レッドロケッツ応援記  ~11/24 対東レアローズ戦 今季初のホームゲームも、フルセットの末に惜敗~

  info_category1.gif2018/11/26

 今月11日から厳しいアウェーゲーム2試合を含み、3連勝と勢いに乗ってきたレッドロケッツ。24日は今季初のホームゲームとして、大田区総合体育館で東レアローズとの交流戦に臨んだ。古賀が「自分たちが決まったときは音楽を流してもらえたり、ホーム感が強い雰囲気の中で試合をさせていただいたのが、とても力になりました」と言うように、スタンドの大部分を真っ赤に染めたレッドロケッツサポーターの存在が、選手たちを力強く支えたようだ。



 最初のラリーから粘り勝ちして、2点を先取すると、山内と廣瀬はパワフルなスパイクを打ち込む。大野がサーブで崩し、上野がすかさず速い攻撃を突き刺した。8-5からセット半ばに逆転されたものの、上野のブロックやブロード攻撃、塚田の意表を突くツーアタックで踏ん張った。15-16からの3連続失点で嫌なムードになりかけたが、廣瀬の連続スパイクで追いつき、終盤に廣瀬の強打で逆転。山内のサービスエースで一歩抜け出したレッドロケッツが25-23で最初のセットを奪った。
 ところが、立て直してきた東レの前に、第2セットを15-25で落としてしまう。会場がどよめくほどの強烈なジャンプサーブで、廣瀬が2本のサービスエースを決めるなど、序盤はレッドロケッツペースだったが、セット半ばから走られて一気に押し切られた。
 そのお返しとばかりに、第3セットは25-14と大差でセットを取り返す。相手のサイド攻撃に対しては、岩﨑がきっちりコースに入ってつなぎ、古賀や廣瀬、山内らサイドアタッカー陣の活躍で、12-11からまたたく間にリードを広げた。



 ただ、この日のレッドロケッツは、セットを獲った次のセットで勢いに乗れなかった。とくに金子監督は16-25で落とすことになる「第4セットがカギだった」と試合後に語っている。
「(点差が開いた第2セット以降は)セットごとに淡白なゲーム展開だったので、お互いにとってサーブがカギだったということ。第4セットはうちのサーブのクオリティが少し落ち、逆に東レさんがサーブで攻めてきて、うちのレセプションが崩される場面が多かった。それでバレー自体が淡白になったしまったと思います」
 いきなり3点を先取され、2回のテクニカルタイムアウトは、それぞれ2‐8、7-16で迎えた。その間、廣瀬のバックアタックや古賀のブロック、大野のサービスエースなど、随所で見せ場もあったが、ミスも目立ち始め、劣勢を挽回することはできない。ワンポイントサーバーで起用された荒谷も、相手に傾いた流れを引き戻せなかった。
 第5セットも終始、相手に先行される形が続き、9-15で無念のゲームセット。3-7から廣瀬のサービスエースと塚田のツーアタック、上野の速攻で追い上げたあたりでは、会場全体に「行ける!」というムードが漂ったが、9-10と1点差に迫るのが精いっぱいだった。



 逆転負けを喫した後、大野は「相手はミドルを使ってからのサイド攻撃が有効的で、自分たちは逆に攻撃が単調になってしまったという部分が敗因の1つだと思います」と、悔しさを噛みしめるように語った。
 実際、この日はフルセットを戦い抜いたにもかかわらず、大野と上野のアタック本数はそれぞれ13本ずつ。一方で、サイドアタッカーは、廣瀬の63本を筆頭に、山内、古賀、柳田で142本を放っており、データの上でも攻撃がサイドに偏っていたことがわかる。古賀もその点を「センターやセッターだけの責任ではありません。パスをする側もクイックを使えるボールを供給していかないといけない」と反省していた。
 金子監督は、両チームを通じて最多の28得点をマークした廣瀬について、「苦しい状況で本当によく頑張ってくれた」と高く評価しながらも、それはチームが目指している戦い方ではないと話した。
「廣瀬が目立っているときは、レセプションや守備の部分の脆さが出ている状況だと思います。もちろん、レセプションアタックから切れればいいのですが、切れなくてもそこからラリーに持っていき、ブレイクを取っていくということをしっかり確認していきたい。それに、1人の選手に頼ってしまうと、そこで乗り切れればいいけれど、安定しないときは苦しくなる。いかに他のアタッカー陣が補えるかが大事だと思っています」
 しかし、翌25日の久光製薬スプリングとの交流戦も、本来のバレーを展開できず、ストレートで敗れた。第1セットの途中から入った柳田や島村が持ち味を発揮し、峯村がレッドロケッツでのデビューを飾るなど、収穫やポジティブな話題もあったが、前回王者に終始ペースを握られながらの敗戦は、選手たちの闘争本能に今まで以上に強い火をつけるきっかけになったに違いない。



 東レ戦の後、古賀が自らに言い聞かせるように言った言葉が印象的だ。
「チームとしてもっと危機感を持って、強いチームに対して勝てる実力をもっとつけていかないといけないと思います。こういう経験を無駄にしないように、明日以降の試合も頑張っていきたいです」
 幸いというべきか、レッドロケッツは次戦もホームの川崎市とどろきアリーナで戦うことができる。もう一度、気持ちを切り替え、選手一丸で相手に挑んでほしい。熱いサポーターが詰めかけるホームゲームで、連敗を重ねるわけにはいかない。




■Hot Topic 山口かなめ ~「最終的には自分がチームを勝たせないといけない」~
 途中交代で入る選手というのは、その多くはチームが苦しい場面でコートに送り込まれる。しかも、いつ声がかかるかはわからない。そういう意味でリザーブの役割は、スタートから入る選手よりも難しいかもしれない。
 今季、山口は開幕から東レ戦までの6試合はすべてベンチスタート。うち5試合で途中からコートに入ったが、金子監督は「今は出場機会が少ない状況ですが、チームがどういう状況であっても、その経験をどんどん伝えて安定させてほしい」と山口に期待している。
 山口自身は、途中交代時の役割は大きく2つあるという。
「1つは攻撃面でどこから攻めた方がいいかというのをプレーで示すこと。そしてもう1つは、チームが良くないときはコート内の空気が静かになってしまったり、みんながどうしたらいいかわからないような状態になっているので、その空気を変えるということは意識してやっています」
 この日は第2セットの中盤、12-11から相手の勢いが止まらず、7連続失点を喫した場面で声がかかった。トスを散らし、2枚替えで入った柳田とともに「何とかしよう」という気迫は伝わってきたが、本人が「今日はうまく行きませんでした」と語ったように流れを引き戻すことはできなかった。交代という策は、いつもうまくいくわけではない。
 それでも山口はいつ呼ばれてもいいように常に準備をし、準備をしながらも、タイムアウト時にはコートに立つチームメイトを勇気づけ、励まし、笑顔を見せて安心させる。気づいたことがあれば、アドバイスも送る。
「1つの声掛けでみんなが思い切りプレーできたり、何か良く変わるのであれば、どんどんやっていかないといけないし、外から見ていてわかることはしっかり伝えていきたい。最終的には自分がチームを勝たせないといけないと思っています」
 翌日の久光製薬戦は、今季初のスタメンを飾り、フル出場を果たした。チームを勝利に導くことはできなかったが、手ごたえをつかんだ面もあったはずだ。コートに入っているときはもちろん、リザーブとして控えているときも、山口のようなベテランの存在はとてつもなく大きい。

(取材・文:小野哲史)

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