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レッドロケッツ応援記 ~11/7 対東レアローズ戦 ストレートの完敗で見えた、乗り越えなければならない壁~

  info_category1.gif2015/11/09


 
 前節で2連勝を飾り、通算ポイント(勝ち点)を「8」に伸ばしたレッドロケッツと、前の試合で今季初黒星を喫したものの、通算ポイント「12」で首位を走る東レアローズ。レッドロケッツからすれば、セットカウント3-1以上で勝利し、ポイント「3」を積み重ねることができれば、首位の座が見えてくる。今リーグの今後を占うという意味でも、非常に重要な一戦だったが、結果的には、20-25、19-25、18-25。ストレートでの完敗を喫し、東レとのポイント差は「7」に開いてしまった。
 山田監督は「サーブとブロック、最初の攻撃と最初の守備で主導権を握りたかったのですが、相手に主導権を渡したまま試合を運んでしまったという感じです。相手のプレーどうこうより、狙っていたことができなかったので悔しいです」と、静かに試合を振り返った。
 
 東レにしてみれば、連敗は避けたいし、何よりたくさんのサポーターが、ホーム滋賀県立体育館のスタンドを埋め尽くしている。しかも、昨季の第1レグでは、ホームでのレッドロケッツ戦というこの日と同じシチュエーションでフルセットの末に敗れており、「負けたくない、いや、負けられない」という思いは、レッドロケッツ以上のものがあったかもしれない。試合後、東レのセッター田代の「NECはディグが良く、つなぎも良いチーム。そこの部分で負けないようにと思っていました」というコメントからも、レッドロケッツに対して並々ならぬ意気込みがあったことがうかがえる。
 大野が「相手のホームゲームで、勢いに乗せたまま、終わってしまいました」と悔しさを滲ませたように、この日の東レに勢いがあったのは間違いない。全日本メンバーの木村や迫田、高田といったサイド陣に加え、伊藤とディクソンのセンター攻撃など、レッドロケッツは相手の的を絞ることができなかった。試合全体を通して後手、後手に回り、リードを奪えたのは、第1セットの古賀の先制点と、第2、第3セットでは1回目のテクニカルタイムアウトを迎えるまでの1点だけで、2点以上リードできた場面は一度もなかった。
 レッドロケッツに良いプレーがなかったわけではない。第1セットには、粘り強い守備からリベロ鳥越が丁寧に上げたトスを白垣が決め切った場面が2度あった。近江がセンターからレフトに流れて放った速いスパイクは、試合前日に26歳の誕生日を迎えたセッター山口と、3日後に26歳の誕生日を迎える近江との息の合ったコンビネーションが光ったプレーだった。第2セットでも、家高自身は「あの後にポンポンとリズム良く得点できていたら…」と満足してはいなかったものの、10-10から5連続失点を喫して迎えた難しい場面で投入され、激しいラリーの応酬の末にライトから強烈なスパイクを叩き込んで悪い流れを断ち切った。さらに第3セットでも、相手の強打をリベロ岩﨑の素早い反応で、島村のブロード攻撃へとつなげ、10-13から一気に同点としている。



 しかし、相手の勢いを抑え、自分たちの勢いに変えるまでには至らなかった。試合後、白垣、大野、岩﨑の3人がいずれも同じような印象を抱いていた。
「ここで流れがつかめるという時にサーブミスなどミスがちょっと多かった。自分たちの流れを自分たちで切ったという感じで、相手にどうこうされたという印象はありません。ほとんどが自分たちで崩れてしまったなと」(白垣)
「こちらの流れにできそうな時もありましたが、そういう時にサーブミスやスパイクミスをしてしまいました。自分たちで流れを切って、相手に流れが行ったという場面が多々あったと思います」(大野)
「相手も良かったとは思いますが、今日は相手というより、今までやってきた自分たちのプレーが出し切れませんでした」(岩﨑)
 
