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レッドロケッツ応援記~2/10 対デンソーエアリービーズ戦 前半は充実の内容も逆転許し、ファイナル6は黒星発進~

  info_category1.gif2018/02/13



 連覇への第2関門ともいうべき、レギュラーラウンド上位6位チームによるV・ファイナルステージの「ファイナル6」が幕を開けた。
 レギュラーラウンドを5位で終えたレッドロケッツは、ここからの5試合で1つでも多く勝ち、少しでも多くのポイントをつかんで、上位チームにプレッシャーをかけるしかない。そういう意味で、やらなければいけないことは明確だった。古賀は言う。
「ファイナル6は5位からのスタートでしたが、レギュラーラウンドでは私たちのチームが一番苦しい思いをしてきたと思います。その悔しい気持ちをしっかり出していこうと、ミーティングでも話していました」
 初戦の相手は、デンソーエアリービーズ。今季3戦して一度も勝てていない相手だが、山内は「絶対に3ポイント獲るんだという気持ちで準備してきましたし、この試合に懸けていました」と話す。その山内の先制点から始まった第1セットは、攻守のバランスがかみ合い、13-5と一気に流れを引き寄せた。古賀が2本のバックアタックを突き刺し、荒谷はフェイントにバックアタックにと、硬軟織り交ぜた攻撃力を発揮。島村もうまく相手コートに落としたり、豪快なブロードを打ち込んだりしながら、山口の多彩なトスワークが相手に的を絞らせなかった。
 古賀が「苦しい時間帯のときもしっかりしのいで、自分たちのリズムでできました」と語ったように、18-14から逆転されて嫌な流れになった場面でも、選手たちは冷静に対応する。逆に19-20から古賀、山内、荒谷のサイドアタッカー陣が4連続得点を叩き出し、25-23で最初のセットを先取した。



 第2セットも山内のブロックなどで5-1と序盤から走った。その後逆転を許し、すぐに追いついた中盤以降は激しい点の取り合いとなる。岩﨑がすばやい反応で拾ったボールは山内がバックアタックを決め、大野は見事なブロックシャットアウトを決めた。20-19の場面で放った柳田のバックアタックはアウトの判定だったが、山田監督がすかさずチャレンジを要求すると、それが成功。終盤になっても予断を許さなかったものの、セットポイントで柳田がきっちり決め切り、25-21でレッドロケッツがこのセットも奪った。
 しかし、続く2セットを21-25、22-25で落としてしまう。
「1セット目から自分たちのバレーで入って、4セット目も中盤までは自分たちのリズムでリードできたのですが…」と振り返ったのは柳田だ。第3セットも11-18と押し込まれた場面で投入された家高が最初のプレーで1点をもぎ取り、島村がサーブで崩したところを山口がダイレクトで叩くなど、2点差に迫る意地を見せている。
 第4セットは7-8から古賀の3連続得点や、岩﨑の攻守から柳田の鋭いスパイクが決まって16-11と完全にペースをつかんでいた。その後、6連続失点で逆転を喫したが、逆に17-21からは山内のブロックや柳田のサービスエースで5連続得点。ただ、そこからの25点目が遠かった。
「4セット目は、せっかくリードしていたのに私たちが勝手に受け身になってしまった。相手の攻撃が良かったというよりも自分たちの自滅で取られてしまった印象です」(柳田)



