• トップ
  • インフォメーション1
  • レッドロケッツ応援記  ~2/14 対東レアローズ戦 相手の猛攻に苦しめられ、ファイナル6での3連勝ならず~

レッドロケッツ応援記  ~2/14 対東レアローズ戦 相手の猛攻に苦しめられ、ファイナル6での3連勝ならず~

  info_category1.gif2016/02/15



 前節は久光製薬スプリングスに快勝し、最高の形で滑り出したファイナル6。しかし、レギュラーラウンドが5位だったレッドロケッツにとって、負けられない戦いはなおも続いている。V・ファイナルステージでは唯一、この土日が連戦となるが、大田区総合体育館に詰めかけた多数のサポーターの声援を力に変えて、1点でも多くのポイント(勝ち点)を上積みしたいところだ。
 ところが、13日の岡山シーガルズ戦は、「相手の緩急を織り交ぜた攻撃に対応できず」(山田監督)、いきなり2セットを連取されてしまう。我慢の展開を強いられたが、選手やサポーターの諦めない気持ちが徐々に実を結び、デュースにもつれ込む接戦となった第3セットを奪い返すと、その勢いで第4、第5セットを圧倒。崖っぷちからの大逆転で価値ある勝利をもぎ取った。
「2セットを落としましたが、流れは少しずつ自分たちに傾いていましたし、柳田もセットを重ねるごとに調子を上げていたので、そこはブレることなく、強い部分を出せたのが良かったと思います」
 近江は勝因をそう話し、この試合のVOM(Vリーガー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた柳田が「一戦一戦が勝負。明日も今日以上に熱い試合をします」と語ったように、選手たちは勝利の余韻に浸ることなく、すぐに翌日の戦いへと視線を向けていた。


 
 迎えた翌14日の東レアローズ戦を、山田監督は「ファイナル6における山場」と考えていたという。
「今節は我々が連戦なのに対して、相手は我々との一戦だけ。昨季のファイナル6も連戦の2試合目は敗れています。ですから今回も、まずは初戦の岡山にしっかり勝ち、その勢いや勝ったことの自信で体力的な不利を有利に変えようというのが私たちのシナリオでした」
 だが、最初のセットを19-25で落とし、出鼻をくじかれた。古賀のブロックアウトを狙ったスパイクや近江の緩急をつけたプレーで10-10までは互角だったが、セット半ばを過ぎてから徐々にリードを広げられ、つけ入る隙を与えてもらえなかった。
 それでも第2セットに入ると、島村が口にした「自分たちの良い所は、勢いを出して、元気があるプレーや泥くさいバレー」が発揮され始める。立ち上がりにその島村がブロードとサービスエースで連続得点。大野はミドルから、近江はレフトから速い攻撃を突き刺し、柳田は持ち前の跳躍力を生かしたバックアタックを炸裂させた。第1セットを取って勢いに乗る東レも一歩も引かなかったため、点差は開かなかったが、ハイレベルなプレーの応酬に会場は大いにヒートアップした。17-17の場面では近江のスパイクが一度は相手ブロックに止められるも、鳥越が素早い反応でフォローし、次のボールを近江が決め切った。21-20からの激しいラリーを柳田の得点でものにすると、直後には鳥越のファインプレーが相手のスパイクミスを誘う。そして最後は、途中交代の白垣がうまくフェイントを落とし、25-22でレッドロケッツがセットを奪い返した。



 「よし、行けるぞ!」。そんな雰囲気でスタートした第3セットは、島村の得点と近江のサービスエースで好発進。柳田、古賀、大野もチャンスを確実に得点に結びつけた。山口の好守から近江がブロックを決め、10-9としたあたりまではリズムも良かった。しかし、そこから逆転を許し、柳田のバックアタックで14-15までは食らいついたものの、じわりじわりと引き離されてしまう。流れを変えるべく投入された白垣と岩崎が懸命につないだラリーも、惜しくも得点にはならなかった。19-25でこのセットを落とすと、第4セットも序盤から苦しい展開を強いられる。
 試合後に「勝負所で相手のサイドアタッカーの決定力が高く、自分たちが後手に回ってしまいました。もうちょっと何かできたんじゃないかという気持ちが強いです」と振り返ったのは島村だ。もちろん選手たちは口にはしなかったが、見えない部分で連戦による体力的な疲労や集中力の持続の難しさがあったのかもしれない。しかも、ファイナル6の初戦で敗れている東レは、「もう絶対に負けられない」という凄まじい気迫で襲いかかってきた。レッドロケッツは柳田の思い切りの良いバックアタック、古賀のキレのあるスパイクやブロックなど、随所で好プレーも見られたが、中盤から終盤にかけての連続失点で一気に引き離され、16-25。セットカウント1-3での敗戦となり、ポイント(勝ち点)を獲得することはできなかった。

