新キャプテン・副キャプテンインタビュー 柳田光綺&山口かなめ~

  info_category3.gif2017/07/31

■新キャプテン&副キャプテンインタビュー ~柳田光綺&山口かなめ~
2017/18シーズンのレッドロケッツは、入社4年目の柳田光綺が新キャプテンに就任し、副キャプテンとなった山口かなめ、古賀紗理那とともに新たな体制でスタートを切った。昨季のV・プレミアリーグを制し、チーム初の連覇を目指す今季、これからの鍛錬期にどのようにチームを作っていくのか。古賀は全日本チームの遠征で不在だったが、柳田、山口両選手に今の思いを聞いた。


(写真左:山口かなめ選手、右:柳田光綺選手)

――キャプテン、副キャプテンにそれぞれ決まった経緯からお話しいただけますか?
柳田 (6月上旬の)今季最初の練習前に山田(監督)さんに「話がある」と呼ばれ、「今季、キャプテンを任せたいと思っている」と言われました。私は今、年齢はチームでちょうど真ん中ぐらいです。チームのことを一番に考えてやってくれる先輩たちに助けてもらいながら、キャプテンのような役割をやることで、私自身のレベルアップにもつながると思うから任せたいというお話をされました。そのときは自分にキャプテンが務まるかどうか不安が強かったので、「少し考えさせてください」と伝えたのですが、その話の直後に昨季キャプテンだった岩﨑さんに相談すると、岩﨑さんには「私は適任だと思う。キャプテンになったらやるしかないという気持ちになるし、ライなら大丈夫」と言ってもらえました。そこで「よし、頑張ろう」と心に決めて、山田さんに「やります」と宣言しました。

山口
 新しいシーズンが始まる前に山田さんに呼ばれ、「今季は昨季のレギュラーメンバーも抜けたりして、クウにキャプテンをやってほしいのは山々だけど、チームの成長や全体のレベルアップを考えたら、ライにキャプテンをやらせたい。サリナも副キャプテンにしようと思っているので、その2人を支えながら一緒にチームを引っ張る役割に回ってほしい」と言われて、「わかりました」と答えたという感じです。

――山口さんはチーム最年長。キャプテンを任されるとは思いませんでしたか?
山口 私は自分がキャプテンにならなくても、キャプテンと同じような気持ちで、チームを引っ張っていこうと思っています。多分ですが、山田さんもそう考えていると思うので、私以外の人がキャプテンになるんじゃないかなという気がしていました。

――今までのキャリアでキャプテンを担った経験はありましたか?
柳田 私は世界ジュニア選手権に出場したときの日本代表チームなど、アンダーカテゴリーのときは何回かキャプテンをやりました。でも、所属チームでは1回もやったことがありません。
 

山口
 私は小中高大と、すべての年代でキャプテンをやりました。でも、小学校のときと中学校のときは違うし、中学校と高校ではまた違います。高校と大学もそれぞれ状況は違うので、キャプテンになるごとに考え方など、いろいろなことを学びました。
 

 
――キャプテン経験が豊富な山口さんから新キャプテンの柳田さんにアドバイスできるようなことはありますか?
山口 私はとくに高校生の頃、自分は特別頑張らなきゃと、突っ走るタイプでした。1人で頑張って、でも、みんなが一緒に来ていないみたいな。チームの状況も見れないままにキャプテンだからやらなきゃ、やらなきゃと思って、逆にポツンとなってしまったり、空回りしてしまったり。それもあって大学では、いろいろな人に協力してもらいながらというか、特別自分だけが頑張るのではなく、みんなで同じように頑張って、最後にいろいろな意見が出たものをまとめればいいと考えるようになりましたね。キャプテンだから特別何かをしないといけないみたいな考えはなくなって、みんなで一緒にチームを作ろうという感じになれました。そういう方が多分みんなも嬉しいというか、良いバランスが取れるので、ライも無理して突っ走る必要はないと思います。
 

――7月は7~9日にV・サマーリーグ、23日につくば市制30周年記念事業として、日立リヴァーレとのエキシビションマッチが行われました。それらを踏まえて、今のチームの状況はいかがでしょうか?
山口 1人1人が昨季以上に責任感を持って発言したり、プレーしたりというのは良くなってきている部分だと思います。今はそういう部分に向き合って練習しているので、まだうまく行かないこともたくさんありますが、全体的にはこれから良くなっていくだろうなと感じています。

