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レッドロケッツ応援記 ~1/9 対東レアローズ戦 総力戦で見せ場を作るも、2016年白星スタートならず~

  info_category1.gif2016/01/12



 オリンピックイヤーとなる2016年が明けた。昨年、リーグ戦に関しては、4連敗で中断期間に入ることになったレッドロケッツだが、その中断期間に行われた天皇杯・皇后杯では初の決勝進出を果たすなど、確かな手応えをつかみ、2015年を終えた。
「みなさんとの絆を胸に優勝めざして頑張ります」
 キャプテンの島村が今季の目標を改めて口にし、チームもレギュラーラウンド第3レグの残り6試合と、その先のファイナルステージに向け、いま一度、決意を誓って乗り込んだ岡山大会だった。相手は、第1、第2レグでいずれもストレートの完敗を喫した東レアローズ。今季3度目の対戦ではあったが、山田監督が意識したのは、〝レッドロケッツらしさ〟だったという。
「もちろん、対策はいろいろあります。でも、まずは自分たちのバレーをするということ。みんなで拾って粘ってつなぎ、攻撃ではサーブから攻める。NECらしくやろうという思いは強く持っていました」

 立ち上がりは、その狙いが見事にはまった。古賀や鳥越らの好レシーブでラリーに持ち込み、白垣が強打やフェイントで確実に決めていく。天皇杯・皇后杯に続きスタメンに起用された家高も鋭いスパイクを突き刺した。7-6から逆転を許し、嫌な流れになりかけた場面では、古賀がレフト、ライトから攻撃を仕掛け、必死に食い下がる。一時は9-15と大きくリードを広げられたものの、柳田のサービスエースや白垣のブロック、さらに鳥越の好守から白垣が打ち切って、16-17と1点差に詰め寄った。
「攻めているときは自分たちの流れでプレーできました」と胸を張った古賀は、第1セットだけで6点をマーク。セット終盤に投入されたイエリズも高さのあるスパイクで、しっかりと役割を果たした。しかし、東レも集中力を切らさなかったため、同点に追いつくことは叶わず、21-25と最後に振り切られてしまった。



 それでも選手からは、「やれる」という前向きな表情が見て取れた。第2セット、家高に代わって起用された上野は、「やっとつかんだ(出場の)チャンス。とにかく思い切ってプレーすることを意識しました」と、気持ちを昂ぶらせてコートに立った。柳田が2本のスパイクを決めた後、その上野が速攻でうまくスペースに落とすと、同じくセンターの島村も負けじと速攻などで3点を奪った。 白垣と古賀が鮮やかなブロックを決めて9-4とし、このセットはレッドロケッツが優位にゲームを進めていく。
 古賀のスパイクは第1セット以上にキレが増し、柳田のブロックアウトを狙った巧みなスパイクには、相手はかなり手を焼いているようだった。その後、じわりじわりと東レに点差を縮められ、18-18と追いつかれたレッドロケッツだったが、逆転だけは許さなかった。それが、このセットを25-22で奪うことができた要因だろう。終盤の勝負どころでは柳田のサービスエースが決まり、22-21からネット際での押し合いになった局面では、山口が気迫でボールを相手コートに押し込んだ。



 今季初めて東レからセットを奪い、「さあ、これからだ」という雰囲気で始まった第3セットだった。サーブレシーブが乱れながらも柳田がうまく先制点を挙げ、8-8までは粘り強く戦うというレッドロケッツらしさが出せていた。しかし、徐々に白垣が相手の厳しいマークにつかまり、チームの生命線とも言えるセンター攻撃も次第に機能しなくなったことで、少しずつ引き離されていく。13-17の場面で白垣に代えて小山を、14-18で上野に代えて大野が送り込まれたが、悪くなった流れを断ち切ることはできなかった。
 小山は「チームが盛り下がっていたので、勢いづけようとコートに入りました。直接、得点に関わるのはもちろんですが、ボールを触っていないときの動きでも貢献したかった。もっとできたかなと。納得はしていません」と悔しさをにじませた。鳥越が相手の強烈なスパイクを身体を投げうって拾い、柳田の得点につなげるなど、終盤に意地も見せたが、結果的にはこのセットを19-25で落としたことが痛かった。
 
 セットカウントで再びリードされたことが、潜在的なダメージになったのか、第4セットは5-6から8連続失点を喫し、万事休す。島村や山口が攻撃的なサーブでエースを奪って見せ場を作り、このセットはスタートから起用された小山も7回あったサーブレシーブの機会をほぼ無難にこなしたものの、序盤に負ったビハインドが大きかった。
 15-25という大差でセットを落としてゲームオーバーを迎えると、古賀は「流れが悪くなったときに攻撃が単調になったり、サーブレシーブが返らなくなってしまいました」とうつむき、小山も「ミスが続くと、お互いに目が合わなくなったり、下向きになってしまいがち。そこで私が『もっと頑張ろう』と声を出せれば、(連続失点を)切れたと思います」と反省を口にした。
 
「本来であれば、レギュラーラウンドも終盤に入って、個々の役割も固まり、チームが成熟していくのが理想です。でも、怪我などのアクシデントもあり、いろいろと形を変えながらやらなければいけない状況で、これまで出場機会が少なかった選手も経験を積めています。厳しい戦いが続いていますが、今日より明日という気持ちですね」(山田監督)
 翌10日には岡山シーガルズにも敗れ、リーグ戦はこれで6連敗。結果だけを見れば、どん底にも思えるが、出遅れていた柳田が復活を果たし、近江の復帰も間近だという。チーム状況は緩やかながら上向き傾向にある今、全員でこの苦しい時期を乗り切り、レギュラーラウンドの残り4試合を悔いなく終えることが、目指す2連覇への最低条件となる。






~母校の躍進に刺激を受けて果たした今季初出場~
 山田監督から声が掛ったのは、第1セット、9-14と押し込まれた場面だった。今季のリーグ戦は、これまで出場機会がなかったが、上野は「リーグ中断期間中も、今までの技術の精度を高めることに取り組んできました」と語り、自信を持ってコートに入っていった。そのセットは結果的に失ったものの、第2セット以降はスタートから起用され、強烈なジャンプサーブや、「狙ってスペースに落とすなど、強弱をつける攻撃は練習の成果が出せた」と、確かな手応えも感じている。その一方、課題も浮き彫りになった。
「とくにブロック。必要のないネットタッチだったり、手が前に出ずにボールを吸い込んだりする場面など、今日はスパイクよりブロックでのミスが多かった気がします」
 ここ最近の上野の好調ぶりを見て、期待を込めて送り込んだという山田監督は、それでも「アタック決定率など数字こそ、それほど高い結果は出ていないかもしれませんが、よく相手を見てプレーできているので、チームにも大きく貢献してくれています」と、上野を収穫の一つに挙げていた。
 折りしもこの日は、全日本バレーボール高等学校選手権の準決勝で、母校の文京学院大学女子高校が東京で試合をしており、同じ高校出身で1学年下の柳田と、「大会期間中、ずっと気になっていた」と笑う。悲願の全国制覇は果たせなかったが、後輩たちのここまでの躍進が大いに刺激になったようだ。
 2016年の目標を尋ねると、「とにかくやるのみです」ときっぱり言い切った。「チームのために与えられた役割をこなすだけです。ミドルブロッカーはレギュラー争いが激しいので、そこで頭一つ抜け出せるように頑張っていきたいです」
上野の存在感が、チームをさらに底上げするはずだ。
(取材・文:小野哲史)
 

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