• トップ
  • インフォメーション1
  • レッドロケッツ応援記 ~7/1・2・3 2016V・サマーリーグレポート 若い力が存在感を示し、価値ある5戦全勝~

レッドロケッツ応援記 ~7/1・2・3 2016V・サマーリーグレポート 若い力が存在感を示し、価値ある5戦全勝~

  info_category1.gif2016/07/04

 新シーズンの幕開けを告げるV・サマーリーグ。最近5年間で優勝3回と、レッドロケッツにとっては相性の良い大会でもある。例年は東西に分かれての一次リーグを経て決勝リーグが行われるが、今年はスケジュールの関係から、参加22チームが石川県・いしかわ総合スポーツセンターに一堂に会し、やや変則的なレギュレーションで開催された。
 今大会のレッドロケッツには、2つの大きな目標があった。1つは、オフェンス得点力のアップだ。これについて山田監督は、「アタッカーはどれだけ得点に絡めるか、あるいは乱れたボールでも得点できるか。また、サーブは助走を変え、高い打点から長い距離の軌道になるようにしています」と説明する。もう1つの目標が、サマーリーグが「若手選手の登竜門」とも言われるように、これまで出場機会の少ない選手にできるだけ経験を積ませること。島村と古賀は今大会に登録されておらず、近江、山口、大野ら、リーグでも主力を担ってきたメンバーはベンチに控え、出場選手たちのサポート役に回った。今季から新キャプテンとなった岩﨑は、「今まで各個人が課題に向き合って取り組んできたことをいかに実践の場で出せるかを意識しました」と語っていた。



 1日の予選リーグでは、柏エンゼルクロスに2-1、プレステージ・インターナショナルアランマーレに2-0と2連勝を飾り、2日の2次リーグも、日立リヴァーレに2-1、ブレス浜松に2-0と連勝で乗り切った。2日目終了後、小山は「決め切らなければいけない場面で、まだまだ決め切ることができませんでした」と悔しさを覗かせ、篠原は「1回崩れてしまうと、バタバタしてしまう所があって、立て直せる力をつけていかないといけないと感じました」と反省ばかりを口にした。しかし、ほとんどの相手がチャレンジリーグ所属のチームだったとは言え、苦しみながらもすべての試合を勝利に結びつけたことは素直に評価していいだろう。とくに日立戦は第1セットを落とし、最終セットも相手に3度のマッチポイントを握られたにもかかわらず、ここ一番での集中力と粘りが光って逆転勝利を手中に収めたのである。
 大会規定により、予選リーグが2位通過となったレッドロケッツは、3日の大会最終日で7位決定戦に回り、トヨタ車体クインシーズと対戦した。「スパイクフォームの改善や身体の使い方を一から見直して、オフェンス強化に力を入れてきた」と話す小山の強烈なスパイクなどで、レッドロケッツの出だしはまずまずだった。ところが、ミスから逆転を許すと、6-8からは追いかける展開を強いられる。我慢を続けながら、12-15からの篠原のダイレクトスパイク、家高のサービスエース、佐川の速攻で一気に同点とし、さらに篠原のコースを突いたサービスエースでついにレッドロケッツが先行した。
 若手選手たちの可能性が大いに感じられた場面が、第1セット終盤にあった。激しいラリーの応酬の中、難しい二段トスを廣瀬が打ち切れずに同点とされてしまう。そこで山田監督はすかさずタイムアウトを要求したが、直後のプレーで篠原は何の迷いもなく廣瀬にトスを上げ、廣瀬もまた腕をしっかりと振り切って強打を相手コートに突き刺したのだ。篠原は廣瀬を信じ、廣瀬もまた仲間がつなぎ、託してくれたトスを絶対に決めるという気迫に満ちていた。まさに互いの信頼と信頼が呼応し合ったプレーだった。



