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■レッドロケッツ応援記  ~1/27 対久光製薬スプリングス戦 2時間超の大熱戦も、ホームとどろきで連勝ならず~

  2019/01/28

「会場がこれだけ真っ赤に染まったことはなかった。声援が力になったし、楽しんでプレーできました」(島村)、「事務局の方を中心に演出などを工夫してくださる方がいるからこそ、たくさんの観客のみなさんが足を運んでくれる。そのことにも感謝したいです」(古賀)
 川崎市とどろきアリーナでのホームゲーム2連戦は、2日連続で3000人を大幅に超える大観衆が詰めかけ、スタンドの大部分を埋め尽くしたレッドロケッツサポーターの存在が選手を力強く後押しした。26日の日立リヴァーレ戦は、フルセットの末に勝利をもぎ取り、遅ればせながら2019年初白星。古賀と荒谷がともに20点以上マークする活躍を見せた。



 その勢いで臨んだ翌27日の久光製薬スプリングス戦も、フルセットにもつれ込む大接戦となった。ただ、古賀が「私たちはセット終盤の追い上げの部分は強い。序盤でどれだけ点差を縮めていけるか」と課題に挙げていた各セットの出だしが、この日も今ひとつだった。第1セットは序盤で1-6と走られ、荒谷のスパイクで10-11とするも、14-18と再び引き離されてしまう。第2セットは5-4から6連続失点で主導権を握られた。第3セットも2回のテクニカルタイムアウトを3-8、12-16と相手のリードで迎えている。
 結果的にはいずれのセットも終盤に盛り返し、25-23、24-26、25-23と第3セットを終えて、セットカウント2‐1でリードした。だが、各セットの立ち上がりをもう少しうまく入れていたなら、取ったセットはもっと楽な展開になっただろうし、驚異的な粘りでデュースに持ち込んだ第2セットも取れていたかもしれない。もちろん、相手も同じように先行しようと考え、必死に策を練ってくる。レッドロケッツの選手も自分たちの課題を痛いほどにわかっている。それでも、「もし」と考えてしまうのは、どちらに勝利が転んでも不思議ではないほどの僅差だったからだ。敵将の酒井監督も試合後、「今季、一番熱い試合だったと思います」と、両チームの健闘を称えていた。



 レッドロケッツは第4セットを18-25、第5セットを13-15で落とし、無念の逆転負け。島村が「悔しいし、勝てた試合だったという思いが強いです」と絞り出すように放った言葉は、おそらくチーム全員が同じ気持ちだったに違いない。最終ポイントとなった息を呑むようなラリーは、2016/17シーズンで両チームが激突したファイナルを思い起させるものだった。日立戦はアタックで23得点、サーブでも4本のエースを決めた荒谷は、この日は半数以下の得点に抑えられ、「ここ1本というところで決められなくて、相手には簡単に決められることが多かった」と肩を落とした。



 だが、収穫も少なくなかった。島村が「チームとしては良い形で、全員が全員、活躍できていた」と言うように、すべての選手が持ち味を発揮した。古賀と柳田は攻守の要となり、島村とアルハッサンは高い壁となって相手の前に立ちはだかった。センター線の攻撃が多かったのは、セッター山口がアタッカー陣をうまくコントロールできていた証だろう。荒谷は攻撃で存在感を示しただけでなく、第5セットの終盤、苦しめられ続けた久光製薬・アキンラデウォのワンレッグ攻撃を右手1本で返し、チームの窮地を救っている。
 金子監督が殊勲者として挙げたのが、リベロの岩﨑だった。「昨日の日立戦もそうでしたが、ブロックをよく見て、良いところでレシーブを上げてくれています。サーブレシーブのフォーメーションでもベテランとしてやってくれていて心強い」と評し、途中交代で入って見せ場を作った小島や大野も高く評価した。岩﨑は第2セット中盤、再三の好レシーブで拾いまくり、山口のダイレクトスパイクを演出。小島はすべてのセットに守備固めで投入され、エンドラインぎりぎりを狙った相手サーブを正確に見極めたり、第4セット終盤の好守で古賀の得点につなげる活躍を見せた。コートに立っていない者も含め、選手・スタッフが一丸となって戦った一戦だった。



