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レッドロケッツ応援記  ~1/21 対上尾メディックス戦 悔しい逆転負けでファイナル6進出は最終週に持ち越しに~

  info_category1.gif2018/01/22



 サポーターが応援するチームの勝利を強く信じ、選手はその思いを背負って全力でプレーする。その関係性が色濃く表れるのが、ホームゲームと言えるだろう。川崎市とどろきアリーナを舞台に行われた11月のホームゲームでも、レッドロケッツはそれまでの連敗を脱出させる勝利をもぎ取り、その翌日は敗れはしたものの、首位をひた走る久光製薬スプリングスと好ゲームを演じている。
 レギュラーラウンドも大詰めを迎え、一戦ごとの重みが増しつつある中、大田区総合体育館での今季2度目となるホームゲームだった。20日には山田監督が「久しぶりにNECらしいプレーができた」と語ったように、序盤から東レアローズを圧倒。第1セットは13点、第2セットも17点しか与えず、ストレートで今季7勝目を収めた。
 そして、その勢いは翌21日の上尾メディックス戦でも続く。序盤は古賀のサーブで相手を崩し、荒谷のスパイクや大野のブロックで4-1と好発進。9-5からは島村の2本のサービスエースなどで6連続得点を挙げ、一気に突き放した。25-12で幸先よく第1セットを奪うと、第2セットも古賀と荒谷のスパイクで3点を先取。セッターの奥山は持ち前の高い位置からのトスで相手に的を絞らせないだけでなく、自らもツーアタックで2点を決めた。リベロ岩﨑を中心とした粘りの守備が相手のスパイクミスを誘う場面もあり、得点が入るたびに、スタンドを真っ赤に染まったサポーターの「もう1本! もう1本」の大歓声が会場を包み込む。「2セット目までは準備してきたことができました」という山内の言葉通り、このセットも25-20でつかんだレッドロケッツが、まさにあっという間にセットカウントを2-0とリードした。



 しかし、この試合に勝てばファイナル6進出が決まるレッドロケッツに対し、敗れればファイナル6進出の可能性が断たれる上尾は、第3セットに入ると背水の陣を敷いてきた。結果的にレッドロケッツが21-25で落とすことになった要因は主に2つある。1つは相手の選手交代がポイントだったと山田監督は言う。
「(カルカセス・)ケニア選手と代わった辺野喜選手や途中から入った堀江選手らによって、粘り強くラリーをつなぐバレーに変わり、攻撃のテンポも変わって、それに対応できませんでした」
 そしてもう1つが、第2セットまでのレッドロケッツらしい戦い方をできなくなったことだ。奥山は「良いときはミドルやライトなどコンビを使えていましたが、3セット目は入りから〝サイドバレー〟になってしまいました」と、サイド攻撃に偏った自身のトスワークを反省した。それはもちろん、セッターだけの問題ではなく、レセプションやディグの安定性、アタッカーの呼び込みや決定力など、チーム全体に起因する問題であることは言うまでもない。
 山内もそうした点に触れ、さらに「自分たちが少しムキになって打ちにいった部分もあって、乗ってきた相手をさらに乗らせてしまった」と語っている。
 いずれにしても、明確な打開策を見出せないまま、第4セットも上尾に主導権を握られてしまう。9-9まではほぼ互角だったが、一歩抜け出され、途中から投入された廣瀬や塚田が奮闘したものの、2、3点の差が届きそうで遠かった。
 それでも20-24からの追い上げは、選手たちの「絶対に諦めない」という姿勢を体現するものだった。古賀のサービスエースの直後、廣瀬がスパイクをねじ込んで1点差。レッドロケッツの粘りに相手も溜まらずスパイクをアウトし、土壇場で同点に追いつくと、サポーターのボルテージは最高潮に達した。奥山も古賀も大田大会の2試合は声援が力になったという。