 デュースにもつれ込む接戦を28-26で制したレッドロケッツは、第2セットに入ると、序盤から相手に傾いた流れを引き寄せられない。佐川のサービスエースや今季新加入のセッター・正の技ありのツーアタックなど、随所で持ち味が発揮されたものの、走るトヨタ車体を捉えることができず、16-25。 勝負の行方は最終セットへと持ち越された。
バレーボールのゲームでは、ファイナルセットは追いついた側に勢いが出て有利に試合を運ぶケースが多々ある。だが、この日のレッドロケッツはここでもう一段ギアチェンジをし、第2セットまでの悪い流れを断ち切ることに成功した。柳田の攻撃的なサーブで相手を崩し、廣瀬や小山のブロックで6点を先取。その後、小山と廣瀬のフェイントでリードを広げ、篠原はブロックを、佐川はライトからの強打で得点した。最後は柳田のスパイクで15-6とし、最終順位は7位ながら5戦全勝で大会を終えた。
 
 山田監督は試合後、「オフェンス力の向上やサーブ、ブロックでの新しい取り組みに関して、現段階では成果が上がっていると思います。ただ、ゲーム経験という点では全体的にまだまだで、今大会でも出せたこと、出せなかったことがありますから、9月のアジアクラブ選手権までにしっかり作り上げていきたいです」と総括し、今後に気持ちを向けていた。
 今大会、とくに印象深かったのは、これまで公式戦で出場機会に恵まれなかった選手たちが、生き生きとプレーしていた姿だ。小山は「リーグではなかなか出番がなかったので、このサマーリーグは自分をアピールするチャンスだと思っています」と闘志を胸にコートに立ち、佐川も「久しぶりに長い時間プレーできて楽しかったです」と充実した表情を見せていた。選手である以上、プレーでチームに貢献したいと思うのは当然だろう。一人ひとりが今大会でつかんだ収穫をより大きな自信に変え、年少だからと遠慮することなく、主力選手たちのポジションを脅かす存在になってほしい。ひいてはそれがレッドロケッツ全体の底上げになる。






 ~思い切りの良い〝ハツラツ〟プレーで、フレッシュスター賞を受賞~
 昨年9月には、柳田とともにU-20世界ジュニア選手権に出場し、メダルにはあと一歩届かなかったものの、4位という好成績。今年1月にNEC入社が内定し、大きな期待を背負ってレッドロケッツに加わった。5月の黒鷲旗大会での公式戦デビューを経て、このV・サマーリーグでは全5試合でフル出場を果たした。
 初日の立ち上がりは硬さが見られたが、周りの先輩たちに「ナナミは思い切りやっていいんだよ」と言われたことで肩の荷が下りたという。力強いスパイクに豪快なバックアタックだけでなく、ブロックやサーブでも得点を挙げた。廣瀬の持ち味を「思い切りの良さ」と評した山田監督は、今大会の廣瀬に合格点を与えた。
「よく頑張ってくれました。失点することもまだ多いのですが、今の時期はチャレンジして起きた失敗であれば、全然問題ありません。徐々にゲームに慣れてくれば、もっと良いプレーができると思います。まずは大きく、荒さや失敗が多少あったとしても、思い切ってボールを叩く意識を持ちながらプレーしてほしいですね」
 ただ、廣瀬自身は今大会での内容にほとんど満足しておらず、「プレーは本当にまだまだ。冷静な判断ができていなかったので、もっと周りを見ながらやっていけるようにしていきたい」と語っている。一方で、わかったこともあったという。「今大会に向けては、ブロックやオフェンスを強化してきましたが、試合でやってきたことを出せた時は、これがやってきたことなんだと感じられましたし、練習でやってることが試合で出るんだと実感できたので、これからも練習を頑張りたいです」
 大会終了後、廣瀬は「フレッシュスター賞」に輝いた。これは、V・サマーリーグの大会期間中、印象に残る活躍をし、かつ将来性の高い選手が、観客の投票と表彰委員会の選考によって表彰されるもの。廣瀬は受賞にあたり、次のような喜びのコメントを残した。
「フレッシュスター賞をいただいて、純粋にとてもうれしいです。たくさんのご声援があり、この賞をいただくことができました。ありがとうございました!今大会ではたくさんの課題が出たので、そこを次につなげてもっと成長していき、初めてのVリーグではチームとして頂点に立つために、チームの勝利に貢献できるよう頑張っていきたいと思います。これからもご声援よろしくお願いします!」
 その若い力でチームに新たな風を吹き込んでくれることを期待しよう。
(取材・文:小野哲史)

アーカイブ