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レッドロケッツ応援記 ~3/4、5 対久光製薬スプリングス戦、対東レアローズ戦 最終節を連勝で乗り切り、いざ2年ぶりのファイナルへ!~

  info_category1.gif2017/03/06



 前週の試合を快勝で終え、すでにファイナル3以上の進出が確定していたレッドロケッツ。このファイナル6の最終節で2年ぶりとなるファイナル行きの切符をつかむためには、4日の久光製薬スプリングス戦でフルセットに持ち込み、1ポイント以上を獲得するか、5日の東レアローズ戦で勝つことが条件だった。
 久光製薬はレッドロケッツに敗れると、ファイナル3進出が他のチームの結果に委ねられる。東レも4日と5日を連勝すれば、ファイナル6で3位に入れる可能性をわずかながら残していた。そういう意味でレッドロケッツにとって、どちらの試合も厳しい戦いになることが予想された。


 
 しかし、4日に25歳の誕生日を迎えた島村が、「前日のミーティングで、ベストゲームをしようと話していた」と言うように、選手たちは気迫をみなぎらせたプレーで、ディフェンディングチャンピオン相手に真っ向からぶつかった。25-22、25-23と接戦で2セットを奪った後、第3セットは25-13と一気に押し切って勝負を決めた。
 とくに第3セットは圧巻だった。11-8からニコロバや近江のスパイクで一挙に7連続得点。山口のツーアタックと古賀の得点で23-12とした場面でも、近江が「取り切るよ!」とチームメートを叱咤し、マッチポイントでピンチサーバーの山内がサービスエースで決着をつけるまで少しも隙を見せなかった。
 試合後の会見で、山田監督が殊勲者として名前を挙げた鳥越とニコロバが、それぞれ守備と攻撃で大車輪の活躍を見せた。鳥越は幾度となく、相手スパイクを全身投げうって拾いまくり、ニコロバはライトやバックから次々と強烈なスパイクを突き刺して、実に32得点をマーク。この試合のVOM(V.Leaguer Of The Match)にも選ばれた。 
「今日のような試合ができれば、どこのチームにも勝てるという自信がある。明日も今日のように全員で拾ってつないで、考えながら戦っていきたいです」



 お立ち台で鳥越はそう言って胸を張った。近年は直接対決で大きく負け越し、今季も天皇杯・皇后杯全日本選手権を含めて、1勝3敗と分が悪かった久光製薬を、ほとんど完璧と言っていい内容で下したのである。ファイナル3を飛び越し、2年ぶりとなるファイナル進出を決めた選手たちが手にした自信の大きさは計り知れなかった。


 
 そうして迎えた翌5日のファイナル6最終戦だった。
 東レは、レッドロケッツに2セットを取られた時点でファイナル3進出の可能性が完全に潰え、同時に、今季限りで現役引退を表明していた大黒柱の木村沙織にとって最後のゲームとなる。レッドロケッツでも島村や古賀ら、全日本で木村とプレーをした経験のある選手は少なくない。日本バレーボール界を長く牽引してきた偉大なプレーヤーに対し、それぞれに思うところはあっただろう。
 ただ、そのような思いをコート内に持ち込む必要はない。勝利に向かって、正々堂々と自分たちのバレーを遂行するのみである。だからこそ島村は「今日の試合はファイナルに向けての第一歩と捉えていた」と話し、山田監督も同じように「この試合をしっかり勝ち切って、優勝への足掛かりとしたかった」と語っている。
 
 とはいえ、様々な意味でモチベーションの高かった東レに、第1セットは20-25で先取されてしまう。ニコロバや大野の得点で試合の入りは決して悪くなかったが、10-8からの7連続失点が響き、最後までその差を埋めることはできなかった。
「気持ちを出していこうと声を掛け合って入った」(古賀)という第2セットも、立ち上がりから1-4と押し込まれた。早い段階で山口の3連続サービスエースが飛び出し、リードを奪ったものの、終盤に逆転を許し、22-24と絶体絶命のピンチを招く。だが、そこから近江や鳥越、ニコロバらの執念とも言えるプレーでデュースに持ち込み、28-26でセットを奪い返す。
「競り合った2セット目を取り切れたことが大きかった。スタートのメンバーはもちろん、途中から出たメンバーも持ち味を発揮してくれました」



