幕します(レッドロケッツの初戦は18日)。今大会で得られた経験は、今後のV・プレミアリーグで生かせそうですか?
島村 Vリーグのバレーと世界トップクラスのバレーとは、まったく違う気がしますからね。求められる技術は正反対と言える部分さえあります。ただ、高さについての免疫はつきましたから、Vリーグの各チームも外国人選手が1人は入ってくるはずなので、そういう選手に対しては今まで以上に対処できると思っています。また、メンタル面についてもワールドカップでの経験を生かせるんじゃないでしょうか。
古賀 私はワールドカップの時、サーブでずっと狙われていて、今後、NECでも狙われると思うので、そこはもう開き直ってやるつもりでいます。
 
――リーグ開幕に向けて、現在はどんなことに取り組んでいるのでしょうか?
古賀 身体のすべてを強化するためのトレーニングを頑張っています。
島村 全日本の活動でチームから長く離れていた分、早くみんなに溶け込むというか、コミュニケーションを多くして、セッターとのコンビだったり、ブロッカーとレシーバーの関係を確認したりすることを意識してやっています。現段階ではチームの完成度は60%ぐらい。焦りはありませんが、開幕からスタートダッシュを切るために、どんどん上げていこうと、みんなで頑張っています。例年より1ヶ月ほど開幕も早いですから、いつもとは違ったルーティーンになっていますし、正直ちょっと大変です(笑)
 
――それでは最後に、V・プレミアリーグへの抱負と、レッドロケッツサポーターへのメッセージをお願いします。
古賀 チャレンジャーの気持ちで頑張ります。応援、よろしくお願いします!
島村 個人としては昨季取れなかったチームの最多得点。チームは2連覇することが一番の目標です。今回は、『絆~歴史をつくる~』がチームのスローガンです。NECは今まで連覇をしたことがないので、そこに挑戦し、新しい歴史を作りたいと考えています。チャレンジャーの意識のもと、昨季よりも段階を上げた絆やチームワークを大事にしながら戦っていきたいですね。絆というのは、ファンのみなさんや応援してくださる方たちを含めての絆なので、ぜひ一緒に戦っていきましょう。熱いご声援、よろしくお願いします!
(取材・文:小野哲史)
 

アーカイブ