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レッドロケッツ応援記  ~11/19 対久光製薬スプリングス ホームとどろきで連勝ならずも、強敵相手に確かな手応え~

  info_category1.gif2017/11/20

 先週までの第1レグでは3連敗を喫し、今ひとつ波に乗ることができなかった。悪い流れを断ち切り、逆に勢いをつけて巻き返すには、第2レグのスタートをホーム「川崎市とどろきアリーナ」で迎えられたことは幸運だったかもしれない。
 今季初となるホームゲームを前に、「苦しい試合が多かった1レグを振り返ると、気持ちの面で押されることが多かった。そこで、オフェンスでもディフェンスでも引かずに攻めること。そして、人と人のつながりやチームワークという自分たちの強みをもっと出して行こうと、2レグに入りました」とキャプテンの柳田は言う。
 その言葉通り、18日の上尾メディックス戦は、それまでの鬱憤を晴らすかのような気迫あふれるプレーで相手を圧倒。攻撃的なサーブが走り、レッドロケッツの調子のバローメーターとも言えるセンター線がしっかりと機能した。相手の意識をセンターに引きつけられれば、その分、サイドアタッカーは仕事がしやすくなる。
 スタンドを真っ赤に染めたサポーターの後押しも受けながら、理想的なバレーで4試合ぶりの勝利をストレートで飾ったレッドロケッツ。勝利ポイント「3」とともに確かな自信をつかんで、翌19日に久光製薬スプリングスを迎えたのだった。



 ここまで全勝で首位をひた走る久光製薬には、約1ヶ月前の開幕戦で完膚なきまでに叩きのめされている。山口の「開幕戦ですごく悔しい負け方をしたので、絶対に勝ちたかった」という思いはチーム全員の思いでもあった。
 好調な相手に対し、序盤から主導権を握るまでは至らなかったが、レッドロケッツは古賀の攻撃を軸に着実に得点を重ねた。しかし、6-6からわずかに走られ、大野、山内、柳田がチャンスで決めたものの、点差は縮まらない。9-13の場面で山田監督は、セッターを塚田から山口に、センターを上野から島村にスイッチ。「ベンチでは、相手のブロックやパスの状況を見て、どんな攻撃が効くかと考えながら準備していた」という山口は、さっそく鋭いサーブで相手守備を崩し、山内のフェイントでの得点をお膳立てした。
 2回目のテクニカルタイムアウトを過ぎると、レッドロケッツはサイドアタッカー陣が奮起し、一気に1点差に迫る。島村も速攻と移動攻撃で続いた。得点には結びつかなかったが、守備固めで送り込まれた小島は身体を張ったプレーで見せ場を作った。
 21-23からは「サイドを生かすためのプレーを心掛けた」と話す大野の速攻、その直後には古賀のサービスエースが決まり、レッドロケッツがついに同点に追いつく。だが、そこから先行することはできず、24-26で最初のセットを失った。
 結局、第2セットも同じくデュースの末に24-26で落とすことになるが、古賀は「1、2セット目は取られはしましたが、良いバレーができていた」と確かな手応えをつかんでいたようだ。



 その第2セットは、立ち上がりからチームが武器としているサーブで流れをつかんだ。柳田、古賀、大野がサービスエースを奪い、サーブレシーブの乱れは山口の巧みなワンハンドトスと島村の速攻でうまく凌ぐ。古賀のバックアタックも炸裂し、18-13と俄然、有利に試合を進めていた。
 ところが、そこから百戦錬磨の久光製薬が追い上げを開始。レッドロケッツは油断したわけではなかったが、一瞬の隙を突かれ、逆転を許してしまう。流れを変えるべく投入された廣瀬が渾身のスパイクを決めたセット終盤は一進一退の展開。だが、またしてもここ一番での勝負強さで久光製薬に抜け出されてしまった。
 なんとか一矢報いたい第3セット、「きつい状況でトスが上がってくることが多いけれど、勝負所ではしっかり勝負しに行こうという気持ちでプレーしている」という古賀がエースの貫録で攻撃陣を牽引する。しかし、セット半ばからミスも重なり、じりじりと引き離されていく。リベロ岩﨑の懸命の守備や、柳田の思い切りのいいスパイクでなんとか反撃を試みるも及ばず、19-25で敗戦となってしまった。



