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レッドロケッツ応援記 ~11/1 対デンソーエアリービーズ戦 〝楽しむ気持ち〟を呼び起こし、岐阜・三重大会で2連勝!~

  info_category1.gif2015/11/02



 開幕戦でまさかの完敗を喫し、前節の2試合はいずれもフルセットにもつれ込む接戦をものにできなかった。勝ち点を1ずつ積み上げ、調子が上向いていることを実感しながらも、やはり勝てなければ満足感は得られない。今季のリーグはまだ始まったばかりだが、最下位というポジションに居心地の良さなどあるはずもない。近江が「焦る気持ちはありました」と明かしたように、選手たちは勝利に飢えていた。
 ただ、島村は「負けた時にこそ、そこにメッセージが潜んでいる」と捉えたと言う。「自分たちの心のどこかに、前回優勝したという驕りや慢心があったような気がします。それを払しょくさせ、もう一度、自分たちはチャレンジャーなんだという気持ちになれました。決して無駄な3敗ではなかったと思います」


 
 そうして迎えた今節だった。
「やっていることに成果は出てきていましたから、あとは最後の1点を取るためにどうするか。シンプルなことですが、苦しい場面でも丁寧に打ちやすい状況を作るとか、みんなでカバーを固めるといった基本的なことを勝負所でしっかりやろうと臨みました」
 山田監督の言葉通り、10月31日、岐阜での上尾メディックス戦で、レッドロケッツはこれまでの鬱憤を晴らすかのように躍動した。島村、古賀、近江らがスパイクで2ケタ得点をマークし、家高はすべてのセットで途中出場ながら、高速ブロードやサービスエースで4得点。チームとしては16本のブロックを決め、セットカウント3-1で待望の今季初勝利を飾ったのだ。
 V・プレミアリーグを戦う8チームに大きな力の差はない。ちょっとしたきっかけで連勝街道を突っ走ることもあれば、泥沼にはまってズルズルと連敗を重ねてしまうこともある。後者になりそうな展開に歯止めをかけたという意味で、この日の勝利はとてつもなく大きく、翌11月1日、会場を三重・鈴鹿市立体育館に移してのデンソーエアリービーズ戦で、レッドロケッツは前者になり得ることを証明した。
 とは言え、もちろん、簡単なゲームだったわけではなく、第1セットは18-25で落としてしまう。立ち上がりにいきなり3点を先取されながら、すぐに追いつき、以降は大野のブロードや白垣のスパイク、近江の絶妙なフェイントや島村のブロックで、着実に得点を重ねていったが、16-17から相手に傾いた流れを引き戻すことができなかった。白垣は「サーブで攻めようと言っていたのですが、相手がなかなか崩れず、逆に相手にサーブで攻められてしまいました」と、セットを失った要因を冷静に分析する。
 第2セットも中盤まではデンソーのペースだった。レッドロケッツは3-6とリードを許し、タイムアウトを要求後、島村が立て続けにスパイクを決めて同点としたが、再び9-13と突き放され、嫌なムードが漂い始めたかに見えた。しかし、選手は少しも慌てることなく、自分たちのバレーをすることに務めた。山口が言う。「どんな場面でもしっかりと全員で目を合わせたり、声を掛け合って、コートの中でも外でも一人一人が1点に関わることができました」
 白垣の連続得点を皮切りに、島村のライトからの攻撃で15-15とすると、相手の強烈なスパイクを岩﨑が好レシーブでつなぎ、古賀の得点に結びつけた。この試合、初めてリードしてテクニカルタイムアウトを迎えたレッドロケッツ。その後はデンソーも必死なプレーで対抗してきたため、リードを広げることこそできなかったが、大野がチャンスボールを着実に押し込んだり、近江が気迫あふれるスパイクを決めたりと、気持ちの面で一歩も引かなかった。22-21の場面では、山口に代え、イエリズをワンポイントブロッカーとして投入したことで相手のスパイクミスを誘うなど、勝負所での山田監督の采配も冴えを見せ、25-23でセットを奪い返すことに成功した。
「2セット目も押されてはいましたが、みんなで我慢しながら、逆転で獲れたのは大きかったです」(近江)



