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  • ■レッドロケッツ応援記  ~1/20 対埼玉上尾メディックス戦 フルセットの激闘も一歩及ばず、獲得ポイントは「1」にとどまる~

■レッドロケッツ応援記  ~1/20 対埼玉上尾メディックス戦 フルセットの激闘も一歩及ばず、獲得ポイントは「1」にとどまる~

  2019/01/21

 レギュラーラウンドも中盤戦から終盤戦に差し掛かり、一戦ごとに変化する順位表のポジションが徐々に気になってくる。とりわけ20日の埼玉上尾メディックス戦は、「落とせないゲーム」と金子監督は考えていた。「イースタンカンファレンス同士で、ともにここまで勝率が5割。もちろん、ウエストカンファレンスとの交流戦は落としていいというわけではありませんが、上尾さんには前回の対戦でストレート負けしていましたから、しっかり勝って来週のホームゲームにつなげたかった」
 スタメンにはリーグ戦2試合ぶりに島村が復帰。「彼女の持ち味はサイドアウト。攻撃が2枚になる場面でサイドアウトを回していきたい」(金子監督)という部分が期待され、セッターの山口は「相手の17番の(シュシュニャル)選手が大きいので、そこからではなく、ミドルとライトをしっかり使っていきたいことと、クイックをどんどん打たせていきたい」と意気込んでいた。



 第1セットこそ、受け身になってしまう課題を露呈し、20-25で落としたが、第2セットはスタートから投入された山内が、「(第1セットは)サーブがあまり攻め切れていなくて、チームでまとまって戦うという雰囲気が感じられなかった。自分で突破口を開こうと思って入りました」と、チームの起爆剤になった。序盤で先行し、追い上げられても再び引き離す。相手に隙を与えない、レッドロケッツの理想とも言える展開に持ち込んだ。
 4-5から柳田のスパイクやアルハッサンのブロック、山内の豪快なバックアタックで5連続得点。10-7からも3連続得点を挙げて一気に走る。得点には結びつかなったが、相手のスパイクレシーブが直接、エンドライン付近に返球され、柳田、山内、島村が懸命につなごうとするなど、守備面でもレッドロケッツらしさが出始めた。島村は安定感のあるブロード攻撃で存在感を示し、柳田は岩﨑が丁寧に投げたアンダートスをきっちり打ち切る。セット終盤には、山口、柳田、アルハッサンのブロックが立て続けに決まり、25-17でセットを奪い返した。



 島村が「試合の中での波を少なくするためにも、私やクウさん(山口)やヒナさん(岩﨑)といった上の人たちが頑張らないといけない」と語ったように、経験豊富なベテランの奮闘が中堅や若手選手たちの良さを引き出していった。
 ただ、相手もすぐさま対策を練ってきたため、レッドロケッツは第3セット、またしても序盤からリードを許す展開を強いられた。古賀の絶妙なフェイント、島村の力強いブロード、柳田の連続スパイクなど、多彩な攻撃を繰り出したものの、それらはすべて相手にリードされている場面でのプレーだった。中盤にあった最大4点のビハインドを古賀のブロックで19-19と追いついたまでは良かったが、そこから相手に再び抜け出され、このセットを23-25で落とすこととなる。
 金子監督はこの日の収穫として、「山内にしても柳田にしても、オフェンスの部分で緩急をつけてやってくれた」ことを挙げつつも、「それを初めから最後までやり続けることが大事で、まだどうしてもバタバタしてしまう場面が多く見られる」と感じていた。
 それでも後がない第4セットで、セット半ばまで9-13とリードされながら終盤に逆転し、25-23でフルセットに持ち込んだのは、選手たちの意地以外の何物でもない。アルハッサンと島村の速攻で徐々に追い上げ、山内のサーブで崩したところを山口がダイレクトで押し込んで19-19。このセットではここで一息つかず、柳田の連続スパイクなどで一気にリードを奪えたことが奏功した。
 ファイナルセットにもつれ込み、会場の船橋アリーナは俄然、ヒートアップしてきた。相手のホームゲームではあったが、レッドロケッツサポーターも負けじと大声援で選手たちの背中を押す。だが、序盤から上尾に走られて3-6。島村のフェイントや古賀の強打で1点差に迫っても、6-7から突き放されて万事休す。9-15でセットを落とし、ポイント1を上積みしたものの、レッドロケッツにとっては手痛い敗戦となった。