柳田
 サマーリーグは全日本組やユニバ組が抜けていて、残ったメンバーのほとんど全員が出るという形でした。2セッターや今までにない取り組みをしたこともあって、まだ足りない部分やもっと詰めていかないといけない部分、個人やチームの課題を見つけて、23日の日立戦はその課題を修正しようと臨みました。実際、サマーリーグのときよりできていたこともありましたが、今季スタートしたときの目標は、リーグの2連覇であり、また世界に挑戦しようというものです。それを考えると、仮に前よりも向上していても、今の取り組みで本当に最終的な目標に届くのかと言ったら、やはりまだまだ足りない。練習ももっと厳しくできるんじゃないかというのを改めて感じました。なので今は日頃の練習も、練習のための練習にならずに、しっかりと試合に向けて行って、それがリーグで良い形にできるようにやっていこうという状態です。

――昨季まで主力だった近江さんや鳥越さんが抜けた穴を今、感じていますか?
山口 多分、誰が抜けても大変は大変だと思います。でも、その2人が抜けたからとくに厳しいという考えはありません。自分もこれまで以上に成長して、コートの中でみんなを引っ張ったり、支えたりというのをもっとできないといけないですし、そのためには良いチャンスかなと。それは私だけでなく、1人1人ができることの範囲を広げたり、成長するには必ず良い機会になるはずです。そういう意味でマイナスに捉えることもなく、むしろプラスに捉えています。それに誰かが抜けることは毎年あることで、抜けた人の影を追っていても仕方ありません。自分たちが勝つためにやらなければいけないことに目を向けてやった方がいいと思っています。

――これからの時期、個人的にはどういう部分を強化したいと考えていますか?
柳田 今季はオポジットだけではなく、レフトに入る可能性もあります。もちろん、オフェンスでは自分がガツガツ決めていくぐらいの気持ちでやりたいですし、ディフェンス面でもキャッチなどでチームに貢献したいです。それとキャプテンにもなったので、今までは自分のプレーだけに集中することが多く、プレーや気持ちが落ち込んだときには先輩たちが助けてくれましたが、これからはもっとチームにも目を向けたいなと。気持ちの面では地に足をつけてというか、落ち着いてチームを鼓舞したり、周りにいるみんなのプレーや良い部分を引き出せるような存在になりたいと思ってます。



山口 チームでは新たに速いバレーに取り組んでいます。速いバレーをするときと、落ち着かせるときとの区別、判断をしっかりして、それをコートの中でしっかりコントロールできるようにすることが1つ。そして、ディフェンス面でもチームに貢献しないといけないので、ディフェンスは本当に頑張りたいです。レシーブがメインですが、ブロックもワンタッチは多かったけれど、止めて1点にするプレーが少なかったので、その部分を磨いていきたいですね。トスは引き続き、全員を生かすようなトスワーク、試合をコントロールして組み立てるトスワークは、常にもっとできる部分があると思うので、しっかりやっていきたいと思います。



――レッドロケッツはこれまでも速いバレーだったイメージですが、もっと速いバレーを目指しているということですか?
山口 今まではクイックとバックアタックが速かったんです。ミドルは速いけれど、サイドは比較的余裕を持って打つという感じでした。久光(製薬スプリングス)さんや日立さんは逆に、ミドルはそれほど速くなくて、サイドが速い。世界を見据えたり、昨季の各チームのデータを分析すると、サイドの攻撃が速いチームは(※)Aパスのときの決定率が高いというデータがあって、私たちもAパスのときにどれだけ良い決定率を出すかとなると、やはりサイドを速くしたいということから、意識して取り組んでいます。始めてからの時間はまだ短いですが、しっかり詰めてリーグまでには、Aパスが入ったら確実に1点を取れるぐらいのコンビネーションを作らないといけないと考えています。
(※)Aパスとは、セッターの定位置に戻ったサーブレシーブ。セッターはすべてのアタック・ヒットを選択できる。

――サイドを速くするためには、セッターとしてはどんな難しさがありますか?
山口 セッターによって違いますが、トス自体を速くすることに関しては私はそれほど苦手ではありません。ただ、アタッカーが間に合っているのか、間に合ってないのかというのを見過ぎたり、待ち過ぎてトスが浮いてしまったりします。合わせようと意識するあまり、浮いたり低くなったりという所が難しいので、そこはアタッカーとの信頼関係です。どんな状況でも、絶対に入って来ているというのと、絶対に上げてくれるという思いが互いにないとピタって合いませんから、今はみんなで要求しながらやっています。

