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レッドロケッツ応援記  ~11/29 対日立リヴァーレ戦 ホームの声援を力に、2連勝で今季初の3位に浮上~

  info_category1.gif2015/11/30



 大田区総合体育館でのゲームと言えば、昨季のファイナル6での上尾メディックス戦が記憶に新しい。第1セットを失った後の第2セット、壮絶な戦いをデュースの末に36-34と制し、逆転勝ちでファイナル3行きを決めた3月の試合だ。あのときはホームゲームではなかったが、多数のレッドロケッツサポーターがホームの雰囲気を作り、選手たちを力強く後押しした。
 今季最初のホームゲームは28日、その験のいい大田区総合体育館で岡山シーガルズと対戦。第1セットこそ粘り強い相手の前に逆転で落したものの、第2セット以降は本来のレッドロケッツらしいバレーを発揮。古賀の19得点を筆頭に、先発のアタッカー全員が二ケタ得点をマークし、セットカウント3-1で、フルセットの末に敗れた第1レグの雪辱を果たした。山田監督は、第2レグに入り、今節に向けて準備してきたことがあったという。
「ブロックやディフェンスに関しては強みだと思いますが、この先勝ち上がっていくためには、自分たちから仕掛けて点を取れるようにならなければいけません。いかにオフェンス力をつけてゲームをコントロールできるか、主導権を握って優位にゲームを進められるかが、上位チームに勝つには絶対に必要だと考えたわけです」


 
 岡山戦でつかんだその手応えをより確かなものに固めようとしたのが、翌29日の日立リヴァーレ戦だった。
 最初のセットを25-21で先取し、第2セットの21点までは、ほぼ狙い通りだったと言っていい。第1セット半ばまでは抜け出すことができなかったものの、島村の高い決定力や白垣、古賀の強打が光り、着実に得点を重ねていく。12-13からは島村の速攻や古賀の1枚ブロックなどで5連続得点。山口は相手の意表を突くツーアタックで続き、鳥越が懸命につないだボールは大野が冷静に押し込んだ。セット終盤にやや追い上げられたが、白垣のスパイクと大野のサービスエースで逃げ切りに成功する。



 第2セットは序盤に山口のサーブが走った。自らのサービスエースに加え、厳しいコースに攻め、相手が苦し紛れに打って来たスパイクは古賀がシャットアウトで仕留めた。長いラリーを近江のスパイクでものにし、白垣は強打やフェイントで相手を翻弄。島村がブロードに行くと見せかけ、古賀がその裏からバックアタックを突き刺したプ場面は、レッドロケッツの鮮やかなコンビネーションを象徴するプレーだった。19-9とし、誰もがこのセットもものにできると考えたに違いない。そこに落とし穴があった。
 島村が試合後、「自分たちの気の緩みが出てしまった」と反省したように、21-13から日立の反撃を受けてしまう。サーブで崩され、山田監督が立て続けに2回のタイムアウトを要求したが、相手の勢いを食い止められない。4本のサービスエースを含み、まさかの10連続失点。投入された家高がなんとか一矢報いてデュースに持ち込んだものの、25-27でセットを失った。
 信じられないような展開に、会場を赤く染めたレッドロケッツサポーターはやや意気消沈しかけたが、選手たちの心はまったく折れていなかった。「もう一回、出だしから頑張ろうと全員で話しました」(大野)と、第3セットは気持ちをリセットし、序盤からうまく滑り出す。島村はスパイクやサービスエースだけでなく、強烈な相手スパイクを鋭い反応でレシーブし、山口の得点につなげた。その山口は前日の岡山戦に続き、この日もアタック得点だけで4点をマーク。自身は「セッターも攻めることで攻撃の枚数が1枚増える。相手にとっても嫌だと思うし、自分の強みでもあるので、これからも積極的に攻めていきたいです」と語っている。
 山田監督が「とくに2、3セット目あたりの出来は素晴らしかった」と称えた日立にセット半ばに逆転を許し、追いかける展開を強いられたが、15-19からのレッドロケッツの電光石火の逆転劇もまた見事だった。近江の鋭いスパイクの後、大野の2本のブロックなどで6連続得点。白垣のバックアタックや古賀のサービスエースで、25-22と粘る相手を振り切った。



