レッドロケッツ応援記 ~10/29 対日立リヴァーレ戦 惜敗の中で見えた長いリーグを戦い抜く手応え~

  info_category1.gif2017/10/30

 開幕戦での手痛い敗戦も糧に、今季2戦目となった上尾メディックス戦は3-0で快勝。山田監督が「サーブが走ったことで、思い通りの展開に持って行くことができた」と言うように、サーブで主導権を握り、ブロックでタッチを取り、チャンスボールからミドル、レフト、ライト、バックアタックと様々な場所から攻撃を仕掛ける。
 セッター以外の全選手が一斉に動き出し攻撃準備に入る――。相手にとってこれ以上ない圧力をかけ、ブロッカー対スパイカーの駆け引きを展開、山田監督が「まだ結果は伴っていないが攻撃力に関しては手応えを感じている」と話したように、まさにレッドロケッツの武器でもある攻撃力が炸裂し、待望の今季初勝利を挙げた。
 誰よりもその勝利を自信にしたのは、ルーキーセッターの塚田だ。初めてスタメンで出場した上尾戦。塚田自身も「緊張はしなかった」と言うように、堂々としたプレーを見せ勝利に貢献。勝利でつかんだ自信を手に、連勝を目指し、昨シーズン3位の日立リヴァーレとの一戦に臨んだ。



 コンビバレーを強みとする日立に対し、まずは上尾戦と同様にサーブで攻めたいレッドロケッツ。序盤から柳田、山内のサーブが走り、第1セットは上々のスタートを切った。しかし、日立のサーブで守備を乱されると細かなプレーに焦りが目立ち始め、中盤に逆転を許し、その後も追う展開が続く。11-15と劣勢の場面で、山田監督はルーキーの荒谷に代えて島村、塚田に代えて山口を投入。直後に島村はサイドラインいっぱいのコート後方にスパイクを決め、山口はサービスエースを奪い18-21と追い上げる。
 開幕戦から若手を積極的に使い、若手選手たちもその期待に応えるべく懸命のプレーを見せているが、それだけではチーム力は高まらない。時には負けじと応戦し、時には若手をコートの中でも外でも支えるプレーや声掛けをする。キャリアを積んできた選手たちの見えない力こそが、チーム力を高めるカギであるのは間違いない。リーグが開幕しわずか3戦目ではあるが、日立戦ではすべての選手が各々のプレー、役割を果たすべく、チームのために徹する姿が随所で見られた。
 だが、チーム力の高まりを見せ、攻撃に連動が生まれ、守備の連携が見えるようになっても、そう簡単に勝てるほどVリーグは甘くないこともわかっている。終盤、古賀、大野の連続ブロックで23-24と1点差まで迫ったが、あと少しが及ばず、23-25で第1セットは日立が先取した。
 落としはしたが、セット終盤に猛追した勢いをそのままに、第2セットはレッドロケッツが塚田のサーブから連続得点を挙げ、6-0と一気に走る。夏場から課題としてきた守備も日立の多彩な攻撃に対して機能し、つけ入らせる隙を与えぬまま、25-18で第2セットを奪取。応援席からは、ホームの日立に負けない大声援が送られた。
 チームとしての戦う形が少しずつ見え始め、勢いを手にしたように思われたが、小さなズレが生じるとリズムを失ってしまうのがバレーボールの怖いところでもある。第3セットはまさにそんな展開となった。
 互いにサーブやスパイクで攻め点を取り合う中、レシーブ後のつなぎや、二段トスの精度など、数字には残らない部分の甘さが見えた、と言うのは今季は副キャプテンも務める古賀だ。
「簡単なパスがセッターのところに返らなかったり、チャンスボールを誰が取るのか、少しバタバタしてしまったところがあって、そこからリズムが崩れてしまった。細かいところですが、こういうところはちゃんと修正しなきゃいけないところだと実感しました」



 相手にリードされても武器として磨いて来たサーブで得点し、全員で攻め、全員で守る。山田監督が「これまでの試合と比べて、いい形はできてきた」と言うように、プラスの成果は随所で見られたが、第3セットは19-25で日立が取り、第4セットも優位は続く。万事休すかと思われた場面で、再びチームに力を与えたのが途中交代で投入されたミドルブロッカーの上野だ。
 その威力に会場から歓声が沸き起こるようなジャンプサーブや、「絶対に止める」と気迫を感じさせるブロック。決して長い出場時間ではなかったが、夏場に積み上げて来た練習の成果は十分に発揮させるパフォーマンスを見せた。「まだまだ満足できるものではない」と言いながらも、上野はこう言った。
「若い選手が増えて、出番は限られているかもしれないけれど、自分の思いは誰にも負けるつもりはありません。だから、出た時は100%の力でチームに貢献したいし、1点1点を大切につかみ取りたいです」



 すべての力を結集させて、強いチームになる。まさにそんな気迫あふれるプレーは確かにチームを勢いづかせ、あと一歩のところまで追い上げた。しかし、山田監督が「勝負所で1点を取り切れないところがまだまだ大きな課題」と残したように、最後は柳田のスパイクが日立のブロックに捕まり23-25、わずかな差が届かず、セットカウント1-3で惜しくも敗れ、今季初の連勝を飾ることはできなかった。
 だが、下を向くことはない。なぜなら、つかんだ手応えは決して小さなものではないからだ。
 古賀が言った。    
「若い選手がコートでプレーするのはすごくチームにとっていいことだけれど、一度崩れてしまうと1人では絶対に修正できない。それは私も経験してきたのでよくわかります。だからこそ、若手を支えることも大事だし、それだけじゃなく、今年にかけてきた人たちの思いも全部大切にして戦うこと。そういう力を持って、これから戦いたいし、勝って行きたいです」
 長いシーズンはまだ始まったばかり。さまざまな思いを力に変えて、もっと強くなるために。レッドロケッツは戦い続ける。






高い位置でボールをセットし、素早くミドルからの攻撃を仕掛ける。
「セッターとして、自分がずっと武器としてやってきたことが通用してとても嬉しかったです」
 大野や荒谷の速さと高さを生かした攻撃が決まるたび、セッターの塚田も小さくガッツポーズをつくり、喜びを爆発させた。
 ルーキーイヤーの今季、大学やユニバーシアード代表などで豊富なキャリアを持つとはいえ、やはりVリーグは特別。
「サイドのトスが短くなってしまったり、大事な場面でハイセットの精度がまだまだだったり、チームにも迷惑をかけてしまった場面が多くあったし、そういう隙を逃がさず攻めてくるのがVリーグなんだな、と思い知らされました」
 冷静に、正確に、確実に。ルーキーセッターに求められる要素は決して容易いものではない。だが、だからこそやりがいがある。
「クウさん(山口選手)が出ればクウさんの良さがあるし、巧さもある。でも自分には自分の良さもあると思うので、チームとしても2通りの良さを生かしたいです。ルーキーなので思いきりやるというのはもちろんですが、『自分が正セッターなんだ』と胸を張れるぐらいの強い気持ちを持ってコートに立ち続けたいです」
 大きな希望を胸に抱いて――。さまざまな経験を糧に、若き司令塔は更なる成長を遂げていくはずだ。
                                                                                                                         

アーカイブ