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レッドロケッツ応援記 ~2/21 対久光製薬スプリングス フルセットの惜敗から、残り8試合での奇跡へ向けて~

  info_category1.gif2010/02/22

 あきらめたくない。
 久光製薬に0-2と2セットを先行されたところから、レッドロケッツの本能に火がついた。もう「いい試合」は十分だ。今、この試合で勝ちたい。崖っぷちに立っているのだから、もう引き下がるわけにはいかない。


 
 パイオニア、シーガルズにフルセットで敗れた先週のダメージは確かにあった。チームの思いを、山田監督が代弁する。
「とくにメンタルの部分で、どれだけ自分たちがやってきたことに自信を持てるか。その確信がなかった。だからこそ、嫌な空気が漂い出した中で東レに勝てたことが本当に大きかったです」
 土曜日の東レ戦を、相手を上回る粘りのバレーで駆け回り、3-1で逆転勝利を収めた。選手たちの心に、再び芽生えた自信。
「まだまだ、いける」
 何としても勝ちたい。だが、強すぎる思いは時にプレーを硬くする。久光製薬との1、2セットがまさにそんな展開だった。
 石田、平井、石井のジャンプフローターサーブにサーブレシーブが崩れ、フォローも続かない。苦しい状況下での攻撃になったところを、相手のブロックに的を絞られ連続失点を喫する。序盤は競り合いながら中盤以降に小さなミスから重なる失点に、コートのムードも停滞しかけていた。



 第3セット、山田監督はライトの安藤に代えて松浦を投入。キレのあるバックアタックを何本も決めるなど、安藤の状態が悪かったわけではない。流れを変えることと、サーブレシーブの布陣を4枚にするための投入だった。
 これがピタリとはまった。澁澤、秋山のサーブから杉山のブロード攻撃や、フォフィーニャ、松浦のサイドからのスパイクが決まり得点を重ねる。15-6と大量リードを得たレッドロケッツに対し、久光は早々に二度のタイムアウトを要求。流れを完全に引き寄せたかと思われた。
 相手のメンバー交代を境に、再び久光が勢いを盛り返す。狩野のサーブで16-14と2点差まで追い上げられたところで、澁澤に代わって再び内田を投入。スタメン出場した内田だが、2セット目からは澁澤に交代し、ベンチから冷静に試合を見ていた。



 サーブレシーブの枚数が増えたことで内田の負担も減り、秋山への返球率も高くなる。多少パスが離れても、3レグに入って攻撃面で好調を保つ杉山が次々とブロードを決め、追い上げられながらも最後はフォフィーニャのスパイクで第3セットを奪取した。
 第4セットも同様の展開で、リードをしても追い上げられ、一進一退の攻防が続く。22-24、先にマッチポイントに到達したのは久光だった。
 石井のサーブを内田がレシーブし、そのままレフトからスパイクを放ち23-24。あと1点で勝利か、はたまたジュースか。互いにとって大きな「1点」を得たのはレッドロケッツ。粘りのレシーブでミスを誘い24-24、遂に同点に追いつく。さらにここで、松浦が値千金のサービスエースで25-24、会場から歓声が沸き起こる。互いが一歩も譲らぬまま25-25と再びジュースを迎えるも、チーム最多の16得点を決めた杉山がまたもライトへ走り込んで鮮やかにクイックを決め、26-25。久光・石田のスパイクを秋山、杉山のブロックがワンタッチを取り、最後はフォフィーニャがレフトから豪快なスパイクを決め、苦しみながらも第4セットを連取、フルセットへと突入した。



 3、4セットを連取した勢いをそのまま持続させ、一気に走りたい場面で小さなミスが生じる。内田は言う。
「数字とか、目に見えるものじゃないんです。空いているコースを後ろから言ってあげるとか、次のプレーを考えて誰がレシーブを取るとか、そういう助け合い。献身的なプレーがまだ足りない。そこが、フルセットで勝敗が決まる差になっているのかもしれません」
 上位を走り、いわば勝ち方を知る久光は勝負どころでたたみかけるように点を取り、レシーブがつながる。あの1本、あの一球、わずかなプレーの差がそのまま点差につながり、最後まで粘りを失わず追いかけたが一歩及ばず。2-3で悔しい敗戦を喫した。
 これまでの二度の対戦はどちらもストレート負けを喫した相手に、2セットを取ったことは成長の兆しが見えつつあるのは確かだ。山田監督も「選手たちが頑張ったのは確かです。チームが少しずつ成長してきていると思います」と成果を述べる。
 だが、だからこそ悔しい。あと一歩、いやあと半歩まで迫っていた勝利に手が届かず、白星ではなく、黒星が増えた現実。だが、下を向くのはまだ早い。内田は言う。
「残りの試合は1戦1戦全部がトーナメントだと思って戦うしかない。もう負けたら終わりなんだという気持ちで戦うし、来週のホームゲームはたくさんの人が見に来て下さると思うので、その人たちに元気を与える試合、パワーを与えられる試合をして勝ちたいです」
絶体絶命に追い込まれても、あきらめない。まだ、終わりではないのだから。最後の最後まで、粘り強く戦いたい。わずかに残った、奇跡の実現を信じて。

(取材・文:田中夕子)

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