 攻撃陣ばかりに目が行きがちだが、それらも安定した守備があってこそ。その中心にいるのが、リベロの鳥越だ。この日も相手の強烈なスパイクを身体を張って拾いまくり、課題だったディグで幾度となくチャンスを演出。山田監督も「広い守備範囲をカバーしてくれるので、周りの負担を減らしてくれています」と高評価を与えた。
「私がコートに立ったら絶対に(相手のスパイクを拾って)上げてやるという気持ちが昨季以上にあります。ブロッカーとの関係性も良くなってきて、試合を重ねることで少しずつ自信もついてきました」(鳥越)
 苦しみながらもセットカウントで一歩リードしたレッドロケッツ。第4セットに入ると、序盤は近江がネット際逆サイドの鋭い角度を狙ったり、相手ブロックのタイミングをずらして打つ巧みなスパイクで見せ場を作る。8-8からは近江、白垣、島村の3連続得点。そのリードを守りながら終盤には白垣と古賀のスパイクで突き放して、25-17で勝負を決めた。


 
 試合を振り返って、古賀が「焦り出すとプレーにも影響してしまう。気持ちを一定に保てるようにすることの大切さを今日は学べました」と語ったように、各選手それぞれに課題は見つかったはずだ。ただそれ以上に、第3セット中盤のように、悪い流れを短時間で再び盛り返せた部分は大きな収穫である。山口はその点について、「相手が攻めて来ても、みんながトスを呼んでくれて、負けずに攻め続けることができたのは良かった」と手応えを口にし、山田監督も「相手に押され、辛抱しなければいけない場面をよく跳ね返して、自力で自分たちの展開に戻した点は選手を褒めたいです」と、チームの成長を実感しているようだった。
 ホームのサポーターの圧倒的な後押しを受けながら、2連勝でポイント「6」を積み上げたレッドロケッツは、今季初の3位に浮上。首位の東レアローズが2連敗で、「1」ポイントしか上積みできなかったこともあり、首位とのポイント差は一気に「3」に縮まった。ここに来てぐんぐん調子を上げてきたレッドロケッツ。レギュラーラウンド後半戦を勢いよく突っ走っていきそうな気配が漂う。







~攻めのサーブと5本のブロックでチームの連勝に貢献~
「自分の強みは速いクイック。昨日の岡山戦は多少なりとも相手にインパクトを見せることができたと思いますが、今日はスパイクの面でみんなに迷惑をかけてしまいました」
 自身がそう振り返った通り、この日立戦、大野は23本のアタックを放ちながら3本しか決めることができなかった。第2セットに喫したまさかの10連続失点も、大野の速攻がアウトし、相手の得点になったことが始まりだった。しかし、スパイクで思うようなプレーができないから他もうまくいかなかったというのではなく、「その分、他のプレーで貢献しようと必死でした」と、サーブやブロックで貴重なポイントをチームにもたらしたあたりが大野の成長の証と言えるだろう。チーム全体の狙いでもある「サーブで攻める」意識は、前日の岡山戦でも発揮され、大野のサーブ効果率はチームトップの21.3%。この日立戦は第1セット終盤に鋭いサービスエースを突き放し、第3セットには相手の守備を乱して白垣のダイレクトスパイクを呼び込んだ。
 サーブ以上に輝きを放ったのがブロックだ。とくに第3セット終盤に4点のビハインドを追いついた直後の2連続ブロックは圧巻だった。あのままセットを落としていたら、この日獲得できるポイントは良くて「2」。相手がセットカウント2-1とすれば当然勢いづき、勝利を手にできなかった可能性すらある。チームを救う殊勲のブロックだった。
 開幕戦で敗れ、山田監督が険しい表情で選手たちに厳しい言葉をぶつけた際、その視線は何度か大野に向けられていた。もちろん、大野一人に敗因を求めたわけではない。しかし、その裏には「もっとできるだろう」との思いが込められていたように思う。大きな期待があるからこそ、山田監督は今季これまで一貫して、島村と大野のセンターラインを固定しているに違いない。大野は「チームに迷惑をかけることが多いのでまだまだ」と控えめだが、静かな闘志を胸に秘めながら、ゆっくりと着実に力をつけている。
(取材・文:小野哲史)

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