• トップ
  • インフォメーション1
  • レッドロケッツ応援記  ~1/28 対JTマーヴェラス戦 総力戦でフルセットの激闘制し、5位でファイナル6へ~

レッドロケッツ応援記  ~1/28 対JTマーヴェラス戦 総力戦でフルセットの激闘制し、5位でファイナル6へ~

  info_category1.gif2018/01/29

 27日のトヨタ車体クインシーズ戦は、セットカウント1-3で敗れた。デュースの末に最初のセットを落とした後、途中から入った山口や柳田の活躍でセットを奪い返したものの、第3セット以降はなかなかペースをつかめなかった。それでも同時刻に他会場で行われていた上尾メディックスが敗れたことで、レッドロケッツは4年連続となるファイナル6進出を決めた。
 翌28日のJTマーヴェラス戦は、V・レギュラーラウンドの最終戦。ここまで通算ポイントで並び、1つ上の順位にいる東レアローズの結果次第では、レッドロケッツに5位浮上の可能性が残されている。ただ、それとは別に、V・ファイナルステージを自信を持って迎えるためにも、このJT戦を良い形で締めくくりたかった。
「試合に出ている人、リザーブからの人、コート外からサポートしてくれた人…全員で、レギュラーラウンドで積み重ねてきた技術や思いを出し切ろうと臨みました」
 柳田の言葉からも、選手たちがこの一戦を一つの集大成と考えていたことがうかがえる。



 滑り出しは申し分がなかった。立ち上がりこそ互角だったが、6-6からの怒涛の6連続得点で一気に主導権を握る。古賀のバックアタックを皮切りに、島村のブロック、荒谷がサーブで作ったチャンスは、実に11試合ぶりの先発出場となった山口がダイレクトで叩き込んだ。相手エース・ミハイロヴィッチの強烈なサーブを岩﨑の完璧なレシーブから荒谷が決めて20-14、大野が速攻を決めて23-18。その後、JTの粘りにやや苦しんだが、25-23で逃げ切りに成功する。
 ところが、そこから19-25、26-28と2セットを連取されてしまう。山口はその原因をこう振り返る。
「序盤は相手ミドルがNECのミドルに対してコミット(トスが上がる前に予測して跳ぶ)していたので、サイドが決まっていました。でも、2セット目以降、相手がミドルを外してくる場面があったのに、そこを私が見逃していたのと、パスが少しずれたときのミドル攻撃ができず、サイド攻撃ばかりになってしまった反省があります」
 第2セットは山口のサーブから流れをつかみ、7-4と好スタートを見せたものの、速い段階で逆転を許し、第3セットも終始リードされながら終盤に追いついたが、2度のセットポイントをものにできなかった。そういう意味では精神的ダメージを受けても仕方なかったかもしれない。しかし、柳田が「取られたセットは自分たちがコントロールできるミスで相手を助けていた部分があったので、改善するべきことの確認や前向きな声掛けをして、次のセットに入っていけました」と言うように、選手たちがネガティブな雰囲気になることはなかった。



 実際、第4セットは「チームでも相手と駆け引きをしながらサーブを打つ練習をしていたし、徐々に調子も上がってきていた」という山口のサーブが口火となり、一挙に5連続得点。山口はチームメイトへの感謝を惜しまない。
「周りからのコールがあったり、メンバーチェンジで入った塚田選手がうまくミドルとバックアタックを使ってくれたのと、4セット目から入った上野選手のBクイックで、相手にまたミドルの印象をつけられました。みんなに助けられました」
 上野や島村のセンター攻撃が増えたことで、サイドアタッカー陣も仕事がしやすくなり、古賀や柳田らが再び輝き出す。しっかりとリードを保ちながらゲームを進め、終盤には荒谷がサービスエース。山内も鋭い角度にスパイクを突き刺し、レッドロケッツが25-22でセットを奪い返した。
 第5セットが始まり、各選手がポジションにつくと、岩﨑が「さあ、思い切って行こう!」と手を叩いて仲間を鼓舞する。流れは、追いついたレッドロケッツの側にあった。
 柳田がコーナー一杯の深いスパイクやフェイントを決め、古賀がブロックで、島村が豪快なブロード攻撃で続く。4点リードでチェンジコートを迎えた後も、山内が鋭いスパイクを突き刺し、柳田のフェイントや強打で相手を引き離す。最後もこのセットだけで9点目となる得点を柳田が決め、15-11。2時間13分に及んだ大接戦を制して8勝目を挙げたレッドロケッツは、ポイント2を加算し、東レを抜いて5位でV・レギュラーラウンドを終えた。



