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レッドロケッツ応援記 ~11/6 対日立リヴァーレ戦 随所で見せ場作るも、愛知大会での連勝はならず~

  info_category1.gif2016/11/07



 先週の開幕戦でストレート負けを喫し、V・プレミアリーグ16/17シーズンは思わぬ黒星スタートとなったレッドロケッツ。しかし、セッターの山口は「負けを引きずることはありませんでした」と話す。
「リーグは長いので下を向いていても仕方ない。次の相手がいるわけだから前を向かって、みんなでやるべきことをやっていこうと話していました」
 チームとして反省点や修正点はしっかりと整理し、西尾市総合体育館での愛知大会を迎えていた。5日のPFUブルーキャッツ戦では、今季から新たに加入したニコロバがスタメンで初出場を果たした。「自分の武器はアタック」と言うように、高さのあるパワフルなスパイクで序盤から攻撃陣を牽引。古賀も4本のブロックを含む15点、近江も二ケタ得点をマークして、25-22、25-16、25-21のストレートで今季初勝利を飾った。
 だが、山田監督は、「うちのオフェンスが良かったという以上に、相手のつなぎがうまく行ってなかった部分が大きかったと思います。これから勝っていくにはオフェンス力の精度を高めることが急務だと感じています」と、決して満足してはいなかった。より強いチーム、さらなる高みを目指しているからこそ、選手に求めるものも必然的に難易度が高かった。



 6日の相手、日立リヴァーレは昨季の準優勝チーム。レッドロケッツにとっては昨季、レギュラーラウンドで勝ち越しながら、ファイナル6で敗れ、自力でのファイナル3進出の道を断たれた経緯がある。開幕戦がストレート負け、2戦目でストレート勝利という状況はレッドロケッツと同じだったが、勢いがあったのは日立だった。
 レッドロケッツは最初の2セットをともに17-25で落とし、いきなり追い込まれてしまう。第1セットは近江の1枚ブロックや島村のバックアタック、ニコロバの強打が決まるも15-14から、第2セットは古賀のスパイクや大野の速攻などで10-10として以降、いずれも徐々にリードを広げられた。山田監督は岩﨑、正、柳田、家高を次々と送り込み、打開を図ったものの、大勢を変えることはできなかった。流れに乗れない原因を、選手たちはそれぞれに感じていたという。
「硬くなっていたのか、1セット目から自分たちの脚が思うように動いていなくて、いつもなら取れるボールを取れず、そこに自分たちのミスも重なって後手に回ってしまいました」(島村)
「第2セットまでは、自分がどこにトスを上げるかというのを相手に読まれ、攻撃が決まらないことから次第に苦しくなって、コート内も少し静かになってしまった部分がありました」(山口)



 しかし、後がなくなった第3セットに入って、ようやくレッドロケッツらしさが見え始める。島村の得点で口火を切ると、ニコロバと古賀が続き、大野、島村が鋭い速攻を突き刺した。「しっかりと攻撃の起点になって、そこからサイドの選手を楽にさせたい」と語った島村や、「相手が自分たちのセンターに対してどういうブロックのつき方をしているかを周りからコールをもらって、もう一回組み立て直した。相手にミドルを印象づけることができたのは良かったです」という山口の言葉からも、選手たちの狙いがかみ合い、それが実践できていたことがわかる。



 相手の意識がセンターに集まり出した12-8あたりからの近江のプレーが圧巻だった。「絶対に決める!私が決めないとダメだと思いました」と、強打や相手のブロックアウトを誘う巧みなプッシュ、コーナーいっぱいを狙った深いスパイクなど、変幻自在の攻撃で1人で5得点を量産し、17-9と一気に日立を突き放した。山田監督からの「休むな!休むな!行こう!」の檄に、古賀が鋭いスパイクで、ニコロバもサービスエースで応え、攻撃陣にリズムが出てくると、リベロ鳥越の守備も存在感を増していった。最後は大野が締めて、25-16でこのセットを奪うと、会場に詰めかけたサポーターからも大きな歓声が沸き上がった。