 激闘を演じた選手たちを称えながら、金子監督は次のように試合を総括している。
「数字上、サイドアウトはウチの方が取れている印象はありましたが、向こうのブロック力やサーブポイント、その差が出たと思います。選手たちが連日のフルセットを戦い抜いてくれたことには感謝しています。逆に言うと、私自身の未熟さが出たゲームだと思うので、この経験を私自身も無駄にしないで次につなげていきたい」
 古賀もストレート負けに終わった前回の久光製薬戦から生かせた点があったという。
「序盤で走られてしまう展開は一緒でしたが、粘りの部分でラリーに持ち込んで点数を取るということは前回よりも増えたのかなと。この1週間、厳しい練習をして、少しずつですが自分たちの課題を昇華していけているというのを今週の2試合で感じることができました。もっともっと強くなっていけると思うので、次に当たるときはしっかり勝ち切れるようにしていきたいと思います」



 敗れはしたものの、ポイント「1」を加算したレッドロケッツは、これで3月から始まるV・ファイナルステージのファイナル8進出が確定。成長過程にある今、王者・久光製薬との次の対戦では必ずや雪辱を果たしてくれそうな期待が膨らむ。
 この日、アフターマッチファンクションでサポーターと交流の時間を過ごした選手たちは、応援してくれる人、支えてくれる人たちへの感謝の思いを新たにし、レギュラーラウンド終盤戦に向けてひとつでも多くの勝利を届けることを誓った。








■Hot Topic 大野果奈 ~「自分が出たときにできることを100%コートで出す」~
 コートに立てば、確実に安定した活躍を見せてくれる印象がある。約1ヶ月半ぶりにスタメン出場を果たした26日の日立リヴァーレ戦でも、打数は少ないながら40%を超えるアタック決定率をマーク。3本のブロックポイントや攻撃的なサーブで相手を苦しめ、チームの勝利に貢献した。
 だが、翌27日の久光製薬スプリングス戦はベンチスタート。金子監督はセンターに大野ではなく、アルハッサンを起用した意図をこう語る。
「NECはミドル陣の枚数も多いですし、優秀なミドルブロッカーが多い。対久光さんという意味で何かアクションを起こしたかったという部分もありますし、大野も優秀ですが、高さという部分ではラーマット(アルハッサン)がチームナンバー1。久光さんの高いオフェンス力にブロックでプレッシャーをかけていきたいと考えました」
 その狙いは大野自身も十分に理解している。「今日はベンチからでしたが、やることは変わりません。自分が出たときにしっかり自分ができることを100%コートで出そうという気持ちでした」と、いつでも出られる準備をしながらウォーアップエリアで戦況を見守った。この日の最初の出番は、第1セット23-23の場面、山口に代わってワンポイントブロッカーとして投入されると、ラリーをものにした後のセットポイントでシャットアウト。第2セットも18-19で入った直後、ブロックで仕留めて、チームを勢いづけた。
 「ミドルはブロックがカギになるので、そういうところで自分が引っ張っていきたい。いつもそういった気持ちを持って練習をしています」
 ファイナルセットの相手のマッチポイントで止められなかったことを悔しがったが、「そこはもう一回、自分が成長できるところ」と、次への糧にしようと切り替えている。そうした謙虚な姿勢が、1セットあたりのブロック決定本数ランキングで、イーストカンファレンス第3位に名を連ねている理由だろう。
 副キャプテンとしても、「試合に出ている、出ていないに関わらずに、広い視野でみんなをサポートしていきたいです」と静かに語り、金子監督やチームメイトからの信頼は絶大だ。これからも訪れるであろうピンチや苦しいときにこそ、大野の存在がひと際大きくなる。
 
(取材・文:小野哲史)

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