新キャプテンインタビュー ~岩﨑紗也加選手~

  info_category3.gif2016/07/19

 持ち前の鋭い読みと安定した守備力で、2014/15 V・プレミアリーグではベストリベロ賞を受賞した岩﨑。チームの10年ぶりの優勝に大きく貢献するとともに、昨年度は全日本候補にも選出された。2013年にレッドロケッツに加入し、4シーズン目を迎える今季はキャプテンに就任。身長158cmの守備のスペシャリストは、どのようにチームを引っ張っていくのか。意気込みを聞いた。


――まずはキャプテンになられた経緯からお話いただけますか?
岩﨑 5月の黒鷲旗大会後に長期オフがあり、5月下旬から新しいシーズンが始まったある日の練習後、山田さんに呼ばれて「今季はヒナにキャプテンをやってほしい」と言われました。まったく予想していなかったので、「えっ、私が?」という感じでした。このチームに入って4年目を迎えましたし、年齢的にも上の方になるので、自分のことだけじゃなく、もっとチームのことを考えてやっていこうとは思っていました。昨季もそういう気持ちで挑んだつもりでしたが、まだそこまで影響力がなかったので、今季はそういう部分ももっと出してチームを引っ張ろうという意識はあったんです。でも、キャプテンというのは考えていなかったので、すぐに「やります」とも「無理です」とも言えず、山田さんには「ちょっと考えさせてください」と伝えました。ちょうど翌日が休みだったので、1日1人で考えてから「やってみよう」という気持ちになりました。
 

――どういう考えからその結論に至ったのですか?

岩﨑 私自身、もともとキャプテン向きではないというか、そういうのがあまり得意ではないし、最初は正直、「できるかな」と不安でした。でも、誰にでもできる役割ではないですし、苦しい時に逃げ場を作らないという意味で、キャプテンをやることによって自分自身も成長できるなと思いました。山田さんには「やってみないとわからないから」とも言ってもらったので、「自分でできる限り、精一杯頑張ります」とキャプテンの要請を受けることにしました。



――今までのキャリアの中でキャプテンをやられたことは?

岩﨑 たしか小学6年生の時、キャプテンでした。それほど記憶が曖昧な感じです。高校の頃は同学年の3~4人で持ち回りだったので、私は2年生の最後の春高バレーの時期に任されました。ただ、同期の子や後輩みんなで一緒になってやっていこうというチームでしたし、キャプテンが持ち回りだったこともあって、今回のキャプテンほど覚悟を持ってやっていたわけではありません。もちろん、キャプテンだった時は大変な面もありましたが、良い経験になったという程度でしたね。


――山田監督に決意を話して、そこからすぐにチームにも伝わったわけですか? チームメートの反応は?
岩﨑 1週間ぐらい経ってから朝のミーティングで発表されました。みんな、びっくりしていたと思います(笑)。


――レッドロケッツの栄えあるキャプテンとなり、どうしていきたいと考えていますか?
岩﨑 自分のことだけにならずに、チームが勝つためにどうしたらいいか、ですね。そのためには練習の時から試合をイメージしてできるような雰囲気作りや、年下の選手がやりやすくできる環境を作っていくことが大切になります。時には厳しくやらないといけないケースもあるかもしれません。試合でやらないといけないことも出てきますが、まずは練習からしっかりみんなを引っ張っていけるようにしたいと思っています。
 

――今まで所属していたチームで印象に残っているキャプテンはいますか? あるいは、キャプテンの理想像はありますか?
岩﨑 いろいろなキャプテンを見てきて、それぞれに良いなと思える部分があります。でも、たとえば、特定のあのキャプテンのようになりたいというのは難しいかなと。厳しく言ったりすることは絶対に必要ですし、大切なことですが、自分の姿を見て、周りが「あ、自分もやらなきゃ」と思ってもらえるようになることが一番大事だと思いますし、そういうキャプテンを目指しています。
 

――人に厳しく言うというのは大変だと思います。
岩﨑 山田さんからも「どんどん意見を言ったり、時には〝嫌われ役〟にもなってほしい」と言われています。今はまだ全然できていませんが、それをやらないとチームも勝てないですから、しっかりやっていきたいです。
 

――岩﨑選手より年長なのは近江選手と山口選手しかいませんが、2人はどういう存在ですか?
岩﨑 いろいろと支えてもらっています。アカリさんやクウさんも年下の選手たちに厳しく言う時は言ってくれますし、良い雰囲気を一緒に作ってくれています。また、練習後に私の話を聞いてくれたり、「もっとこうした方がいいと思うよ」とアドバイスをいただいたりと、何かと気にかけてくれています。とても心強い存在です。
 

