• トップ
  • インフォメーション1
  • レッドロケッツ応援記  ~1/22 対PFUブルーキャッツ戦 前日の敗戦の反省生かし、サーブで流れをつかんで首位をキープ!~

レッドロケッツ応援記  ~1/22 対PFUブルーキャッツ戦 前日の敗戦の反省生かし、サーブで流れをつかんで首位をキープ!~

  info_category1.gif2017/01/23

 
 
 21日のJTマーヴェラス戦で、レッドロケッツはストレートで敗れた。リーグ戦で昨年11月27日のJT戦から続けてきた連勝記録は、ついに「9」でストップした。「押し込まれて劣勢になった時に、悪い流れを引き戻せないまま終わってしまった。メンタル的に〝折れた〟ゲームでした」と山田監督は振り返る。連勝が途切れたこと以上に、第1セットで大きくリードしながら、ふとしたことから逆転を許し、そこから立て直せなかったことを悔やんでいたのだ。
 ただ、一夜明けた翌22日のPFUブルーキャッツ戦前に、選手たちの気持ちは切り替わっていた。古賀の「今日はしっかりチーム全員で、最初から最後まで出し切ろうと話していました」、大野の「昨日は悔しい思いをしたので、それを反省して、練習から高い意識を持ってやっていこう」という言葉通り、立ち上がりから試合が決まる最後のポイントまで、一瞬たりとも気を緩めることはなかった。

 
 
 13-13からの5連続得点で一気に抜け出し、25-18で先取した第1セット。とくに光ったのが柳田のサーブだった。5-4の場面で放ったサーブで守備を崩された相手は返すのが精一杯で、すかさず島村がブロード攻撃を突き刺した。その直後にはやや運も味方したが、ネットインでサービスエース。セット中盤の連続得点も14-13以降は柳田のサーブが冴え、18点目の近江の得点は相手のサーブレシーブが乱れたところをダイレクトで打ち込んだものだった。柳田は自身のサーブについて、こう語る。
「私が得意としているのはサーブ。自分のサーブで相手が引いたり、少しでも嫌だなと思わせたら勝ちだなと思いながら打っています。でも、昨日は人の正面に入ってしまって、Bパス以下にすることが少なかったので、今日はとことん人と人の間に、軌道の低い強いサーブで打って、Bパス以下にする本数を増やせるように意識しました」
 柳田の存在感は、第2セットに入っても際立っていた。レフトからの先制点の後、立て続けに2本のスパイクを叩き込み、サービスエースも決めた。ポイントゲッターの活躍に刺激を受けたかのように、近江、島村、古賀もそれぞれに持ち味を発揮し、大野は速い攻撃で連続得点をマーク。山田監督はここ最近のチームの好調の要因として、「セッターが安定していること」を挙げたが、この日も山口がセンター攻撃で印象づけてから、サイドアタッカーを巧みに操るトスワークで相手に的を絞らせなかった。
 さらにこのセットはブロックが機能した。柳田の2得点の他、近江と大野はラリーの苦しい展開の中、起死回生のブロックで相手の攻撃を食い止めている。セットポイントでは、またしても柳田のサービスエースが決まり、このセットも25-18とレッドロケッツが圧倒した。


 
 第3セットに入ると、ホームの大声援を受けて戦うPFUが序盤から畳みかけてきた。レッドロケッツは2-6と押し込まれ、早くも1回目のタイムアウトを要求せざるを得ない。それでも選手たちは動揺することなく、近江のスパイクと島村の速攻ですぐに追い上げを開始した。最初のテクニカルタイムアウト直後に古賀のスパイクで同点とし、島村のクイックで逆転。ネット際に落ちそうなボールは鳥越がうまく処理し、古賀のスパイクへとつないだ。
 一度は11-11に追いつかれたが、そこから大野の連続得点などで再び引き離し、19-15の場面で送り込まれた小山は、自身のサーブから相手のスパイクミスを誘って1点をもぎ取った。終盤にも島村の2本の速攻が決まり、このセットも25-18。好守がかみ合ったレッドロケッツが、前日の敗戦のショックを振り払う快勝で、今季14勝目を挙げて首位をがっちりとキープした。

 

