レッドロケッツ応援記~11/22 対久光製薬スプリングス まさかの逆転で悔しいフルセット負け~

  info_category1.gif2015/11/24



 レギュラーラウンドも2巡目を迎え、前日のデンソー戦は接戦の末に勝利を収めたレッドロケッツ。連勝を目指し、2レグの2戦目は久光製薬と対戦。1レグではフルセットで敗れている相手だけに、リベンジを果たすべく、気持ちを高ぶらせていた。
 
 前日のデンソー戦は勝利を収め、多くの収穫を感じる試合だった。2レグからさらに上昇していくために、絶対に落とせない、絶対に負けたくない試合。そんな気持ちが裏目に出たのか、第1セットの立ち上がり、変化を伴うジャンプフローターサーブに崩され、2-6と相手に先行され、苦しいスタートとなったが、6-10の場面でサーブ順が巡って来たキャプテンの島村は冷静だった。
「負けているからこそ、攻めのサーブを打つ。サーブから何とかしよう、と思い切り打ちました」
 まさに有言実行とばかりに、島村のサーブから流れをつかんだレッドロケッツはサービスエースやブロックで連続得点。13-10と逆転する。終盤、久光製薬に追い上げられる場面もあったが、白垣のスパイク、ブロックで得点し、最後は島村のBクイックが決まり、25-22で第1セットを先取した。
 勢いに乗るレッドロケッツは第2セットも島村のサーブで先行、9-6とリードを奪う。サイドアウトが取り切れず、長いラリーが続いたが、リベロの鳥越や近江を中心にした粘り強いディフェンスでボールをつなぎ、相手のミスを誘い、中盤、終盤にも連続得点を挙げ、第1セットと同様に試合を優位に運び、最後は白垣のレフトからのスパイクが決まり、第1セットに続いて25-19で第2セットも連取した。


 
 このまま一気に走りたい第3セットだったが、ここまで3連敗と勝利から遠ざかっている久光製薬はあとがない状況に追い込まれ、突破口を見出すべく攻めのサーブでレッドロケッツのディフェンスを崩そうと試みる。島村が「捨て身で攻めてくる相手に対して、受けてしまった」と言うように、1、2セットは劣勢でも攻めきれていたサーブが弱くなり、逆に相手を乗せてしまう。
 それまでは完璧に抑えていた相手の攻撃がジワジワと決まり始め、自チームが打ったスパイクに対しては相手もレシーブで応戦してくる。「決まった」と思うボールが拾われたことで気持ちの焦りも生まれ、連続失点を喫し、なかなか流れを引き戻せないまま19-25で第3セットを失う。勝利し、3ポイントを獲得するために第4セットに入る際「このセット、集中しよう」「絶対に獲り切ろう」と声をかけ合い臨んだが、序盤から連続失点が続く苦しい展開となり、5-12と大きくリードを奪われ、攻撃のパターンも単調になり、相手のブロックにワンタッチを取られて切り返されるなど、反撃の糸口がつかめない。
何とか流れを変えようと、山田監督は10-18と8点をリードされたところで白垣に代えて小山を投入した。
「監督からも『ブロックアウトを取ってくれ』と言われたので、自分の得意な攻撃、ブロックアウトを取るスパイクを決めてやろう、という気持ちを強く持ってコートに入りました」
 久光製薬のブロックと言えば、リーグでも屈指の高さを誇り、アタッカーからすれば脅威と感じてもおかしくはない。交代直後の小山に対しても、2枚ブロックが揃ったが、「やってやる、と思って打った」と言うように、レフトから果敢に攻めた小山のスパイクが連続得点となり、13-19と追い上げる。まさに狙い通りの攻撃が決まり、たとえ劣勢とはいえここから追い上げたいレッドロケッツだったが、勝利を欲するのは久光製薬も同じ。古賀の攻撃で終盤にも得点したが、第4セットも久光製薬が連取し、1レグに続いてフルセットへ突入した。


 
 勝負の最終セット。立ち上がりは白垣のスパイクで得点し、2-0とリードする。しかし攻勢に立ったにも関わらず山田監督が「自分たちの攻撃やサーブ、『攻めること』に自信が持てていないことで悪循環、負のスパイラルに陥った」と振り返ったように、劣勢だからこそサーブで攻める久光製薬に対し、攻めきれないレッドロケッツ。白垣のスパイクや山口のブロックで9-9と同点まで追い上げたが、終盤の連続失点で突き放され、11-15、勝利まであと1セットと迫りながら、悔しい逆転負けを喫した。
 試合後、山田監督も「サーブで攻められず、サイドアウトが取れない。劣勢時にどう攻撃して点を取るか、という課題が明確になった」と言うように、2レグ、3レグ、さらにはファイナルラウンドを戦ううえで克服しなければならない課題がいくつも見つかった試合ではある。だがそれだけではなく、1、2セットのように劣勢からも跳ね返せる力を持っていること、代わって入った小山が前衛からだけでなく後衛時にも積極的にバックアタックの助走に入るなど攻撃参加の姿勢を強く打ち出していたことなど、得られた収穫も多くある。
 悔しい敗戦であり、何とももったいない敗戦であることは確かだ。だが、だからこそこの経験はきっと大きな力になるはずだ。
 次節は東京・大田でのホームゲーム。次なる戦いを見据え、島村が言った。
「応援の力を借りて、持っている力を全部発揮したいです」
 もっともっと強くなる。今季初のホームゲームは、絶好のリスタートの場になることだろう。






 勝てばアタッカーのおかげで、負ければセッターのせい。「司令塔」と呼ばれるポジションは、何ともつらい、多くの責任を背負うポジションでもある。
「プレッシャーがない、とは言えないけれど、それも仕方がない。その中で自分がどれだけやれるか、どれだけ成長できるかが問われているんだと思います」
 移籍初年度の昨年、10シーズン振りの優勝に貢献した。高い位置でセットし、サイドだけでなくミドルも織り交ぜるトスワークで攻撃陣の力を引き出し、ベスト6にも名を連ねた。連覇に向け、新しい歴史を築くべく「挑戦」を打ち出した今シーズン、前半戦はこれまで以上に「絶対に自分が崩れちゃダメだ」と自分自身にプレッシャーをかけ続けて来た。
 連敗スタートとなったこともあり、課題ばかりが蓄積されていく。
攻撃の選択が間違っていたんじゃないか。自分のトスが悪かったんじゃないか。自らを責める気持ちはあっても、決して周囲には気づかれないように。笑顔で、コートに立ち続けて来たが、1人、試合を終えたばかりの控室前で涙したこともあった。
だがその悔しさも、流した涙も力に変えて、心に誓うことがある。
アタッカーを生かしたい。
一緒に頑張って来た仲間と、勝利の喜びを分かち合いたい。
「『チャレンジ』することを忘れず、必死で頑張ります」
 あの喜びをもう一度味わうために。苦しくても、自らに喝を入れ、笑顔で、コートに立ち続ける。

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