レッドロケッツ応援記 ~12/9 対デンソー 劣勢から立て直すも2レグ最終戦を勝利で飾れず~

  info_category1.gif2017/12/11

 

 混戦の続くVプレミアリーグも、いよいよ年内最終節を迎えた。
 1つでも順位を上げるために、負けられない試合の続くレッドロケッツ。深谷で対戦したデンソーエアリービーズも同様の状況であり、両者にとって「何が何でも勝ちたい試合」は、第1セットから白熱した展開となった。
 これまでの試合を振り返り、大きな課題として山田監督が「試合の立ち上がりの戦い方」と挙げるように、スタートから乗り切れず、相手に主導権を与えてしまうことで追う展開を強いられる。デンソー戦もまさにそんな、危惧していた通りの展開を招いてしまう。
 まずサーブで攻め、得意とするミドルの攻撃を生かしたいのだが、当然ながら相手も長所を封じようとサーブで攻め、これまでのデータから攻撃回数の多い選手に対してブロック、レシーブで対策を練りブレイクを重ねる。
 そこでも動じることなく、本来の自分たちがやるべきプレーを発揮し、自チームの流れに持ち込めればよかったのだが、ここまで勝ち星よりも黒星の上回る厳しい状況が続くこともあり、大胆に攻めることができなかった、と悔やむのはセッターの塚田だ。
「自分たちがここを通したいから、この攻撃を選択する。その結果、相手が対応してきて止められた、拾われた、じゃあ次はこうしよう、と先手を取るのではなくて、まず『相手がこうしてきているから、自分たちはこうしよう』と後手になってしまった。攻めなければならないところで守ってしまったことで、勢いをつかむチャンスを逃してしまったんだと思います」
 塚田の言葉が示す通り、第1セットはスタートから攻めに転じたデンソーが常に主導権を握る形で15-25と大差をつけられた。



 取られたままでは終わらない。1レグ時と比べ、多くの選手が「形はできてきた」と口を揃えるように、1セット目を失っても2セット目から立て直す。スタートの入り方は大きな課題ではあるが、裏を返せば、スタートが悪くても徐々に流れを引き寄せられるのは強みでもある。デンソー戦もまさにそんな展開へと持ち込んだ。第1セットを落とした後、コートの中では古賀を中心に「ゆっくり行こう、落ち着いて」と声をかけ合い、起爆剤となるべく、廣瀬、古賀が続けてスパイクを決め、大野のサービスエースで4-0とレッドロケッツが走る。
 今季は山田監督が「全員が戦力」と掲げ、劣勢となった第1セットが象徴するように、さまざまな場面で多くの選手を交代で投入する中、開幕から常にコートへ立ち続けているのが古賀と大野だ。その責任感を大野自身も強く感じており、「ミドルやセッター、サイドの選手が代わって、誰が入ってきても自分はぶれずに、頑張らなきゃいけない、引っ張らなきゃいけない、という気持ちで立っている」と言うように、第2セットからはサーブだけでなくブロックや速攻で存在感を発揮。大野が生きればそれだけサイドへのマークも手薄になり、さまざまな攻撃が生きる。
 まさにそれこそが自分の役割だ、と大野は言う。
「たとえ自分にトスが上がってこなかったとしても、攻撃に入って、相手に『真ん中もある』と思わせるだけでも全然違います。自分が生きるだけではなく、周りを生かす。どんな状況でも常に『攻める』気持ちを持ち続けて、攻撃することが大事なんだと思います」
 25-21で第2セットを奪取し、攻めの気持ちに転じ、逆転勝ちをもぎ取る。第3セットのスタートも4-1とリードし、一気に試合の流れはレッドロケッツに傾いたかと思われた。しかし、デンソーも第1セットと同じく劣勢時もサーブで攻め、崩れたところをブロックとレシーブで切り返し、サイドからの攻撃で得点を重ねる。レッドロケッツも大野、廣瀬のスパイクで得点を返し、22-23と終盤まで1点を巡る攻防が繰り広げられたが、最後はデンソーが抜け出し、22-25で第3セットは再びデンソーが取り、セットカウント1-2とレッドロケッツは追い込まれてしまう。
 それでも決してあきらめることはなく、第4セットも大野、島村のブロックや廣瀬、柳田のスパイクで16-14とレッドロケッツが2点をリード。ピンチサーバーの家高が気迫のこもったサーブでエースを取り19-18とリードしたまま終盤を迎えたが、勝負所でデンソーのブロックに攻撃を阻まれ、あと一歩が届かず。22-25で第4セットもデンソーが制し、レッドロケッツは1-3で敗れた。



 何が何でも勝つ。そう意気込んでいただけに、悔しさは募る。しかも前節で今季初の連勝を飾り、多くの選手が自信を取り戻していただけに、勝ち切れなかったもどかしさはなおさらだろう。
 だが、ここでどう踏ん張り、天皇杯皇后杯を挟んで再開する年明けからの戦いでどれだけ浮上することができるか。まさに今、この苦しい時をどう受け止め、乗り越えるかが大きなカギになるのは間違いない。
 悔しさを噛みしめながらも前を向き、塚田が言った。
「連勝できて、自分自身も『このリーグで通用するんだ』と思えていただけに、負けたのはすごく悔しいです。でも勝った時に学ぶことだけでなく、負けも成長の材料になると思うので、守りに入らず、攻めの気持ちを持ち続けて戦いたいです」
 まだまだ、勝負はこれから。逆転劇を信じて、1つ1つ、目の前の戦いに挑んでいく。






 コートに立つ選手の中で唯一、直接、得点を取ることのできないポジション。それだけやりがいがある一方で、1つの失敗も許されない。リベロとは、そんな厳しさと責任感を伴うポジションだ。
 小さな体でボールを拾い、パスを返して攻撃につなげる。「守備専門」という見方ならば、リベロの役割はそれだけにとどまるかもしれないが、岩﨑が担う役割は当然ながらそれだけにはとどまらない。
「今まで以上に今シーズンは若い選手が増えたので、プレーをしながら不安にならないように。どういう状況でも自信を持って、いい状態で攻められるようにどういう声をかけるか、どうやったら安心させてあげられるかというのをいつも考えてやってきました」
 たとえば、セッターが1本目のレシーブをした時。2本目をリベロが上げることが多くあるのだが、もともと「どちらかといえばオーバーよりも、アンダーで上げるほうが得意」という岩﨑は、しっかり重心を下げてアンダーハンドでトスするケースが大半だった。だがそれはあくまで「自分が得意なプレー」であり、アタッカーの目線になれば異なる。アタッカーのために、チームのために。夏場から長い期間をかけて、オーバーセットに鍛錬を重ねて来た成果はデンソー戦でも発揮された。
 4-1と3点をリードした第2セット、アタックラインギリギリの位置で踏み切った岩﨑は着地で体制を崩しながらも古賀にトス。バックセンターからのスパイクが決まり5-1、序盤とはいえ大きな1点に2人は抱き合って喜びを分かち合った。
「オーバーは得意ではないので、まだ試合の中でドリブルしたり、ミスをしてしまうこともあります。でもオーバーのほうがアタッカーは打ちやすいし、多少乱れてもみんな打ち切ってくれる。私は点を取ることができないので、少しでもその手助けができるように。気持ちの面では絶対に崩れない、強い気持ちで戦い抜きたいです」
 チームの勝利のために、自分は目立たなくていい。それが、リベロのプライドだ。
 

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