――アタッカーとしてはどういう難しさがあるのでしょうか?
柳田 セッターがどこに上げるか判断する前に、速いスピードで入れるのか、待ってほしいのかという自分の状況をセッターに伝えることが大事で、それを早く言うことが少し難しい所です。とくにラリーが続いている中ではチャンスボールだけが来るわけではないですから、相手が速い攻撃をしてきても、その後に自分たちも準備を速くしたり、逆に落ち着かせたりメリハリをつけないといけません。クウさんも言ったように、セッターと自分たちアタッカーとの呼吸がポイントです。自分が行けると思っても、セッターは状態が崩れていて、アタッカーは行けるのかなと思われているかもしれないからです。一番良いのは、ボールの状態を見て、お互いが「これは行ける!」と気持ちや呼吸が合うことなので、そこまで詰められるように、今はとにかくみんなでしゃべって、セッターから要求をもらったり、自分たちからも要求したりしています。

――今季のスローガン『Over the top~新たなる挑戦~』には、どんな思いが込められているのでしょうか?
柳田 『Over the top』は、「限界を超えて」という意味です。昨季、リーグ制覇と世界を経験し、次のステップに進むためには現状をさらに超えた取り組みをしていかないといけません。今はリーグ2連覇、そして世界に勝つチームを作ることに挑戦していますが、そのためには信じ合うことが不可欠です。NECの今までのチーム力をベースにしつつ、さらに心でつながるというか、より深い信頼関係がなければ、私たちがやろうとしていることはうまくいきません。NECの強みであるチーム力を磨き、新しい取り組みも行って、NECが成し遂げたことのない2連覇で新たな歴史を築こうという気持ちを込めたスローガンになっています。
山口 3年後には日本でオリンピックも行われます。日本が世界と戦って勝つためにも、日本の各チームがそれぞれにレベルアップしないといけないし、自分たちは自分たちのチームの目標だけにとどまらず、全日本にそれを反映させられるぐらいの挑戦と考えています。リーグ2連覇や世界に通用するチーム作りをして、NECとしても世界を目指すし、日本のリーグをNECが引っ張って、NECの選手がオリンピックや世界の舞台で戦えるのが理想です。

――5月の世界クラブ選手権でとても大きな刺激を受けたわけですね。
柳田山口 はい、そうですね。

――これから本格的に鍛錬期に入ります。抱負をお聞かせください?
山口 チームとして、1人1人が勝負強い選手になるために、今いろいろな取り組みをしています。NECには飛び抜けた選手がいるわけではないので、誰かに頼るのではなく、1人1人が存在感があり、勝負強く、苦しいときにチームが1つになって、1点をもぎ取るためにいろいろなことができるチームを目指しています。そのためにリーグまでに厳しいことも言い合いながら、良いことも悪いこともみんなでしっかりと共有し合ってやっていきたいと思います。

柳田 チームのことはクウさんにほとんど言ってもらいました(笑)。試合になれば相手のことを頭に置いてプレーすることが増えるので、この時期ぐらいしか自分のプレーに目を向けられる時期はありません。なので、自分の苦手なプレーを克服したり、得意なプレーをもっと伸ばしたりする時間があります。ただ、それだけでは今までと一緒になってしまうので、さらにその上に行くためにも、自分だけの取り組みに加えて、次の人や先のことを考えたプレーを頭に入れながら練習する必要があるのかなと。1つのプレーにどれだけ多くの人が関わってそのプレーを良くさせるというか、1つのボールにいろいろ思いを込めた練習を重ねて、それがリーグに勝つための取り組みだったと思えるような鍛錬期にしていきたいと思います。

――最後に新キャプテンから改めてファンの方へのメッセージをお願いします。
柳田 鍛錬期は、リーグで週末の2日間、フルセットで戦えるような集中力や体力をつける時期で、そこは自分の身体にも気持ちにも厳しくしていくつもりです。ただ、練習はハードですから、そんなときにファンの方とイベントでお会いしたり、ホームページの掲示板に書き込んでいただくメッセージを見ると、嬉しいし、「頑張ろう」と素直に思えます。きついときこそ、そうした思いは私たちの頑張れる源になるので、これからも応援よろしくお願いします!
(構成:小野哲史)


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