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レッドロケッツ応援記 ~1/24 対トヨタ車体クインシーズ戦 悔しいストレート負けを喫し、レギュラーラウンドは5位~

  info_category1.gif2016/01/25



 昨年10月に開幕したV・プレミアリーグ2015/16シーズンも、ついにレギュラーラウンド最終節。先週17日の試合でファイナル6進出を決めたレッドロケッツは、1つでも上の順位で締めくくり、良い形でファイナル6以降の戦いにつなげることを今節のテーマに掲げていた。
 23日の久光製薬スプリングス戦は、随所で粘り強さを見せながらセットカウント1-3で敗れたが、この日の最終戦でポイントを「1」でも加算できれば、4位が確定するという状況で迎えたトヨタ車体クインシーズ戦だった。
 一方のトヨタ車体も、この試合でポイント1以上を挙げられれば、ファイナル6の最後のイスに滑り込むことができる。しかもその重要な一戦をホームで戦えるアドバンテージがあり、レッドロケッツサイドをはるかに上回る数のサポーターがウィングアリーナ刈谷のスタンドを埋め尽くしていた。
 
 山田監督は、このゲームを「欲しいものを手に入れるためのモチベーションと、嫌なものを避けるためのモチベーション。そのどちらが勝るか」と捉えていたという。
「相手は入れ替え戦行きをなんとかして回避したいはずです。我々も4年前に入れ替え戦を経験していますから、そういうモチベーションで戦う時は勝負所でどうしても怖さが出てしまうことを知っています。それよりも4位の座を勝ち取り、その先にある優勝を目指す方が思い切ったプレーができる。私たちの〝何かをつかむため〟のモチベーションの方が強いと信じていました」


 
 指揮官の想いは、選手たちにしっかりと伝わっていた。白垣が最初のポイントを確実に決め、リベロの鳥越が上げたトスは古賀がうまく打ち抜いた。4-5から大野の速攻でラリーを制すると、白垣のブロックや古賀のスパイクで5連続得点。大野はサービスエースも決めて、レッドロケッツが好スタートを切ったかに見えた。
 ところが、11-6の場面での微妙な判定が、選手たちにとっては大きな動揺となり、相手に立ち直るきっかけを与えてしまった。島村は「感情をコントロールできませんでした。外的なことに左右されずに、ああいう時こそ自分たちのバレーを貫かないといけなかった」と反省した。
 それでもイエリズが難しい二段トス を打ち切り、白垣が1枚ブロックを決めるなど、逆転を許してからも必死に食らいついたレッドロケッツ。守備固めで入った岩崎の好レシーブから島村が連続得点を挙げ、19-20と1点差に詰め寄ったものの、終盤に押し切られてしまった。
 
 どうにか挽回したい第2セットだったが、第1セットと同じ22-25で落とし、早くも2セットダウンと窮地に立たされる。11-11あたりまではイエリズや古賀の攻撃を中心に、ほぼ互角に渡り合ったが、徐々にリードを広げられた中盤以降は5点差を2点差に縮めるまでが精一杯だった。
 戦術的には、身長198cmの相手エース・ポリーナを封じることができなかった。山田監督は「ポリーナにイエリズをマッチアップさせ、ブロックの枚数を確保したい」と考えていたが、「第1、第2セットは真逆にかわされて、良いようにやられてしまいました」と悔しがった。


 
 〝ポリーナ封じ〟がようやく機能し始めたのは、第3セットに入ってからだ。島村が力強いブロードを相手コートへ突き刺し、山口がストンと落ちる軌道でサービスエースを奪った後、イエリズと大野が高い壁となって立ちはだかり、大野がポリーナの強打をシャットアウト。イエリズらの執拗なマークを前に苦し紛れにフェイントを使ってくると、鳥越が鋭い反応で拾い、白垣の得点につなげた。
 ただ、山田監督が「第3セットは狙い通りに行ったので獲りたかった」と語ったように、7-4とリードを広げてから、さらに突き放せなかったのが痛かった。すぐに追いつかれ、セット中盤は激しい点の取り合いに。相手に抜け出されかけると、古賀が鋭いスパイクとサービスエースで踏ん張り、得点にはならなかったものの、途中交代で入った岩崎がファインプレーで粘りを見せた場面もあった。
 しかし、17-18からの5連続失点が響き、このセットは21-25。ストレートで敗れ、ポイントを加算することもできなかった。
 
 試合後、悔しさを押し殺すように「結局、自分たちで崩れてしまったゲームでした」と語ったのは白垣。大野も「我慢する所で我慢し切れなくて、相手のペースになってしまった」と敗戦を静かに受け止めた。大野はこの日、ここぞという場面での速攻が冴え、ブロックやサービスエースでも貢献したが、「サーブでもっと攻められたら、ブロックの的も絞りやすくなるし、スパイクもサイドの選手を生かすために相手をおとりに飛ばすなど、もっとできたなという印象です」と、自身の内容にも満足してはいなかった。
 
 レッドロケッツはこの結果、レギュラーラウンドの5位が確定。できるだけ上位でV・ファイナルステージへ、という目論見があっただけに、5位という位置は本意ではないだろう。
 ただ、もちろん、連覇への道が閉ざされたわけではない。山田監督はファイナル6に向け、「ポイントから言えば、2位や3位のチームとは1勝分の差があります。ハンデがあるのは承知の上ですが、改めて挑戦者として、欲しいものを取りに行くモチベーションで臨みたい」と語っている。キャプテンの島村もすでに闘志を胸の中に秘めていた。
「厳しい順位からのスタートにはなるけれど、ここから全勝できればファイナルにつながります。自分たちのバレーさえできれば、不可能なことではありません」
 2月7日に京都で幕を開けるファイナル6の初戦は、レギュラーラウンド2位通過の久光製薬。レッドロケッツの本当の戦いはここからだ――。






~自らのプレーでチームを牽引する、頼れるキャプテン~
 10シーズンぶりに前回王者として臨むリーグで、入団6年目の今季はキャプテンを任された。キャプテンにも様々なスタイルがあるが、島村が第一に考えたのは、自分のプレーだったという。
「そこができていなければ、周りを見ることもできません。まずは自分がしっかりプレーをして周りを生かしていくことを意識してきたつもりです」
 その言葉通り、ミドルブロッカーの軸として、全試合でスタメンからコートに立ち続けた。ここ数年の実績から相手チームのマークも年々厳しさを増す中、ブロック決定本数はリーグランキングで6位、サーブ効果率でも8位に名を連ね、アタック決定率と総得点でもそれぞれ近江と古賀に次いでチーム2位の結果を残した。大きく崩れることのない安定感は、チームに安心感をもたらし、山田監督を始め、チームの誰からも絶大な信頼を寄せられている。
 しかし、島村は「チームの結果につながっていないという意味では、まだまだだと思います」と、自身のキャプテンぶりには納得していない。川崎橘高校時代にキャプテンの経験があったが、当時とは比べられないほどに「(実業団チームのキャプテンに)難しさを感じています」と笑う。
 それでも島村は、そうした困難な状況を楽しんでいるようにも見える。キャプテンという立場でチームメイトを引っ張っていくのも、レッドロケッツが目指す連覇という道のりが平坦でないのも、初めからわかっていたこと。だからこそやり甲斐がある、とでも言うように、キャプテン島村の挑戦は続く。
(取材・文:小野哲史)
 

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