 久光製薬を相手にストレート負けという結果だけを見れば、開幕戦と変わらない。ただ、内容はずいぶんと違った。「自分たちのバレーができれば、十分に戦える」。そんな感触を得られた一戦だったのではないだろうか。試合終了後、レッドロケッツサポーターから沸き起こった温かい拍手が、選手の健闘や今後への期待の大きさを物語る。
山田監督も選手に一定の評価を与えた。
 「1レグを戦って出た課題に向き合い、チャレンジャーの気持ちで戦っていこうということで、それぞれやってきたことをたくさん出せました。1レグの頃より、スキルの面ではサーブレシーブやアタックの効果など、トータル的に上がっていると思います。コンビネーションもだんだん狙い通りになってきました。トライはできているので、あとは失点を減らして、精度をより高めていきたいです」
 そうした技術や戦術面とは別に、ホームゲーム2連戦を終えた後、柳田は改めて感じたことがあったという。
「ファンや会社の方がたくさん来てくださったり、私個人としても母校の関係者が応援に来てくれたりして、大応援団の中でコートに立ち、こういう環境でバレーができるというのは本当に幸せだなと。昨日も今日も苦しい場面がありましたが、応援の力が身にしみたというか背中を押してもらいました」
 過去のシーズンでも、ホームゲームをきっかけに上昇気流に乗ったことが何度もある。今回もホームで目覚めたレッドロケッツが、ここから一気に走り出しそうな予感が漂ってきた。







~安定感と存在感増す高速ミドルブロッカー~
 今季は、多彩なミドルブロッカー陣が例年以上にしのぎを削っている。そんな中でセンターでは唯一、全試合スタメン出場を果たしている。
 18日の上尾メディックス戦では、11本打って9得点、81.8%という驚異的なアタック決定率を叩き出し、勝利に大きく貢献した。19日の久光製薬スプリングス戦でも58.3%。その安定感はチームでも群を抜く。
 山田監督の大野に対する信頼も厚く、「オフェンスでも速いテンポで相手に印象を与え、ブロックでもプレッシャーをかけてくれているので、安定した働きができていると思います」と、高い評価を与えるとともに、今後はチーム全体の軸になっていくことを期待している。
 善戦した久光製薬との試合について、大野は「苦しい場面でもみなさんの声援に後押しされた」とサポーターに対しては感謝したものの、結果に関しては少しも満足していなかった。
「2セット目も取らなければいけない場面でミスが出たり、簡単なプレーで相手に1点をあげてしまったりしました。そこは絶対に来週までに修正しなければいけないし、次は絶対に勝ちたいです」
 レッドロケッツに入団して7年目。年齢的にもチームで上から5番目となり、今まで以上に責任感を感じている。自分自身のプレーも「しっかりやるのは当たり前」。その上で「若い選手たちが思い切りプレーできるように支えていきたいし、相手の状況を周りのみんなに伝えるなど、広い視野を持ってもっとチームを動かしていきたいです」と、意欲は十分だ。
 今回の2連戦では、「相手選手の間を狙ったり、前後で揺さぶれたらと思って取り組んできた」というサーブでも見せ場が多かった。サービスエースは上尾戦で2本、久光製薬戦で3本をマーク。いずれの試合でもサーブの打数がチーム最多だったことは、大野のサーブのときにチームが得点できている何よりの証拠である。
 上尾戦の勝利、そして敗れはしたが久光製薬戦で得た自信。それらを力に、今後、レッドロケッツが勝利を重ねていくとしたら、大野の存在はチームにとって、ますます欠かせないものになっていくだろう。
「自分としてはサイドが生きればいいので、そのためにも速いクイックをもっと磨いていきたい。相手からのマークはさらに厳しくなっていくと思いますが、簡単にはつかせないように工夫してやっていきたいです」
 チームの勝利のために――。その強い思いが、コート上の大野自身をさらに輝かせる。
(取材・文:小野哲史)

 

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