 セットカウントは1-1。スコアの上ではまだイーブンになったに過ぎなかったが、レッドロケッツ陣営に生まれた「行けるぞ」というムードが、徐々にデンソーの勢いを萎ませていく。第3セットの7-5で迎えた島村のサーブは、わずかにラインを割ったものの、攻めて先手を打とうという意志が投影された〝積極的なミス〟だったと言っていい。9-8から近江のスパイクやブロックで3連続得点。白垣も、たとえ一撃で決まらなくとも続けざまにスパイクを放ち、一気にリードを広げた。16-10からは古賀の強打や山口のツーアタックなどで一挙に6点を奪い、セットポイントでは島村のサービスエースで25-11。レッドロケッツの猛攻の前に、相手もなすすべがないといった雰囲気だった。
 第4セットに入っても、主導権はレッドロケッツにあった。サーブレシーブでは鳥越らが安定したプレーを見せ、山田監督が「昨日もそうでしたが、スパイカーたちの良さを引き出してくれました」と高く評価した山口が、巧みなトスワークで相手に的を絞らせない。その山口は、セット中盤にツーアタックや、自身が「チャンスがあればいつでも狙っている」というスパイクで鮮やかに得点。7-5からの7連続得点の火付け役になった。以降も隙を見せなかったレッドロケッツは、近江や白垣を中心に大量リードを守り、25-17で勝負を決めた。
 
「苦しみながらも我慢して勝てたということは、地力につながると思いますし、収穫にもなりました。自分たちの本来の形を思い出した部分もあるのではないでしょうか」。山田監督はそのように総括し、選手の健闘を讃えた。
 試合後、「とにかく明るく元気よくプレーする。そこだけはブレないように心掛けました」と語ったのは島村だ。とくに第3セット以降、テクニカルタイムアウトや相手のタイムアウトでベンチに集まる際、選手たちは充実感にあふれた表情を見せていた。チームの一体感を感じさせる盛り上がりたるや、快勝した昨季のファイナル3やファイナルを彷彿させるものだった。
 勝つことも当然重要ではあるが、楽しんでプレーすることが勝利への近道である――。そのことを選手たちは改めて感じ取ったに違いない。






~チームを連勝に導いた〝引かない気持ち〟
「今までは1本止められたらネガティブなイメージを持ってしまうことが少なくなかったのですが、今日は押し込まれても絶対に引かない。決めることだけを考えてコートに入りました」
 白垣はきっぱりと言い、胸を張った。スパイクだけでチーム最多となる18点を叩き出し、ブロックとサービスでも2点ずつをマーク。レッドロケッツの逆転勝利に大きく貢献した。第2セット9-13からの反撃ののろしとなる連続スパイクや、第4セットでは相手の守備を崩し、7連続得点につなげた攻めのサーブなど、勝利のカギになった場面で白垣の存在感が光ったが、この日は何よりもスパイクに気迫が漲っていた。相手に拾われても、決まるまで何度でも打ち続ける。たとえブロックで止められても、「次こそは」と強気で腕を振り抜く。その結果が46.2%という高いアタック決定率と18得点だったわけだ。そして、それができたのも「仲間のおかげ」と、白垣はチームメイトへの感謝を忘れてはいない。
「周りのみんなが私にボールを集めてくれたし、フォローにも入ってくれました。みんなに助けられて、思い切り打つことができました」
 背番号が昨季までの「9」から「1」に変わった。もちろん、背番号でプレーが変わりはしないが、周りからの期待や注目度は上がっているはずだ。入団から6年目を迎え、中堅と呼ばれる立場になった。折しも今季、同期の島村がキャプテンとなり、白垣もチームを引っ張っていかなくてはならない年代になっていることを自覚している。
「自分が安定したプレーをしていかないと、コートに入っている仲間や若い選手たちが不安に感じてしまう。プレーや精神面の安定を鍛錬期に磨いてきたので、それを試合でどんどん出していかないといけないと思っています」
 開幕戦こそ、セッター対角に入ったが、2戦目以降はレフトのポジションに回ったことについては、「ライトにエースが入っているチームが多いので、そこをブロックに当てるのが狙いです。(対角に回った近江)あかりさんは速くて切り込みが得意なので、そういう部分を生かせるという点でも有効なポジション変更だったのかなと。とにかく与えられた仕事を一生懸命やるだけです」と前向きに捉えている。
 レッドロケッツも、そして白垣も、いよいよ上昇気流に乗り始めた。
(取材・文:小野哲史)

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