――今月行われたV・サマーリーグ(7位)については、キャプテンとしてどんな感想を持っていますか?
岩﨑 勝負である以上、もちろん勝ち負けも重要ですが、新チームが始動して約1ヶ月、個人技術のレベルアップを取り組んできて、まずはそれを出し切ること、そして、チームの底上げという目的で若手中心で臨んだ大会でした。若い選手たちが試合の中でいろいろとチャレンジをしたり、自分の武器を出せていた部分は良かったと思います。ただ、若いチームだけに勢いや思い切りの良さは出ていた一方で、安定感に欠けていたところもあったかなと。思い切りや気持ちを前面に出すことは当然ですが、アジアクラブ選手権やリーグで優勝するためには、そこにプラスアルファ、できるだけ波をなくして安定したパフォーマンスができるようにならないといけないと感じました。
 

――今季、ご自身はどういうプレーをしていきたいと考えていますか?
岩﨑 とにかく安定感を求めていきたいです。ファインプレーとか派手なプレーではなく、きっちりとしたプレーを確実にして、仲間を生かすことが理想です。キャプテンという前に一人の選手として、求められたプレーをしっかりやって周りに安心感を与えていかないといけません。V・サマーリーグでは個人としてもそういう課題が出ました。
 


――今季はリーグ前の9月にアジアクラブ選手権に出場します。例年とはチーム作りの流れが変わっているのでしょうか?

岩﨑 個人のスキルアップを目指す鍛錬期が少し短くなり、いつもリーグ前に行っていたチーム練習をアジアクラブ選手権前に前倒しする形になります。アジアが終われば、リーグまで1ヶ月半しかありませんから、それまでやってきたことを踏まえてチームを固めていくことになると思います。
 

――2016/17シーズンのチームスローガン『Oneness ~再び頂点へ~』には、どんな意図が込められているのでしょうか?
岩﨑 勝負に勝つ、リーグで優勝する。そのためにはやはりチームワークが大事で、昨季も『絆』というスローガンでしたが、仲間のことを思いやって助け合っていくということです。NECは外国人のように一発で決められるすごい選手がたくさんいるわけではないので、その点でも仲間と助け合っていかないと勝てません。選手はもちろん、スタッフも含めて、チームが1つになることを意識してやっていこうと、「調和」という意味の「Oneness」としました。ただ、チームワーク、チームワークと言っているだけでも駄目で、連覇を目指した昨季は悔しい思いをして、もう一回、日本一になるんだという認識を全員が持つ必要があります。そこで普段の生活や練習の取り組みから頂点に立つにふさわしい行動ができたかどうかを考えられるように「~再び頂点へ~」という言葉を添えています。
 

――ここまでチーム作りは順調ですか?
岩﨑 今日(7月14日)も練習ゲームをしましたが、まだやはりボロが出ていました。でも、今はうまく行かなくても、この時期にいろいろと気づける部分がありますから、それをプラスに考えれば、ここからアジアクラブ選手権まで約1ヶ月半、リーグまで3ヶ月ぐらいですが、そこに向けて明確になっている課題を1つずつ克服していくだけです。とにかく自分のことばかりにならず、自分を犠牲にしてでもチームのために、という部分が徹底できれば簡単には崩れない、強いチームができると思います。チーム全員が年齢やキャリアは関係なく、掲げたスローガンのもと、日本一という目標に向かって練習に取り組んでいきたいです。
 

――来月開幕するリオ五輪の日本代表にレッドロケッツからは島村選手が選ばれました。チームの代表として期待も大きいのでは?
岩﨑 とにかく頑張ってほしいという気持ちですね。たまに全日本合宿から帰って来ることもあって、「私もオリンピックで頑張るから、チームは今、鍛錬期で大変だと思うけど、お互い頑張っていこう」と言ってもらっています。オリンピック後はすぐにアジアクラブ選手権になりますから、日本に帰ってきたら大会まで短い期間しかありませんが、しっかりコミュニケーションを取っていきたいと思っています。
 

――最後に、キャプテンとして改めて今季の抱負と、レッドロケッツのファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
岩﨑 日本一になるためには、まず何より練習が大事です。練習のための練習になるのではなく、しっかりと試合につながる練習ができるように、年下の選手たちが思い切ってできる環境や雰囲気作りを意識しながら、みんなをしっかり引っ張っていきたいと思います。チームワークの良さではどこにも負けませんし、粘り強さやガッツはNECカラーでもあるので、そこはブレずにアジア制覇、リーグ優勝に向かって頑張ります!
(構成:小野哲史)




 


 

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