 試合後のPFU・寺廻監督のコメントが、逆にレッドロケッツの勝因を端的に表している。
「今日はサーブでやられてしまった。あそこまで崩されてしまっては試合になりません。とくに柳田選手の上背はそれほどないにもかかわらず、サーブを打つ時のジャンプが高く、スピードと角度のあるサーブが素晴らしかった」
 島村は「どこからでも攻撃できるのが自分たちの強み。NECらしいバレーを取り戻せたと思います」と胸を張った。たしかにこの日、フロントに並ぶ3人と、時には後方にいる選手がバックアタックにも加わり、4人が迫力のある攻撃を繰り出す局面が多く見られた。実際にポイントを決めるのは1人のアタッカーだが、他のアタッカーたちが囮になることで相手のマークがばらけ、より決めやすくなる。全員守備全員攻撃を掲げるレッドロケッツが理想とする形だった。
「ミドルを相手に印象づけることができたので、チームオフェンスはそれぞれお互いが生かし合って攻撃できたかなと。先週までの内容からバックアタックをもう少し出していきたいと考えていたので、今日はだいぶ形になってきたと思います。試合を重ねるごとにやりたいことが見えてきていますから、残りの試合も一歩ずつでも強くなっていきたいです」
 山田監督は試合後にそう語り、JT戦の敗戦を引きずらずに攻めのバレーを展開した選手を讃えた。ただ、この勝利ですべての課題が解消されたわけではないことも強調する。「今日は幸い、拮抗する場面や追いかける展開がほとんどなかったので、昨日のようにこちらが追いかけなければいけない展開とか、拮抗して1点で流れが変わるような局面になった時に、自分たちがやりたい形が作れるかどうか。そこはしっかり持ち帰って、来週の試合に備えたいと思います」
 1つでも上の順位で、できれば首位で終えたいレギュラーラウンドも次週の2試合の残すのみ。29日の最終戦では、現在、レッドロケッツを2ポイント差で追いかける前回王者・久光製薬スプリングスとの対戦もある。「あと2試合をしっかり勝ち切って、ファイナル6に入っていきたい」。島村の力強い言葉には、これまでチームが築き上げてきた自信がみなぎっていた。
 



~チームメートを最大限にいかず高速センター~ 

 今季、ここまでのデータを改めて見返してみると、アタックの総本数は古賀、近江、柳田のサイドアタッカー、そして同じミドルブロッカーの島村よりも少ない。しかし、大野の存在感は、その4人や他のメンバーに勝るとも劣らない。アタック決定率は主力4人を上回る40.8%をキープし、1セットあたりのブロック決定本数やサーブ効果率でも、リーグトップ10以内に名を連ねていることがそれを証明する。
 大野自身も自分のプレーに確かな手ごたえを感じているという。
「ミドルが起点になってサイドを生かすというのが自分たちのバレーです。だから必ずしも自分が決めなくても、自分の動きに相手がコミットしてくる回数が多ければ、チームメートを助けることにもなりますから、仕事ができていると思える。今季はそういう試合が多くできています」
 山田監督は、今季の大野を「安定感が増している」と高く評価する。
「昨季までは浮き沈みがあって、メンバーチェンジに助けてもらったりする場面も見られました。でも、今季は自分のポジションをしっかり守って、相手にとってもインパクトを与え続けています。NECが目指す全員バレーのオフェンスの起点になってくれており、同じセンターの島村も含めてですが、大野の活躍なくしては、ここまで勝利を重ねることは難しかったのではないでしょうか」
 データ上はチームトップではないものの、クイックを軸とした高速スパイク、ブロック、サーブと、どのプレーも高いレベルでこなす大野だが、ここまで唯一、チームトップ数をマークしているのが、サービスエースの本数だ。とりわけノータッチエースの10本は、チーム2位である柳田の6本を大きく引き離している。この日のPFU戦でも第1セットと第2セットに1本ずつ、鮮やかなサービスエースを決めた。「サーブは助走をつけて、思い切って打てているのが、うまく行っていると思います」と大野は話す。
 とはいえ、常に自分への厳しさも持ち合わせている。「サーブもまだまだ課題はありますし、ブロックも抜けたところにディガーが入っていない場面があって、そこはブロックの責任なので、そういうところももっと詰めていかないといけません」。このような姿勢が大野をここまでの選手にしてきたのだろう。
 開幕からここまで走り続け、疲労がないはずがない。しかし、自身もチームも充実している今、大野の表情は明るかった。
(取材・文:小野哲史)

アーカイブ