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レッドロケッツ応援記 ~12/8 埼玉上尾 カギはサーブとサーブレシーブ。悔しいストレート負けから学んだ課題~

  2018/12/10

チームスポーツのバレーボールで唯一、個人のスキルで勝負できるプレー。それがサーブだ。
 近年、勝利するためにサーブの比重は増え、どの選手、どのチームもまずサーブで崩して主導権を握りブレイクを重ねるべく、長い時間をかけて練習に励む。そして多くの試合で「サーブ」と「サーブレシーブ」のわずかな差が、勝敗になって表れる。
 埼玉上尾との試合は、まさにそんな一戦となった。



 勝てそうで、なかなか白星がつかめずにいるリーグ中盤。年内最終節の上尾戦で、今季初スタメンに荒谷を、スタートリベロとして小島を起用。金子監督は「試合に出る、出ていないに関わらずNECのユニフォームを着ている選手は全員が戦力。今週のコンディションを見て起用した」と言う。
 期待に応え、試合開始早々に荒谷が連続してスパイクを決め、3-2とレッドロケッツが先行。「顔には出さないけれど緊張していた。最初にトスを上げてもらえて、決めることができてホッとした」と言う荒谷がサーブでもチームに流れを呼び込む。埼玉上尾には高校時代から同じ東京で対戦してきた選手や、U23代表チームで共にプレーする選手が多く、「特に同世代の選手には絶対負けたくない、と思い切り攻めた」というサーブで次々ブレイクを重ね、17-13とリードする。



 しかし劣勢から流れをつかむためにサーブで攻めるのは相手も同じだ。やられたらやり返す、とばかりに埼玉上尾も際どいコースや選手の間を狙ったサーブで得点を重ね、18-18と同点にされ、シーソーゲームが続く。島村のスパイクで24-23と先にセットポイントを手にしたレッドロケッツだが、終盤もサーブで攻めてきた埼玉上尾に対しレシーブを乱されたレッドロケッツは25-27で第1セットを先取されてしまった。
 相手に傾きかけた流れを再び取り返すには、攻めなければならない。そのための手段は、やはりサーブだ。第1セット同様に序盤は荒谷のサーブで先行、逆転に向け勢いを得る。しかし、やはり第1セットと同じく緩急をつけた埼玉上尾のサーブに対し、守備を崩され攻撃になかなかつながらない。埼玉上尾がサーブで崩されてからも二段トスを外国人選手に集めて攻撃してきたのに対し、レッドロケッツは崩された後の攻撃展開がつながらず中盤からジワジワと埼玉上尾のリードが広がる。「相手に攻められている時こそ、自分がつないで何とかしたかった」という小島がコート後方まで必死に追いかけボールをつなごうとするも、多彩な攻撃を展開する埼玉上尾に対しミスが目立ち始めたレッドロケッツは17-25で第2セットも失う。



 0-2と追い込まれ、後がない第3セット。リベロを岩﨑に代え、山内、塚田を投入するも一度勢いをつかんだ埼玉上尾の猛攻が続く。苦しい状況でも粘り強く、諦めずにボールをつなぐ場面も見られる一方、勝負所で安易なミスも生じる。数字には出にくいものではあるが、それこそが試合の勝敗につながる重要なポイントだった、と言うのは主将の柳田だ。
「自分たちがリードしている時にもミスをして、相手に『行ける!』と思わせてしまったり、いいプレーがあってもミスで断ち切ってしまう。相手にやられたという前に、自分たちで、自分たちの形になれない状況をつくってしまいました」
 12-19と7点差をつけられた終盤、途中出場の上野のジャンプサーブで16-20と猛追したが、あと一歩が届かない。最後までなかなか攻守がかみ合わず、19-25で敗れ、ストレート負けを喫した。



 敗因は1つではない。うまく行く時には見えないことがうまく行かない時は積み重なり連鎖する。だがこの試合では敗れた要素の1つに金子監督も「サーブ」と「サーブレシーブ」を挙げた。
「どこもサーブで崩そうと打ってくるので、多少崩されるのは仕方がありません。ただ、それでも1本目のサーブレシーブはゲームメイクをするうえでは重要。アタッカーが余裕を持って攻めるにはまずサーブレシーブの質を高めること。相手に思い通りの攻撃をさせないためには、サーブで崩すこと。これからどんどん各チームの完成度も上がるので、サーブとサーブレシーブはもっと詰めていかなければ厳しい。少しでも相手にストレスがかけられるようなプレーができなければ、と実感させられた試合でした」



 開幕すればあっという間で、年内のリーグ戦はこれで一時休戦となり、来週からは天皇杯皇后杯全日本選手権大会が始まる。ここまでで得られた課題を形にするために。柳田が言った。
「どのメンバーが出ても最初の8点まででいかにリズムをつくれるか。それぞれが役割を果たせれば崩れた時にも立て直すことができると思うので、全員が100%、120%の力を出すためにどうすればいいか。不安なくその日、一番いい状態で試合に臨むためにアプローチをかけるのが自分の役目でもあると思うので、もっとコミュニケーションを取り合って、1つ1つ大切に戦って行きたいです」
 巻き返しはこれから。敗れた悔しさも、もっともっと強くなるための力になるはずだ。





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■Hot Topic 小島満菜美 

 レッドロケッツの選手になってから、V.LEAGUEでスタートリベロとして出場するのはこれが初めて。
「緊張しました。でも緊張している自分をまずは認めて、やっていく中でいい1本につながればいい。とにかく我慢して、相手の攻撃をレシーブでつなげよう、と思ってプレーしました」
 直接得点を取ることができない唯一のポジション。だからこそ、周りを活かすために何ができるか。それこそが、自分の果たすべき役割だと思ってこだわり続けて来た。
「自分のプレーがどうだった、ということは関係ないんです。いいパスを返すのは当たり前だし、それだけじゃなく、チームとしてみんなが安定したパスを返せるように自分は何をすべきか、だと思っています」
 なかなか波に乗れずにいるチームを鼓舞しようと、フェンスに当たる直前までボールをフライングして追いかけ、とにかく「つなぐ」姿勢を前面に打ち出した。コート内でも空気が沈まないよう声をかけ、足を止めず、下を向かない。これまでやってきた“いつも通り”を体現したつもりだったが、思い通りのプレーには程遠く、残ったのは反省ばかり。だが、この経験をしたからこそ得られた、貴重な気づきもあった。
「信頼してもらうためには結果を出さないといけない。何より私自身、チームを勝たせたかったし、勝ちたかった。V.LEAGUEで初めてリベロとして出たことで改めて初心に気づいたので、初心を忘れず、自分のやるべきことをやり続けたいです」
 次こそ勝利を分かち合いたい。すべての経験を財産に、チームをつなぐ存在になる。
 

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