「昨日(20日)の試合前は少し緊張しましたが、ファンの方がすごく多くて、みなさんの声援で背中を押されて、プレーすることができました」(奥山)
「(チームがファイナル6進出を争う)このタイミングのホームゲームで、たくさんの応援を力に試合をできたことは良かったと思います」(古賀)
 惜しむらくは第4セット、デュースに持ち込んでから2度つかんだマッチポイントをものにできなかったことだろう。勝負所で再びカルカセスを登場させてきた相手のベンチワークも巧みだったが、あと1点を決め切れなかったことが悔やまれる。29-31でこのセットを落とし、勝敗の行方はファイナルセットに委ねられた。
 第3セット途中からベンチに下がっていた島村を戻し、塚田と廣瀬がスタートから起用された最終の第5セット。立ち上がりは廣瀬のスパイクと大野のブロックで3点を先取するなど、セットカウントで追いつかれたショックを感じさせない、この上ない入りだったように見えた。だが、相手の執念も凄まじく、じわりじわりと追い上げられ、10-9から5連続失点で万事休す。古賀が渾身のスパイクで粘りを見せたものの、11-15で試合終了を迎えることとなった。
 自力でファイナル6進出を確定させられなかったこと、その喜びを大勢のサポーターと分かち合えなかったことに選手たちは悔しさを滲ませた。ただ、古賀が「この負けを切り替えて、次の試合に臨みたい」と力強く語るように、敗戦をいつまでも引きずっている選手はいない。レギュラーラウンド残り2試合のうち、1つでも勝てればファイナル6進出が決まり、ファイナル6の第4戦と第5戦は、ホームゲーム扱いにはならないものの、川崎市とどろきアリーナで戦うことができるのだ。
 試合後のNECロケッツクラブ会員限定のアフターマッチファンクションで、サポーターと交流するひと時を過ごした選手は、ファイナル6でもう一度、自分たちの雄姿をお見せすることを固く誓ったに違いない。






~出場機会が減ってもなお進化をやめない大黒柱~
 2010年に入社し、レギュラーポジションをつかんだ3年目からチームの主力として活躍してきた。その間、2度のリーグ制覇に貢献し、一昨年には日本代表メンバーとしてリオ五輪出場も果たした。レッドロケッツにとって、今や大黒柱と言っても過言ではないだろう。
 そんな島村が今季は、ベンチを温める日々が続いた。故障を抱えていたわけでも明らかな不調だったわけでもない。山田監督は以前、その理由を「チームの軸になり切れていないから」と説明したが、島村不在が影響したかどうかは別として、結果的にチームは黒星を重ね、レギュラーラウンドは苦しい戦いを強いられることとなった。
 しかし、たとえコートに立てる時間が減っても、島村は常に全力で与えられた役割をこなしてきた。ワンポイントで起用されれば、そのワンプレーに必死に挑み、ベンチにいるときも大きな声でチームメイトを鼓舞し続けた。そうしたポジションをこなすうちに、ある境地に達したと島村は言う。
「途中から出ていく選手というのは、頼りにされているからこそ、苦しい場面で何とかしてほしいと期待されている。そういう意味では、スタメンでプレーするよりも難しさがあるし、求められることがひと段階上がっている気がします」
 厳しい状況を嘆いたり、不満を口にしたりすることなく、すべてを前向きに捉えられる懐の深さは、数々の修羅場をくぐり抜けてきた豊富な経験によるのかもしれない。
 7日の久光製薬スプリングス戦で遅ればせながら今季初スタメンを飾った島村は、20日の東レアローズ戦でもスタメンに名を連ね、アタックで11点、ブロックで2点をマーク。47.8%という高いアタック決定率で、チームの3試合ぶりの快勝に大きく貢献したことについて、「スタメンで頑張るという以外の経験が生きていたと思います」と話した。
 さらに、3試合連続スタメン出場となったこの日の上尾メディックス戦でも、自身は「負けてしまったし、自分自身のプレーもまだまだ満足できません」と振り返ったが、得意のブロード攻撃や鋭いサーブなど、要所で存在感を発揮している。
 この日の第3セット序盤に一旦ベンチに下がった島村が、第4セット半ばに再びコートに送り込まれたとき、サポーター席からはひと際大きな歓声が沸き起こった。それは、レッドロケッツがファイナル6に進み、リーグ連覇を成し遂げるには島村の力が絶対に欠かせない――。そんな期待の表れのように感じられた。
(取材・文:小野哲史)

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