 良い形で2セットを連取しながら、追いつかれた状況に、選手は無意識のうちに焦りを募らせたのかもしれない。山内は「第4セット中盤に相手がセッターを代えてきて、そこから相手が勢いづいてきた」と感じていた。
 山田監督は試合後、「(自分たちの)ミドルの印象が薄かった」ことを挙げている。
「前半は山口がミドルを使って、相手のセンターを引きつけることで(相手ブロックを)1枚とか1.5枚にしてサイドで数的優位を作ったりする場面もありましたが、全体的にはミドルを多く使えなかった。サーブレシーブで完璧なパスが入らず、苦しくて使えなかったという側面もあったのですが、ミドルを封じられてオープンバレーになりすぎた感じはあります」
 なんとか気持ちを切り替えて勝利を手にしたかったレッドロケッツだが、勢いづいた相手の流れを食い止めるのは難しかった。第5セットは序盤から主導権を握られ、柳田や山内のスパイクで食い下がったものの、序盤以外は一度も追いつくことができずに9-15。手にできそうだったポイント「3」は、まさかの逆転負けで「1」にとどまった。
 柳田は「ひと言、悔しいという気持ちが一番強いです」と絞り出すように言った。
 山田監督は静かに敗戦を受け止め、次のように総括した。
「チャンスはあったと思うのですが…。ファイナル6に入る前に、チームとしてサイドアウトをしっかり確実に回していくという練習をやってきましたが、今日も特定のローテでサイドアウトを回せず、連続失点をしてしまうシーンがあった。そういうところがもう少し固まっていかないと厳しいと感じた試合でした」
 レッドロケッツにとっては悔やまれる一戦となったわけだが、今は下を向いている暇などない。そのことは誰よりも選手たち自身がよくわかっている。古賀は「(試合中に)雰囲気が悪くなったとき、そこを打開するにはチーム全員で声を出して、良い意味でバカになってやるのが一番大事。来週からはこの悔しい気持ちをどんどん出して、今週の負けを取り返していきたいと思います」と力強く語った。
 自分たちを信じる者だけに、勝利の女神はほほ笑みをもたらす。






~絶対的なエースになるために~
 セットカウントで2-1とリードし、22-23で迎えた第4セット終盤の勝負所で、相手エース鍋谷のサーブが目の前でストンと落ちた。両チームにとって大きなサービスエースだった。
 試合が終わってしばらくしてからも、山内は「あの場面が頭から離れないです」と、勝敗を分けたかもしれないワンプレーを悔やんだ。「もし」を口にしても意味がないとわかっていながら、「あそこでエースを取られなければ、もう一つ我慢して、きっとセットが取れた。3-1で勝って3ポイントが獲れたと思うのですが…」
 昨季は内定選手として、V・レギュラーラウンド最終戦にリーグデビューを果たし、ファイナルラウンドでも途中出場の機会が何度かあった。あれから1年を経て、同じファイナル6の舞台ではあったが、山内はまったく違う意識でコートに立っていた。
「昨季は先輩方が築いてきたチームの中に、自分たちが新しい風を起こすというか、良いスパイスを入れるという感覚で、元気を出してやってこうと考えていました。でも、今季はスタートから使っていただく機会が多いので、相手に立ち向かっていくとか、最前線で戦っていく姿勢を見せることを意識してプレーしています」
 思わず忘れてしまいがちだが、山内は今季入団したルーキーである。ただ、柳田、古賀、荒谷といった同じサイドアタッカー陣が、自分より年少ということもあり、山内に入社1年目という意識はほとんどない。むしろ、「サーブレシーブでも中心になってやらないといけないですし、サリナたちがレフトにいることで相手のマークも集まりやすいので、ライトに入る自分がしっかり決めないといけないと思っています」と、攻守において軸になる役割を自らに課している。その覚悟もある。
 この日のデンソーエアリービーズでは、その言葉通り、サーブレシーブでは守備体型の1枚を担い、攻撃ではチーム最多となる53本のアタックを放って17点を叩き出した。ブロックでも2点をマークし、サービスエースも決めている。
 山田監督は「守備でもサーブレシーブの要になり、オフェンスでもしっかりと自分の持ち味であるパンチのある攻撃を出してくれました。よく頑張ってくれたと思います」と、山内の奮闘を評価した。
 ただ、チームが勝てなかったことで、山内は少しも満足していない。「NECは自分一人の責任で勝ったり、負けたりするようなチームではありません。でも、それぐらいの強い思いを持ってやっていきたいです」。自分に言い聞かせるように語り、山内は前を見据えた。
(取材・文:小野哲史)

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