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レッドロケッツ応援記 ~2/26 対JTマーヴェラス戦 チャレンジャー精神で攻め続け、ファイナル3以上の進出が決定!~

  info_category1.gif2017/02/27



 今季のファイナル6は、第3週に入って混戦模様がより強まってきた。
 試合消化数に差はあるものの、25日を終えた時点で全勝、および全敗チームはなくなり、6チームすべてがファイナル3以上に進む可能性を残していた。その中でレッドロケッツは、1勝1敗(8ポイント)の2位。他の5チームに比べて試合消化数がもっとも少ない点は有利にも思えるが、3位以下も僅差で続いている。1つの敗戦ですぐに圏外に弾き出されることを考えれば、当然、油断はできなかった。
 しかも、先週のトヨタ車体クインシーズ戦では完敗を喫し、この日対戦するJTマーヴェラスにも、レギュラーラウンドの第3レグではストレートで敗れている。ネガティブな要素が働きそうな状況をどのように乗り切るかが、この一戦のポイントだった。
「3レグでJTにストレート負けしたときの悔しさを力に変えて、今日はすべて出し切って絶対に勝ちに行こう、と選手間で話し合ってきました」と近江は言う。山口も「先週の負けは相手の気持ちが上回っていたから。自分たちの内容が悪かったわけではないと思うし、相手の良かった部分は見習わなければいけないと前向きに捉えました」と語っている。
 選手たちは反省すべき点を反省し、気持ちを切り替えてこの日を迎えたことがわかる。


 
 それでも第1セットの序盤は、前日の試合で久光製薬スプリングスを破って、ファイナル6初勝利をマークしたJTの勢いがやや上回っていた。JTが先行すれば、レッドロケッツが追いかける。そんな展開がセット半ばまで何度か繰り返された。
 12-13からはニコロバの豪快なバックアタックの後、「点数を取るのが自分の仕事。たくさん取ろう」と意気込んでいた古賀が2本のスパイクを突き刺し、2点リードで2度目のテクニカルタイムアウト。18-17からは古賀のバックアタックや島村に代わって投入された上野のブロックなど、一挙4連続得点で相手を引き離した。近江は中央に切れ込んで鋭いスパイクを放ち、山口も絶妙なツーアタックで続くと、25-20で幸先よく最初のセットをものにする。
 ところが、立て直してきた相手に、第2セットは18-25で奪われてしまう。山田監督が「途中からコートに入った選手が持ち味を出してくれました」と振り返ったように、柳田が最初のプレーでスパイクを決め、このセットはスタートから起用された上野も速い攻撃で3点をマークした。しかし、セット全体の流れは終始JTにあり、食い止める隙を与えてはくれなかった。
 ただ、見方を変えれば、ゲームは振り出しに戻っただけである。



「2セット目は自分たちが静かになってしまった。もう一回、1点1点喜んだり、1点ずつ気持ちを込めて行こうと確認しました」
 近江の言葉通り、仕切り直しとなった第3セットは、古賀の運も味方したネットインによるサービスエースで先制し、レッドロケッツがリズムをつかんでいく。とくに序盤は近江の活躍が際立った。相手の移動攻撃を読み切り、1枚ブロックで仕留めると、絶妙なフェイントやサービスエースも決めた。レシーブでもことごとく相手のスパイクを拾い、大野のブロード攻撃につなぐ。
 さらに、山口がダイビングしながら上げたボールは古賀が、また、近江がコート外から何とか返したボールは上野が、それぞれ難しいボールを得点に結びつける。仲間の必死のプレーが好プレーを呼ぶという好循環が生まれ、中盤以降は完全にレッドロケッツのペースで進んだ。その後も上野、ニコロバらがきっちり得点を重ね、25-17とし、勝利まであと1セットに王手をかけた。


 
 古賀は、「3レグのJT戦では、最初にリードしていたのに逆転されて負けてしまった。今回は25点、3セット取り切るまで攻め続ける」と心に誓っていたという。その姿勢はチーム全員が共有できていた。
 第4セットは序盤こそ、両チームが主導権を握るまでには至らなかったが、7-6から上野のブロックとニコロバのスパイク、さらにネット際のボールを鳥越がうまく身体を使って処理し、古賀の得点を演出するなど、5連続得点でレッドロケッツが走り出す。
 この日、会場となった大田区総合体育館は、詰めかけた多数のサポーターによって、まるでホームゲームのような雰囲気が作られていた。近江が試合後に「力になった」と振り返ったように、熱い声援が選手たちをさらに加速させ、上野、大野、古賀らが次々と得点を重ねた。押せ押せムードのまま、一時は最大で11点ものリードを奪い、最後はニコロバの強打が炸裂。25-16で試合を締めくくった。