 レギュラーラウンドを振り返り、「苦しかったけれど、得たものも多かった」と柳田は話す。
「なかなか勝ち星を挙げられず、もがき苦しむことが多かったのですが、それでも次の試合に向けて毎回、選手同士でも話し合ってきました。試合ごとに良かった点もどんどん増えていたので、そういうものが今、力になっていると実感しています」
 山田監督も「これまでやってきたことでマイナスのことは何一つなかった。すべてチームにとってプラスでした」と語り、選手を讃えた。
「苦しみながらやってきたことが、終わったときにどういう価値として残るのかを考えました。スターティング6もメンバーもかなり頻繁に変わっていましたから、選手はそれぞれに思いがあるでしょう。そうした中で、自分が何を得るかよりも自分が何を与えられるか。それが多分、残る価値を作るのだろうと気づかせてくれたレギュラーラウンドでした。そんな取り組みを頑張ってきた選手たちを誇りに思いますし、だからこそファイナル6では、なんとか『下剋上』をやりたいと思っています」
 来月10日に島津アリーナ京都を舞台に始まるファイナル6。レッドロケッツはデンソーエアリービーズとの一戦から、V・レギュラーラウンド以上になるであろう厳しい戦いにチャレンジする。






~もがき苦しみながら成長してきた若きキャプテン~
 先週のホームゲーム2試合は出番がなかったが、27日のトヨタ車体クインシーズ戦で3試合ぶりに途中出場。アタックで15点、ブロックで2点、サーブで1点とチーム最多の18得点をマークすると、28日のJTマーヴェラス戦でもエース古賀を上回る55本のアタックを放ち、21得点を叩き出した。圧巻だったのは最終の第5セット。キレのある鋭いスパイクを次々と相手コートに突き刺し、チームを3試合ぶりの勝利に導いた。
 試合後のヒーローインタビューでは「仲間がつないでくれたボールだったので、絶対に決め切ろうと。気持ちで決めました」と胸を張った。
 入社4年目の21歳だが、今季はキャプテンを任された。V・プレミアリーグ8チームの中でも最年少のキャプテンだ。
「みんなの前や記者会見などで話す機会も増えて、自分の言葉で自分の思いを伝えていく難しさを感じました。チーム状態が良いときはみんなが声を掛け合えますが、悪いときに私が活気づけるというか、鼓舞するような一言を、あまりボキャブラリーはないのですが(苦笑)、考えるようになりました」
 山田監督は柳田を「日々、キャプテンらしくなってきた」と見ている。
「自分も試合に入ったり、入らなかったりという緊張感の中、また、年上の選手もたくさんいますから、そういう中でチームを引き上げ、まとめ上げていくのは本当に大変だと思いますが、よく頑張ってくれています。彼女の良いところは、バレーボールに純粋に打ち込んで努力する姿です。それがみんなの気持ちを一つにして、苦しくてもチームが成長しながら戦えているのは、キャプテンの柳田のおかげだと思っています」
 今季はチームも柳田自身も順風満帆だったわけではない。むしろ「もがき苦しんだ」ことの方が多かったが、それでも立ち止まることはなかった。
「私はオフェンスをメインでやっていますが、なかなか決まらなくて他のメンバーに代わることもたびたびありました。他のみんなも同じで、気持ちの浮き沈みはあったと思います。でも、試合に出ていないときでも、自分の存在をいかにチームの勝ちにつなげるかを考え、なおかつ自分のプレーを向上させていくという意志統一はできていました。常に『チームが勝つために』という意識だけは持っていた気がします」
 この日でV・レギュラーラウンドの全日程は終了したが、レッドロケッツの戦いはまだまだ終わらない。連覇を目指すという意味では、いまだ道半ば、といったところだろう。「下の順位からの戦いになりますが、上に這い上がっていきたい」と柳田。若きキャプテンが力強くチームを押し上げる。
(取材・文:小野哲史)

アーカイブ