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レッドロケッツ応援記 ~11/20 対東レアローズ戦 若い力がチームを加速させ、今季初の連勝で白星先行~

  info_category1.gif2016/11/21



 「1レグを2連勝して終わろうと、チームのみんなで話していました」
 古賀がそう語ったように、2勝3敗で迎えたこの週末の2試合は、選手たちの気迫が今まで以上にみなぎっていた。山田監督は「技術的な部分は開幕戦から試合を重ねるごとに良くなっていました。オフェンスの課題も改善されつつあり、状態は右肩上がりで来ていたと思います。ただ、それが勝利に結びついていなかった。だから1レグの最終週では、できるようになっていることを結果に結びつけたい」と考えていたという。
 果たしてレッドロケッツは、ここまで首位を走るJTマーヴェラスを19日に、翌20日には百戦錬磨の東レアローズをともに会心と言える内容で退ける。いずれも攻守ががっちりと噛み合った、ストレートでの完勝だった。
 JT戦ではミドルを軸とした攻撃が機能し、島村が12点、大野が7点のアタック得点をマーク。相手の意識をセンターに集めた間隙を縫って、古賀と近江も鋭いサイド攻撃を突き刺すなど、セッター山口のトスワークが冴え渡った。「サーブから相手の良さを出させない」(山田監督)という狙いも奏功し、ブロックはチーム全体で8得点。古賀と鳥越の2人で75%を超えたサーブレシーブの高い成功率も勝因の1つとなった。

 そして迎えた東レ戦。レッドロケッツは最初の長いラリーをものにし、山口の攻撃的なサーブも決まって2点を先取する。そこから逆転を許すと、立ち上がりのプレーで脚に違和感を覚えていたニコロバに代わって柳田が投入された。
 早々の選手交代と、6-10というビハインド。何となく嫌なムードになりかけた中、「呼ばれるのが急でしたが、逆に緊張せずに入ることができた」と話す柳田が2本のバックアタックを突き刺して追撃を開始。古賀のサービスエースで12-12に追いついて以降は、近江や柳田が得点するも抜け出すまでには至らなかったが、一進一退の状況でもレッドロケッツは焦らず、自分たちのバレーを貫くことに集中した。17-18から大野の速攻が光り、相手のミスも続いて一歩リード。柳田も鋭い攻撃で畳みかけ、25-20と良い形で第1セットをもぎ取った。
 JT戦でも東レ戦でも、チーム最多のスパイクを放ち、最多のスパイク得点を挙げたのがエースの古賀である。その溢れる攻撃センスに目を奪われがちだが、試合後、自身の第一声は「サーブレシーブが大崩れしなかったのが、自分としては一番大きかった」というものだった。その言葉を象徴するかのように、第2セットの最初のプレーで古賀は完璧なサーブレシーブを山口に返球し、大野の鮮やかな速攻につなげている。続くポイントでは古賀自らがサービスエースを決め、チームの勢いを一気に加速させた。



 9-5の場面で柳田が放ったバックアタックは山口のトスとのタイミングが微妙にずれていたが、柳田は空中でうまくバランスを取りながら相手コートに巧みに押し込む。2014/15、2015/16シーズンにそれぞれリーグの最優秀新人賞に輝いた柳田と古賀、2人の若きアタッカーが躍動する姿に、ひたちなか市の会場へと足を運んだレッドロケッツサポーターも清々しさを感じたに違いない。
 セット終盤にはピンチサーバーとして送り込まれたルーキーの廣瀬が、先輩に続けとばかりに強烈なジャンプサーブで相手の守備を崩し、見事にチャンスメイク。近江のスパイクで25-17とし、レッドロケッツは危なげない形でこのセットもものにした。
 2セットを先取したら、そのまま一気に押し切る。相手に巻き返しのきっかけを与えてはいけない。それが勝利のセオリーであることを十分に理解している選手たちは、第3セットも序盤から突っ走った。
 古賀と柳田の得点の後、山口が相手のプッシュをよく見てブロックし、鳥越の身体を張ったレシーブは近江がきっちりと決め切った。大野は一人時間差、島村はブロード攻撃と、年齢的には中堅になる主力たちも、それぞれに持ち味を発揮。8-4、16-11と時間の経過とともに着実にリードを広げていく。21-16からは古賀のバックアタック、柳田の速いスパイク、近江のブロックアウトを取る押し込みで3連続得点。マッチポイントを握ってから東レの粘りにやや手こずったが、最後は25-20で締めくくった。