 
 山田監督は試合後、選手の奮闘を惜しみなく称えた。
「取ったセットに関しては、サーブが走って自分たちの良い部分が出せました。今日はラリーの応酬になることは覚悟していて、最終的にはどれだけつないで、ハイセットを打ち切れるかだと考えていましたから、そのあたりは選手が辛抱して、よくしのいでくれたと思います」
 この勝利でレッドロケッツは首位に躍り出て、ファイナル3以上に進出することが確定。次週の2試合のうち、1勝でもできれば、ファイナル3を飛び越えて、2年ぶりとなるファイナル進出が決まる。
 ただ、攻守に渡る活躍でこの試合のVOM(V.Leaguer Of The MATCH)に選出された近江は、決して楽観視してはいなかった。
「昨季のファイナル6では序盤は上り調子で入ったにもかかわらず、中盤に負けが続き、1ポイント及ばずにファイナル3に行くことができませんでした。今は上位にいるかもしれませんが、あと2試合、隙を見せることなく、ここからもっと成長して、ファイナルの舞台で最高のパフォーマンスが出せるように全員で準備していきたいです」
 ファイナル3に回るのか、一気にファイナルへの出場権を勝ち取るのか。2年ぶりの王座奪還を狙うレッドロケッツにとって、1つ目の重要な局面がまもなくやって来る。





~冷静沈着な司令塔が多彩な攻撃を見事に演出~

「相手どうこうよりも、まずは自分たちのバレーをする」
 そんな言葉を口にする選手は多い。とりわけアタッカーにはそうした傾向がある。もちろん、それは間違いではなく、レッドロケッツも常に自分たちのバレーをすることを重視し、日々の戦いをこなしている。
 ただ、改めていうまでもなく、バレーボールは相手と戦う競技である。山口はその点、セッターらしく、あくまでも冷静な心持ちでこの一戦に臨んでいた。
「周りの子から教えてもらったり、自分も相手を見て感じ取ったりしながら、まず相手がブロックでどういうことをしようとしてきているのかを考えました。自分たちのことばかりになるわけでもなく、相手の対応に追われるだけになるのでもなく、相手のやろうとしていることを察して、そこからどう攻撃していくか。今日はそれができたと思います」
 この日は粘りが持ち味のJTが相手でもあり、ラリーの展開が増えることを予想していたという。そうしたラリーに対しても、山口の準備は万端だった。
「ラリーが続くと、多少バタバタしますから、アタッカーが落ち着いて助走に入れるように、一度、間を作ります。でも、毎回そうしていると相手にも対応されやすくなるので、バタバタしているときはゆっくり上げ、良い状況のときは高いところで、相手に的を絞られないようなセットを意識しました」
 細かい部分の徹底が、粘り強い守備やアタッカー陣の高い集中力とうまく融合し、第3セットや第4セットの白熱するラリー合戦をことごとくものにできた要因になったに違いない。もちろん、いつも「チャンスがあれば狙っている」と口にしている攻撃面でも、第1セット終盤に鮮やかなツーアタックを決め、第4セット序盤には、ラリーの中から相手のプッシュをうまく抑え込んで、得点を挙げている。
 山口は2014年にレッドロケッツに加わり、いきなり1年目に正セッターとしてリーグ制覇に貢献。しかし、連覇を狙った昨季はファイナル3に進めず、4位でシーズンを終えた。2年間に最高の歓喜と大きな悔しさを味わったわけだが、今季のここまでのチームは優勝したシーズンに近い感覚があると話す。
「昨季はその前のシーズンに優勝していたこともあって、無意識に受け身になって、押されたり、苦しいときに立て直すことがあまりできませんでした。でも、今季は厳しい状況でもみんなで粘って、視野を広く持って落ち着いたプレーができていますし、何より攻め続けられています。そういう気持ちが持てているからだと思います」
 チームが前進するためには、勢いや熱のようなエネルギーが絶対に必要である。しかし、それだけではなく、山口のようにどんなときも冷静沈着にチームを見渡せる選手の存在が欠かせない。
(取材・文:小野哲史)
 


 

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