 第4セットも序盤から大野の速攻や古賀のバックアタックが決まるなど、レッドロケッツには第3セットからの良い流れがあった。1回目のテクニカルアウトも、近江の連続得点直後に迎えている。だが、山田監督が「日立さんもよく対応していた」と振り返ったように、レッドロケッツの生命線でもあるミドル攻撃がマークされ、島村のブロックで12-13とした以降は、じわりじわりと点差を広げられていく。レシーバーとして投入された岩﨑の好守も得点には結びつかず、途中交代の柳田が一矢を報いても、勢いづいた日立を止めることはできなかった。19-25、セットカウント1-3での惜敗となってしまった。

 この日が27歳の誕生日だった山口は、悔しい記念日になってしまったが、セッターらしく冷静に、すでに前を見据えている。
「相手がやろうとしてくることにもっと早く対応して、後手にならないこと。対応されたら、すぐに違う組み立てをするなど、状況を見ながら臨機応変にやっていけたらと思います」
 山田監督が「今季は混戦になると思います」と語っていた通り、この第2節(3試合)終了時点で、プレミアリーグでは早くも全勝チームと全敗チームはなくなった。長丁場のリーグではあるが、開幕からの出遅れは禁物だ。着実にポイントを重ね、上位に食らいついていかなければならない。今回浮き彫りになった課題を見つめ直し、この日の第3セットのような気迫のこもったレッドロケッツらしいプレーが、今後ますます増えていくことを期待しよう。




 ~2試合連続のチーム最多得点で、華々しいリーグデビュー~

 開幕戦こそベンチ入りしなかったが、この愛知大会でスタメン初出場を果たした。身長187cm、サウスポーから放つ高さのあるスパイクで、5日のPFUブルーキャッツ戦は20得点、6日の日立リヴァーレ戦は17得点。いきなり連日でチーム最多得点をマークし、華々しいV・プレミアリーグデビューを飾った。ブルガリア代表で、2011年からの5シーズンをイタリアの3つのクラブで活躍してきた実績は伊達ではなかった。
 日立戦後、ニコロバは自身のプレーの出来を語るよりも、チームの敗戦を何よりも悲しんだ。「相手はサーブもレシーブも良かったし、攻撃の種類が多く、しかも速かった。日立は強かったです」
 10月3日にチームに加入し、開幕まで間がなかったものの、島村が「エミの方からどんどん私たちに溶け込もうとしてくれた」と言うように、自ら積極的にチームメイトとコミュニケーションを取ってきた。近江も山口も「言うべきことは言ってくれるし、みんなを鼓舞してくれる。頭が良い選手」という意見で一致する。
 ニコロバの「このチームに来たのは、レッドロケッツをもっと強くするため」と言い切る様は力強い。「私が思うに、みんなは負けた時にひどく落ち込んでしまう傾向がある。そこを変えたいです」と話し、精神面でも良い影響を及ぼしてくれそうだ。
 技術的には攻撃面が注目されがちだが、山田監督はニコロバが加入したことによるチーム全体の相乗効果を期待している。
「攻守にまとまった選手なので、もちろんオフェンスの得点力がもっとも期待する部分ではありますが、器用でつなぎもできる、そつのないプレイヤーです。今日(日立戦)はどちらかと言うと、単独で頼ったところが多かったという気はしますが、できれば彼女に頼るというよりは、彼女を生かすという形を作っていきたいと考えています」
 来日し、レッドロケッツに加わった時の印象を「すべてがパーフェクトに感じた」と振り返る。「練習もたくさんしているし、コンディション面もきちんと見てもらえる。コーチ陣もチームメイトも素晴らしく、何を質問してもすぐに返してくれる。チームのスタイルがとても気に入っています」
 オフの日には、得意な料理でリフレッシュするという。映画を見たり、町を歩くことも好きな24歳のニコロバが、レッドロケッツに新しい風を吹き込む。
(取材・文:小野哲史)
 

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