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レッドロケッツ応援記 ~2/7 対久光製薬スプリングス戦 今季4連敗中の相手に全員バレーで快勝し、ファイナル6を白星発進!~

  info_category1.gif2016/02/08


 
 勝負のV・ファイナルステージは、島津アリーナ京都で戦いの火蓋が切られた。
 レギュラーラウンドを5位で終えたレッドロケッツは、このファイナル6で上位チームを切り崩し、なんとか3位以内に入って次のラウンドへ駒を進めたい。前回の試合から約2週間、チームは「いかに崩れないか」をテーマに強化、調整してきたという。
「これまでは自分たちから崩れて負けてしまうパターンがありましたから。技術面では守備の部分、とくにサーブレシーブやブロックで崩れないこと。そして、アタッカーに託すまでの過程で良い状態を作ろうということを取り組んできました」(山田監督)
 この日の相手は、レギュラーラウンド2位の久光製薬スプリングス。今季はリーグでの3戦、天皇杯・皇后杯のファイナルと4度の対戦すべてで敗れており、レッドロケッツにとっては難敵とも言える強敵だったが、古賀が「しっかりと久光対策をやってきた」と語ったように、選手たちにネガティブな思いは少しもなかった。しかも、この試合の前に終了した第1試合と第2試合は、いずれもレギュラーラウンドでの下位チームが上位チームを下したこともあり、会場全体がどこか番狂わせを期待するムードに包まれていた。また、レッドロケッツ陣営も、「〝下剋上〟するぞ、という強い気持ちで」(柳田)、コートに入っていった。



 選手たちの気合いは、最高のスタートとなって表れた。
 近江の完璧なサーブレシーブから島村が得意のブロード攻撃で先制すると、柳田は躍動感あふれるバックアタックを突き刺す。山口のサービスエースの後、古賀はブロック、大野は速攻で続いた。8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた時点で、レッドロケッツは早くも先発全員が得点を挙げ、主導権をがっちりと握った。
 そこから勢いを増してきた久光製薬に追いつかれたが、11-11から再び引き離せたのは、チームが精神的にブレなかった何よりの証しである。15-13から柳田のバックアタックや大野の2本のブロックで4連続得点。20-15の場面では、リベロ鳥越が横っ飛びから左手1本でつないだボールを近江がうまく決め切った。途中交代で入ったイエリズと白垣も少ないチャンスをものにし、25-18で危なげなく最初のセットを先取した。
 キャプテンの島村が試合後に明かしたのは、「オフ・ザ・ボールの動き」の高い意識だった。
「ボールに関わっていない人が、どれだけ1つのプレーに対して関わっていけるか。それを練習の時から、自分から関わっていくんだという気持ちでやれていると思います」
 古賀もまた、「スパイクの時に、オフ・ザ・ボールの声で助けられている部分が多いので、自分ももっとみんなを助けられるように声を出していきたいです」と語り、そうした個々の意識の積み重ねが、レッドロケッツが目指す全員バレーの土台になっていると言えるだろう。