 うまく行かない時、その状況を打破するために選手交替のカードを切るのは常套手段の一つだが、山田監督はこの一戦において、家高をすべてのセットで、佐川を第3セットのピンチサーバーで投入した以外、3つのセットで交替枠を使い切らなかった。そこには指揮官なりの狙いがあったという。
「出来が良くないからすぐに交代、ということでは、また同じような状況になった時に乗り越えられないでしょう。今日のメンバーはもっとできると期待していますし、簡単に折れてはいけない。そういう思いで使い続けました」
 山田監督の思いや選手たちが味わった悔しさは、翌8日の日立リヴァーレ戦で「快勝」という形で結実する。前日、トヨタ車体クインシーズに対し、2セットダウンから逆転勝ちを収めて勢いに乗る日立だったが、レッドロケッツは攻撃的なサーブで序盤から主導権を握った。アタッカー陣も軒並み、東レ戦より高いアタック決定率を残し、白垣の17得点を筆頭に、古賀、島村、近江が二ケタ得点をマーク。セットカウント3-1で勝利をつかみ、 ポイント「3」を上積みした。
 これで第1レグの7試合が終わり、レッドロケッツは3勝4敗(ポイント11)の4位につける。6勝1敗(ポイント17)の東レはやや一歩抜け出した感があるが、4勝3敗(ポイント13)の2位・久光製薬スプリングスや、同じく4勝3敗(ポイント11)の3位・岡山シーガルズとは、わずかな差しかない。約2週間空き、21日に再開される第2レグからも、レッドロケッツがレッドロケッツらしいバレーで、1つでも多く勝ち星を手にしていくこと、そして、上位戦線に踏みとどまりながら厳しい戦いを突き進んでいくことに期待しよう。






~驚異のアタック決定率でチームの窮地を救う~
 開幕3戦目の岡山シーガルズ戦こそ、出場機会がなかったが、他の6試合はすべて途中交代。その出場6試合で家高は18本のアタックを放ち、10得点を挙げている。アタック決定率は実に55.6%。規定打数に達していないため、リーグの個人ランキングには入らないものの、第1レグ終了時点でアタック決定率1位のテトリ・ディクソン(東レ=52.6%)を上回るハイアベレージを残している。特筆すべきは、勝った3試合での活躍ぶりだ。今季初勝利を飾った上尾メディックス戦では4本のアタックで3得点、デンソーエアリービーズ戦では1本打って1得点、日立戦は5本で4得点。家高がチームに勝利のきっかけをもたらしたのか、チームの良い雰囲気が家高の好プレーの呼び水になったのかは不明だが、いずれにしても80%というアタック決定率は驚異的である。山田監督も「本当に良い仕事をしてくれています。もっと長い時間コートに入っていてもおかしくないほど、よくやってくれています」と、今や切り札的な存在として絶大な信頼を寄せる。
 家高自身は、チームが苦しい状況の時こそ、流れを引き寄せたいという気持ちがある。
「いつ出番が来るかは、自分の中でわかっているので、アップをしながら待っています。上尾戦のように良い状況の時に入って、さらにチームを勢いづけることも大切ですが、今日(東レ戦)のような良い流れの相手に対しても通用するようなプレーをしたいと思っています」
 夏にユニバーシアード日本代表のキャプテンとして、日本チームに18年ぶりとなる銅メダルをもたらした。その時から続く膝の故障が100%完治したわけではないが、リハビリに時間を割いてくれたトレーナーやスタッフ、そして、期待を込めて起用してくれる山田監督への恩返しのつもりで、全力のプレーを披露している。さらに、家高は「入社2年目ではありますが、大卒ということで年齢的にも上の方。1年目の昨シーズンよりはチームを引っ張るという意識も出てきています」と力強い。
 第2レグに向けて、家高は今、どんな意気込みでいるのだろうか。
「個人的には、ミドルブロッカーの2人が崩れて、自分が交代で入ったとしたら、チームに良い流れを引き寄せたいと思いますし、NECはチーム力ではどこにも負けないので、そういう部分はもっと見せていきたいですね」
 コート外ではチームメイトを支えながら盛り上げ、コートに入れば、得意の高速ブロードや効果的なサーブで存在感を示す。家高の献身的な働きが、レッドロケッツの上位進出には不可欠だ。
(取材・文:小野哲史)
 
 

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