 山内は試合後、「サイドアウトで切れるという自信があれば、サーブでも多少のリスクを負って攻めて打っていける」と、チームの課題でもあるサイドアウトの安定性が今後の勝利のカギを握っていると語り、山口は「苦しい場面のときこそ質の高いトスを上げて、サイドの選手にしっかり打たせ切ることができなかった」と反省を口にした。島村は「たとえ自分のプレーが良かったとしても、バレーボールはチームスポーツ。それがもっとチームに影響していかないといけないと思います」と、48.4%という高いアタック決定率で17得点をマークした結果にもまったく満足していなかった。
 金子監督は表情に悔しさを浮かべながらも、視線を次に向けている。
「サイドアウトを重点的にやってきて、良いところもあったし、悪いところもあった。その差がはっきりしていた印象です。徐々に良くなってきてはいますが、もっと頑張らないといけないのかなと。あとは先週と今日の2戦を通して、相手のミドルブロッカーに対応し切れていないというのが今後の課題になりそうです」
 全チームの消化試合数が一致していないため、暫定ではあるが、レッドロケッツはこの敗戦でイーストカンファレンスの3位に転落。日立リヴァーレ、久光製薬スプリングスと続く次節のゲームがより一層重要になってきた。しかも戦いの舞台は、川崎市とどろきアリーナ。ホームゲームだけに絶対に負けられないという点だけにとどまらず、V・ファイナルステージへとつながる今季の結果を左右する大一番になるかもしれない。







■Hot Topic 篠原沙耶香 ~着実に成長を遂げてきた4年目の司令塔~
 昨年12月の天皇杯・皇后杯を含め、公式戦は7試合連続でベンチ入りし、すべての試合でリリーフサーバーとして出場。決して出番が多いわけではないいもかかわらず、相手の守備を崩す「効果」もしっかりと挙げている。この日も「自分はスピードがあまり出るタイプではないので、コースをとことん狙う」という5本のサーブの中で、2本を味方の得点に結びつけた。しかし、篠原はそうした結果に少しも満足していない。
「崩すことはできても、サービスエースなどポイントを取ることができていないですし、ワンポイントで出るということはいかにチームの流れを変えられるかが重要になってきますが、そこももっとできるんじゃないかなと思っています」
 昨季あたりまでは、コートに立つと緊張したり、「どうしよう」と不安な気持ちになることがあったという。だが、今はネガティブなメンタルに襲われることはほとんどない。「もう4年目ですし、緊張するなどとも言ってられません」と笑い飛ばし、コートでは落ち着いてプレーできるようになった。「下の子にも気を配りつつ、チームが全員で勝てる方向に持っていけるようにしていきたい」という自覚も芽生えつつある。
 金子監督は、篠原の成長を認めながらも、さらなる飛躍に期待を込める。
「サーブ練習は人一倍取り組んでくれていて、試合でも頑張ってくれていますが、身体能力が高い彼女には、それを生かしたディフェンスも期待している部分です。サーブで崩してディフェンスでつなぐ。エースを取るだけがリリーフサーバーの役目ではなく、代わって入って、何かを残してくることが大事なので、技術的なこと以外にも、外から見ていての声掛けなどもやってくれると、今後もっと安定してくると思います」
 チーム内にライバルや意識する選手はいるのだろうか。同期入社の古賀や同じポジションのセッター陣の名前が挙がると想定して尋ねると、篠原は少し間を置いてからきっぱりと言った。
「そういうのはありません。自分は自分、という感じなので」
 サーブで結果を残し、レシーブでも「以前に比べれば、入る場所もわかってきてだいぶ良くなっている気がします」と自信をつかんできたという。着実に成長を遂げ、チーム内での存在感も増してきた篠原。あとは本職であるセッターとしての輝きを見せたいところだ。


(取材・文:小野哲史)

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