 山田監督は試合後の会見で、こう言及した。
「近江や柳田のポジションには高さのある白垣やイエリズが控えていますし、セッターがフロントに近い時は〝2枚替え〟という手があります。こういうゲームの中では、〝チームケミストリー〟というか、チーム全員が相乗効果を出していかなければいけませんが、そこはもう少し詰めてやっていく必要があったというのが監督としての反省点です。相手からしたら戦いやすかったかもしれません」
 負けた悔しさは当然ある。ただ、選手たちにそれを引きずる様子は一切見られなかった。むしろ、浮き彫りになった課題を改善し、この敗戦を次に生かそうという前向きな姿勢がある。古賀は「気持ちを切り替えて、来週の試合で3ポイント獲れるように1週間頑張っていきたい」と話し、島村も「東レさんとはファイナル3やファイナルでもう一回対戦する可能性がある。今日の悪かった部分をしっかり修正して、次は借りを返したいです」と、静かに闘志を燃やしていた。
 次節の相手は、このファイナル6で2連勝中と絶好調の日立リヴァーレ。厳しい戦いになることが予想されるが、レッドロケッツらしい全員バレーで大一番を乗り切り、最終節につなげてほしい。






~ファイナル6から調子を上げてきたレッドロケッツのキープレイヤー~
 前節の久光製薬戦での勝利後、山田監督が名前を挙げて評価した一人が大野だった。
「レギュラーラウンドでは思うように行かず、壁にぶつかったこともありましたが、今日は大事な場面でポイントを決めてくれました。壁を一つ乗り越えて、一皮むけてくれた印象です」
 その勢いは今節も続き、岡山戦では今季の自身最多得点となる15点をマークした。とくに、ここ一番という場面での決定力が光った。この日の東レ戦も、「打数が少なく、相手に印象を与えられませんでした」と大野自身は反省したが、激しい競り合いが繰り広げられている時に鋭い速攻やブロード攻撃を決めて、相手に主導権を渡さなかった。ファイナル6での好調の要因は、地道に取り組んできた練習にあると言う。
「レギュラーラウンドの頃以上に、セッターのクウさん(山口)やユナ(奥山)とコンビの精度をもっと上げていかなければいけないと思って、練習中から意識して合わせているので、試合中も信頼しながらプレーできていると思います」
 ただ、ここまでの出来に満足しているわけではなく、「精神的な面でもチームの柱になれるように、もっと成長していきたいです」と、その向上心は尽きることがない。
 また、東レ戦は大野にとって、別の意味でも思い出深い試合となった。双子の姉・大野果歩との直接対決が初めて実現したのだ。本人によれば、「高校卒業してから初めてなので5年ぶり」に一緒にプレーをしたことになる。果歩が東レ入団以降、故障とリハビリで苦しんでいたことを知っていただけに、ネットを挟んで対峙した姉を見て、「頑張ってほしいという複雑な気持ちも沸きました」と笑うが、いずれにしても、大野はいつも以上に燃えていた。結果的にレッドロケッツは東レに敗れ、大野は「次に対戦する時は必ず勝ちたい」と意気込んでいる。その〝次に対戦する〟機会を得るためには、ファイナル6の残り2試合を連勝で飾り、ファイナル3への出場権をつかむしかない。
 大野の気迫みなぎるプレーが、レッドロケッツを勝利へと導いてくれるはずだ。
(取材・文:小野哲史) 

アーカイブ