レッドロケッツ応援記 ~10/25 対岡山シーガルズ フルセットの激闘も初勝利に一歩届かず~

  info_category1.gif2015/10/26



 初勝利に向け、いざ佐賀の地へ。
 開幕の敗戦を払拭すべく、昨年の決勝と同じカードとなった開幕2戦目の久光製薬スプリングス戦では、白垣、古賀をレフトに入れ、近江をセッター対角に入れる新たな布陣で臨んだ。この策が奏功し、前半から相手のウィングスパイカー陣をブロック&レシーブで封じ、1セットを先取する幸先いいスタートを切ったが、ホームゲームで地の利を生かす久光製薬の粘りに屈し、2-3での惜敗。初勝利を得ることはできずにいたが、山田監督は確かな手応えを示していた。
「開幕で見えた課題を修正して、現時点のベストと言える布陣、戦術で臨みました。敗れはしましたが、すべてのローテでディフェンスだけでなく攻撃も機能し、まだまだ伸びる余地がある、と感じられました。開幕の課題は改善できたけれど、一歩届かなかった。悔しさはありますが、つかめたものも多くありました」
 
 そして迎えた今季3戦目、岡山シーガルズとの一戦。強打だけでなく軟打を織り交ぜる相手に対し、地元・佐賀出身のルーキー古賀や、隣県の福岡出身の白垣が高い打点からの攻撃を決め、立て続けに得点する。しかし相手も昨年の覇者であるレッドロケッツに対し、得意なスパイクコースにはレシーバーを配置するなど、昨年以上の対策を練ってきており、中盤からはなかなかサイドアウトが取れず、苦しい展開が続く。バックアタックなど、攻撃に変化をつけたが、それでも白垣が「決まった、と思うコースにレシーバーがいて、(スパイクボールを)上げられてしまったことで、あれ、どうしよう、と焦りが生まれてしまった」と言うように、なかなか突破口を見出せない。それでも21-19とレッドロケッツがリードして終盤を迎えたが、サイドからの攻撃をブロックで阻まれ逆転を喫し、デュースの末、24-26で第1セットを失った。



 開幕から3戦、まだわずか3戦を終えたばかりなのだが、未だ初勝利をつかめずにいることが、知らず知らずのうちに焦りを与える。たとえば昨年までならば、多少相手にリードされようと「自分たちの展開に持ち込めば必ず勝てる」という自信が、劣勢からの逆転勝利をつかむ大きな武器になっていた。しかし、岡山戦では前述の白垣の言葉にあるように、勝っている時ならば難なく次へと目線が向けられた場面でも、1本のスパイクが決まらない、拾われたということで余分な焦りが生まれた、とキャプテンの島村も言う。
「特にリードしている時は『勝っている』ということに安心感が先に出てしまって、勢いに乗り切れない。そこでもっと気持ちを前面に出して戦わなければならないのに、気持ちで負けてしまっているから勝つまでの1点が取り切れなくて、1つの不安がすごく大きくなってしまう。(昨日の)久光戦も終わってみたら『もっとできたのに』『勝てたのに』と思う試合だったし、そういう戦いをしてしまうことがすごくもったいない。とにかくまずは1勝すれば、きっと自分たちの勝ち方を思い出せると思うんです」
 苦しみながらも、何とかここで浮上のきっかけをつかみたい。それ以上に、自分たちの形を取り戻したい。その姿は、岡山に1-2とリードされた4セット目以降に強く表れた。



 古賀、大野の攻撃で7-2と一気に岡山を突き放すも、島村が言ったように、リードしたところで踏ん張り切れず、中盤には16-18と逆転を喫する。しかしここから、白垣のブロック、スパイクを機に再びレッドロケッツが流れをつかみ、粘り強いレシーブから攻撃につなげ、島村、古賀、白垣が決める展開へと持ち込み、終盤に再び連続得点。25-21でこのセットを取り返し、久光製薬戦に続いてフルセットへと突入した。
 15点先取の最終セット、2-8と6点のビハインドを背負う苦しい展開を強いられたが、それでもレッドロケッツの勝利への執念は消えない。サーブから突破口を見出し白垣、近江が決め10-11と1点差まで迫る。先に岡山が11-14とマッチポイントに到達したが、白垣がサーブで崩し、ディフェンスでつないだボールを島村、古賀が決め遂に14-14と同点にし、大逆転勝利を信じるサポーターのボルテージも頂点に達する。
 あと一歩、あと2点。初勝利に向け、大きな声援が送られる中、懸命のつなぎを見せるも、そのあと一歩、あと2点が及ばず。2時間20分の大熱戦は、2-3で岡山が勝利し、レッドロケッツの初勝利はまたもお預けとなった。
 だが、勝負はまだここから。今リーグは始まったばかりで、長い戦いはこれからが本番だ。フルセットの惜敗による悔しさを抱えながらも、ルーキーらしからぬ安定したプレーを随所で発揮した古賀は次戦以降でのリベンジを誓う。
「大事なところで点数を取るのが私の仕事。もっとしっかり取り切れるように練習して強くなりたいです」
 この悔しさも力に変えて。次戦、レッドロケッツは上尾メディックスと対戦する。




 久しぶりのリベロとしての出場に胸が躍った。
 出身地の鹿児島から、会場の佐賀は少し距離があるとはいえ、地元・九州で行われる今季唯一の連戦であり、3年前のVリーグでリベロとしてデビューを飾った思い出の場所でもある。
「レシーバーとして『ミクにしかできない役割があるから』と信頼してもらえるのもすごく嬉しいし、ありがたいですけど、やっぱりリベロとして試合に出たいという思いが、ずっと心の中にあったので、緊張よりも『やったろ』という気持ちのほうが強くありました」
 武器は、サーブレシーブとセットアップ。相手がセッターにトスを上げさせまいとチャンスボールやフェイントボールをセッターに返してきた時、スパイカーへとつなぐ2本目のボールに触るのが、鳥越に求められる役割でもある。岡山戦でも、アタックラインギリギリの位置で踏み切って上げるジャンプトスなど、何度も見せ場をつくった。
 だが、当然ながら試合に出てプレーすれば課題も見つかる。特に鳥越が「自分がリベロとして試合に出るために必要なこと」として強く感じたのが、相手のスパイクをレシーブする、ディグだと言う。
「ヒナさん(岩崎選手)と比べると、ディグの技術と状況判断能力が私は全然足りない。夏場からずっと重視して練習に取り組んできましたが、もっと練習しなきゃ、と思ったし、1点の重みを、改めて実感しました」
 終盤、粘りのバレーで岡山を猛追し、初勝利まであと一歩と迫ったが、惜しくも及ばずフルセットでの惜敗を喫した。肩を落とし、口が重くなりがちな選手が多くなる中、鳥越は前を向いて言った。
「劣勢や、負けている時は雰囲気が悪くなりがちなので、そこで何ができるか。山田さんからも『静かなリベロはいらない』と言われているので、1点を取った時に喜ぶことや、周りへの声掛け、与えられた仕事を果たして、勝つために全力を尽くします」
 まだ3戦を終えたのみ。ここから、巻き返しを誓う。

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