 
 今季初の連勝で通算4勝3敗とし、白星を1つ先行させたレッドロケッツ。この2連戦では、個々の技術やチームとしての戦い方の素晴らしさもさることながら、それ以上に際立っていたのが、選手一人ひとりの〝責任感〟だったのではないだろうか。
 たとえば鳥越は、「リベロが強いチームは強い。私は拾うことしかできないけれど、守りの面でチームの柱になってボールを上げていくという気持ちは去年以上に持っています。声だけでなく、プレーでも引っ張っていくつもりでプレーしています」と話し、この日も身体を張ったプレーでチームを盛り上げた。柳田や古賀も年齢に関係なく、思い切りプレーしたいという趣旨のコメントをしている。
 「今週は内容的にも今リーグが開幕してから一番良かったと思います。ただ、各チーム、力の差はほとんどありません。今後もいかに気持ちの部分で一歩も引かずに攻めていけるかが大事になってきます。そういうチームに流れは転んで来ますし、勝負の神様も味方してくれるはずです」と山田監督。大きな手ごたえと自信をつかんだレッドロケッツは、勢いに乗って第2レグへと突入していく。





 出番は突如としてやってきた。
 第1セット、2-3。「いつでも入れる準備はしていた」と柳田は話すが、このタイミングでの登場は自身も想定外だったかもしれない。それでも「相手スパイカー一人ひとりに対する、自分たちの役割がとてもわかりやすい中で試合に入れた分、リズムを崩すことなくプレーできました」と、緊急出場にも慌てることはなかった。
 今季は開幕戦こそ、先発でコートに立った柳田だが、2戦目以降はすべてベンチスタート。「自分はエミ(ニコロバ)が調子の悪いときや、つなぎの部分で頑張ろう」。そう思っていたところ、この茨城大会の前日練習で山田監督からたしなめられたという。
 「『そうじゃない。ライにはエミに負けない得点源、NECの点取り屋として期待して使っているんだ』と言われて、今までの考えじゃダメだなと気づかされました。オフェンスは自分が一番という気持ちで入って、チームに貢献するのはどんな形でも点を取るしかないと考えるようになりました」
 山田監督の言葉は、柳田の〝スパイカー魂〟に火をつけた。
 19日のJT戦は短い出場時間だったにもかかわらず、2本のバックアタックと2本のサービスエース。この日の東レ戦では、古賀とともにチーム最多の16得点を叩き出し、今季初の連勝に大きく貢献した。圧巻だったのは7本打って5点をマークしたバックアタックだ。168cmという身長を感じさせない滞空時間の長い跳躍から、次々と相手ブロックを打ち抜いた。柳田はバックアタックを含め、スパイク全般で今まで以上の自分になれるようにと高い意識で練習に取り組んできた。
 「去年まではセッターのクウ(山口)さんが『ここに入ってほしい』と言ってくれて、その通りに入る感じでしたが、今年は自分からセッターに『ここに上げてほしい』と要求するようになりました。また、同じトスを打つにしても入り方を工夫して、相手ブロックを自分の意図した所に動かすことが少しずつできてきたと思います」
 あくなき向上心と自己の意識改革が、スパイカー柳田をワンランク上のレベルへと押し上げた。
(取材・文:小野哲史)

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