 第2セットも、25-23でレッドロケッツがセット奪取に成功する。引き離しては、久光製薬に追い上げられるという展開で、22-17の有利な状況からも相手の粘りの前に苦しんだが、最後は大野が鋭いブロード攻撃を決めて逃げ切った。第1セットほど余裕を持ったゲームの進め方はできなかったが、選手は集中力を切らすことなく、立ち上がりと中盤に12-13とされた以外、一度も相手に先行を許さなかったのが大きかった。
 ただ、第3セットは、久光製薬が序盤からギアを一段階上げたようなプレーで襲いかかってきた。レッドロケッツは4-10から大野の攻めのサーブが効き、近江の活躍で5連続得点を挙げたり、11-15からイエリズの強打炸裂で15-16と追い上げたりしたものの、同点には至らず、20-25で落としてしまう。ここ4シーズン連続でファイナル進出を果たしている久光製薬の意地であり強さでもあった。
 セットカウント2-1となり、第4セットを落とすと、試合の流れは完全に相手に傾く。レギュラーラウンドの第2レグでも、久光製薬に2セットを奪ってから逆転負けをした苦い経験があった。だからこそ、選手たちは努めて冷静に、気持ちを切り替えることができたに違いない。
 近江の2連続サービスエースで好発進した第4セット、相手も一歩も引かず、互角の展開で推移したが、12-9からの3連続失点で押し込まれると、リズムを変えるために投入された奥山が勇気を持って島村や大野の速攻を使い、見事に立て直した。手に汗握る激しいラリー合戦が終盤まで続く中、近江や島村の得点で23-20と抜け出したものの、久光製薬の怒涛の攻撃に遭い、23-23。次のポイントも相手のチャンスボールになったが、ここで救ったのが古賀の起死回生のブロックだった。
 この日、結果的にはチームで実に20本のブロックをマークした。そのうち5本を決めた古賀は、「(ブロックをして)抜けても、みんなが後ろで守ってくれるので、自分がここと決めたら、そこだけ止めようと思っていました」と、チーム全員でのブロックだったことを強調している。デュースに入っても互いに譲らず、レッドロケッツは山田監督が「大事な場面で決めてくれ、一皮むけた印象」と評した大野がブロード攻撃や速攻で躍動した。27-27の場面では、相手エース・長岡のスパイクを近江がシャットアウト。マッチポイントでは相手の連携ミスで、意外な形での幕切れだったが、29-27でセットを奪ったレッドロケッツが大事なファイナルセット初戦を勝利で飾った。


 
「久光製薬さんとは今季5回目の対戦で、〝5度目の正直を〟と臨んだゲームでした。怪我人も戻り、ようやく全員で1点を取りに行くバレーができました。そういう意味では、今日の1勝はとても大きな1勝。ここからが勝負だと思っています」
 試合後、山田監督は満足げな表情で語り、島村も「自分たちには勝利が必要でしたので、勝てたことが何より大きいです。こういう形で初戦を終われたことは自信につながります」と、笑顔で胸を張った。
 もちろん、この勝利が次ラウンド進出を確定させるチケットになるわけではない。次節からも厳しい戦いを覚悟しなければならないだろう。しかし、V・ファイナルステージで最高のスタートを切った選手たちのプレーぶりからは、〝リーグ連覇〟という希望が大きく膨らんだように見えた。






~地元・京都での凱旋試合で完全復活を印象づける大活躍~
 約2ヶ月ぶり、公式戦では13試合ぶりにスタメン出場を果たし、チームを勝利に導いた。
 山田監督は「怪我をする、しないは別にして、近江はレッドロケッツの大黒柱。みんなの勇気になっています」と語ったが、コートの中での存在感はやはり際立っていた。古賀は近江が戻ってきたことで、「サーブレシーブの範囲が狭くなってやりやすかったです」と笑ったが、チーム内への好影響とともに、相手に対する威圧感が違った。
 レギュラーラウンド終盤に復帰した時は、攻撃面でまだまだ完全な状態とは言えなかったが、この日は立ち上がりからエンジン全開。スパイクでは強打やフェイントはもちろん、タイミングをずらして放つブロックアウトや、中央に切れ込んでの移動攻撃など、多彩な攻撃パターンで20点をマークした。ブロックとサービスエースの本数でもチーム最多得点を挙げ、文句なしのVOM(Vリーガー・オブ・ザ・マッチ)に選出された。
「シーズン途中で怪我をしてしまい、私の穴を埋めるためにメンバーが一致団結してやってくれたので、今日はその恩返しという気持ちでコートに立ちました」(近江)
 第3セット、4-10と劣勢だった場面からの4連続得点は一つの見せ場となったが、圧巻だったのは第4セットだ。素早く移動してからのスパイクもさることながら、8-8、12-12、19-19、27-27と、いずれも同点で迎えた場面で近江のブロックが炸裂。相手に先手を許さなかった。
 京都出身の近江にとっては凱旋試合だった。「京都での試合は他とは違う思い入れがあります。両親や知り合いが応援に来てくれていたので、勝利という形でみんなを笑顔にさせることができて良かったです」
 次節の会場は、レッドロケッツのホームでもある大田区総合体育館。完全復活を遂げた近江らしいプレーで、今度はレッドロケッツサポーターを笑顔にしてほしい。
(取材・文:小野哲史) 
 

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