 山田監督が試合後、そう振り返ったように、ニコロバに代わって入った柳田は難しい2段トスを決めるなど、セット中盤だけで4得点。上野と交替で送り込まれた島村も、デュースに入ってからの勝負所で2本のブロード攻撃を突き刺した。まさに全員バレーでもぎ取ったセットだった。
 島村は「ディグから2本目のボールをしっかりフィニッシュまで繋げることができ、2セット目からは自分たちの粘りのプレーが出てきたと思います」と、徐々にリズムが出てきたことを感じていた。第3セットも終盤までもつれたものの、集中力を切らすことなく得点を重ね、最後は近江の活躍で相手を振り切った。
 第3セットを25-22の接戦でものにしたレッドロケッツの勢いは、第4セットに入って一気に加速する。1回目のテクニカルタイムアウトまでにアタッカー全員が得点を挙げるなど、相手に的を絞らせない山口のトスワークも冴え、またたく間にリードを広げた。最後はこの試合のVOMに輝くことになる古賀が鮮やかなサービスエースで締めくくり、25-15。レッドロケッツは4勝1敗(ポイント17)でファイナル6を戦い終えた。



 過去10シーズンで4度ずつ優勝している久光製薬と東レに快勝し、2年ぶりとなるファイナル進出を決めたレッドロケッツだが、理想とする戦いの完成型には至っていないという。久光製薬戦後に「ファイナルでベストゲームをできるのが理想。今は80%ぐらいまでは来ている」と話した山田監督は、東レ戦後には「あと2週間で、まだまだプレーの質を上げられる部分はある。ベストを尽くして、もっと良いバレーができるように頑張りたい」と抱負を語っている。
 今月17、18日と東京体育館で行われるファイナル。相手は久光製薬と日立リヴァーレが対戦するファイナル3の結果次第だが、どちらのチームが勝ち上がってくるにしても、レッドロケッツは自分たちの理想型を完成させ、掲げてきた「Oneness~再び頂点へ~」という目標を必ずや果たしてくれるだろう。




~ミドルブロッカーの柱として抜群の安定感を発揮~

 多彩な顔ぶれがそろうレッドロケッツのミドルブロッカー陣にあって、今季のこれまでのリーグ戦で全試合、かつすべてのセットにおいてスタートから起用されているのは、大野ただ一人である。起用され続けるということは、それだけ期待に応え続け、山田監督やチームメートが絶大な信頼を寄せているということに他ならない。
 レギュラーラウンドから安定したプレーを継続してきた大野だが、その安定感はV・ファイナルステージに入って、さらに増しているように思える。ファイナル6が大詰めを迎えた4日の久光製薬戦では、第1セットに3本の速攻を決めて、チームを勢いづかせた。ファイナル行きを決めた翌5日の東レ戦でも、「自分たちがやることは変わりません。オフェンスではサーブから攻めることを意識しました」と臨み、14得点をマークしてチームの逆転勝利に大きく貢献した。
 ファイナル6における個人ランキングのアタック決定率では、ニコロバを含めた各チームの外国人選手が上位を占めている中、48.4%の大野は堂々の2位。スピードを武器に得意のクイック攻撃を何度も突き刺し、東レ戦ではライトに移動してからあえてリズムをワンテンポ遅らせて放つスパイクで、相手ブロックを手玉に取った。セッター山口との息はピッタリだ。
 安定感が増してきたこれと言った明確な理由はないと大野はいう。「ミスをすることもありますが、そこで慌てず、周りがしっかり見えるようにしようということは心掛けています」と話す通り、得点を決めたときの力強いガッツポーズが印象的ではあるが、どんな状況でも心はクールに、一喜一憂しない姿勢がメンタルやプレーの浮き沈みの少なさに影響していると言えるだろう。
 また、大野がとくに意識しているのは、攻撃面で〝死なないこと〟である。「相手に『センターからの攻撃はないな』と思わせないように、しっかり自分も生きて、かつサイドアタッカーも生きることで、相手は的を絞りにくくなります」。それが実践できているからこそ、ここまでチームの多彩な攻撃が機能してきたのだ。
 いよいよ残すは、ファイナルでの2試合のみ。大野は「オフェンスでは、1人1人が軸になって戦うこと。躍動感や機動力という自分たちの強みを出せれば、どのチームにも負けることはないと思います」と語り、2週間後に歓喜に沸く自分たちの姿に思いを馳せた。
(取材・文:小野哲史)


 

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