レッドロケッツ応援記 ~3/21 東レ戦 激戦の末に惜敗。5位でシーズンを終える~

  info_category1.gif2010/03/23



 昨年11月に開幕したV・プレミアリーグ2009/10シーズンも、約4ヶ月間に及ぶ長い戦いを経て、いよいよレギュラーラウンドの最終戦を迎えた。今季はファイナルラウンド進出が叶わなかったレッドロケッツ。しかし、この東レアローズ戦に向けた選手たちのモチベーションは、決して低くなかった。
 山田監督の言葉を借りれば、「最終戦はチーム力を結集し、すべてを出し切って戦いたい」と、前日のトヨタ車体クインシーズ戦後、チーム一丸で前回王者に挑む決意をすでに固めていた。そんな思いの根底にあったのは、4強入りを逃した悔しさであり、リーグ戦以降も続く戦いに新たな一歩を踏み出すためという意味もあった。それに何より、いつでもどんなときでも温かい声援を送ってくれたサポーターに、自分たちの今季最後の勇姿を見てもらいたい気持ちもあったのだ。
 一方で、東レも対レッドロケッツ戦は今季ここまで1勝2敗。負け越したまま、ファイナルラウンドを迎えたくはないだろう。果たして試合は、互いの意地と意地がぶつかる、壮絶な撃ち合いとなった。




 第1、第2セットはいずれもデュースにもつれ込んでの決着。フォフィーニャがサーブで崩し、チャンスボールを内藤や松浦がきっちり決めた第1セット序盤にレッドロケッツが4点をリードした場面があったが、もっとも点差がついたのはこのときだけ。常に僅差のまま、両チームのスコアが同じような流れで加算されていった。
「相手のキープレーヤーであるサイドの選手にできるだけ仕事をさせないということで臨みましたが、ある程度は狙い通りに、そしてしつこく相手の攻撃を切り返すことができていたと思います」(山田監督)
 レッドロケッツはリベロ井野を中心とした粘り強い守備から、アタッカー陣がそれぞれに持ち味を発揮。杉山はブロック、速攻と移動攻撃、サービスエースなどで多彩さを見せつけると、内田は切れ味鋭いスパイクで第1セットだけで7点をマークした。デュースに入ってから東レに抜け出され、27-29でセットを落としはしたが、レッドロケッツ陣営に落胆や暗いムードはなく、選手たちの表情には、むしろ充実感の伴った明るい笑顔が浮かんでいた。
 実際、渡邊が「切り替えてできたのはよかった」と語ったように、第2セットも緊迫したシーソーゲームを演じながら、最後は秋山の冷静なツーアタックと杉山のブロックが決まり、26-24でセットを奪い返している。




 ただ、東レもさすがにVリーグ初の連覇を果たした強豪だった。第3セットに入ってから再びギアを入れ替え、セット半ばからの数度の連続得点でじりじりとリードを広げていった。セットポイントを握られてからは、レッドロケッツも松浦の意表を突いたツーアタックや内藤のブロックで反撃したが、21-25でセット奪取とはならなかった。
 それでも前節終了後の澁澤の「最後まで精一杯、一つ一つ諦めずに頑張りたい」という言葉を具現するかのように、レッドロケッツは全員で第4セットを果敢に戦った。フォフィーニャや松浦がブロックを決めてチームを勢いづけると、この日好調の内田も思い切りのいいスパイクを突き刺していく。完全にリズムをつかんだレッドロケッツは、19-15から怒涛の6連続得点で再びセットタイに持ち込んだ。
 しかし・・・。渡邊が言う。
「セットを取られた後にすぐに取り返せたのはよかったとしても、そこから自分たちが先行していけなかった。追いつけた後に突き離せない。今回のリーグではそういう試合が多かったように思います」
 追いついて安堵したわけではないだろうが、ファイナルセットは2-1からよもやの6連続失点。途中交替で入った有田が気を吐いたものの、5点のビハインドを盛り返すのは難しかった。最終セット8-15で敗れたレッドロケッツは結局、今季は10勝18敗。8チーム中の5位でシーズンを終えることとなった。




 山田監督は「もちろん悔しさは残る」としながらも、「若い選手が伸び、戦力に厚みを加えて戦うことができた。それは財産だと思います。ただ、それを生かすためにはチームとしての安定感が必要。そこが4強に残ったチームとうちとの差だったのではないでしょうか」と今季の戦いを振り返った。
 結果が求められている以上、レッドロケッツの誰一人として5位という成績に満足してはいないだろう。だからと言って、これまでの日々が無意味だったと切り捨ててしまうことなど、できるはずもない。約4ヶ月、いや、厳密には3位に終わった昨シーズン直後から、この厳しい戦いは始まっていた。その間、選手たちは本当に必死に、それこそ他の様々なことを犠牲にして、ここまで突っ走ってきたのだ。
 渡邊はキャプテンとして「どうすればチームがまとまるか、日々試行錯誤していた」と吐露する。その目にうっすらと光るものがあったあたりに、選手たちが抱えていた計り知れない重圧や責任感が、わずかながらに見えた気がした。だが、労いの意味を込めて「少し休めそうですか」と尋ねると、あっさり否定された。
「5月には黒鷲旗がありますから。そこで優勝できるようにまた頑張ります」
 レッドロケッツは歩みを止めない。たとえその先に、どんな困難が待ち受けていようとも――。ならば私たちも選手たちの背中をずっと押し続けよう。近い未来、ともに笑って勝利の喜びを分かち合える日が来るのを願って。


(取材・文:小野哲史)

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