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■レッドロケッツ応援記  ~3/24 対久光製薬スプリングス戦 前回王者に完敗し、新リーグの2018-19シーズンは6位で終える~

  2019/03/25

 23日の埼玉上尾メディックス戦で、ストレート負けを喫し、勝利ポイントは「10」のまま。それに対してファイナル8の3位チームが「14」までポイントを伸ばしたことで、レッドロケッツはあと1試合を残しながら、ファイナル3進出の可能性が完全に断たれた。
 24日の相手は、リーグ連覇を狙う女王・久光製薬スプリングス。東西の各カンファレンスにおけるV・レギュラーラウンド1位同士の直接対決ではあったが、片や久光製薬がファイナルに向けて調子を上げていこうと高い意欲があった一方で、レッドロケッツは勝っても負けても、これが今リーグの最終戦となる。選手たちには一体、どのようなモチベーションがあったのか。金子監督は言う。
「今日は2018-19シーズンのリーグ戦の締めくくり。現在首位を行く久光製薬さんにしっかりチャレンジをして、常に自分たちが目指すバレーの信念を持って戦っていこうと、この試合に臨みました」
 古賀は「楽しんでプレーすることをチームのテーマにした」と言い、大野も「みんなで笑顔でやろうと話していました」と振り返る。たとえ勝ったとしても次はない。しかし、だからこそ最強のチームを相手に果敢に挑み、勝利や何らかの収穫を得ることが重要だった。それが明日以降のレッドロケッツにとって何よりの力となる。
「出だしのところで勢いに乗れて、自分たちの流れにできたのは良かった」と廣瀬が語ったように、第1セットは2回目のテクニカルタイムアウトあたりまで、第2セットは終盤まで、レッドロケッツが持ち味を発揮し、久光製薬に互角以上に渡り合った。



 金子監督が「オフェンス面で存在感を出してくれた」と評価した廣瀬が強烈なスパイクやサーブ、バックアタックで攻撃の軸となり、ラーマットが高さを生かし、セッター山口とのコンビネーションから速攻やブロード攻撃でアクセントをつける。荒谷も鋭いスパイクとサービスエースでチームをさらに加速させた。
 3点リードで迎えた2回目のテクニカルタイムアウトまでは自信をみなぎらせた堂々たるプレーぶりだった。にもかかわらず、そこからサーブで崩されて7連続失点。古賀が悪い流れを断ち切り、終盤には大野とラーマットのセンター線が機能したが、流れを引き戻すまでには至らず21-25で第1セットを落とした。
 第2セットは、第1セット以上にレッドロケッツペースの時間帯が長く続いた。古賀、荒谷がスパイクを決め、リベロ岩﨑が懸命につないだボールを古賀に代わって投入された柳田のバックアタックで12-8。廣瀬が豪快なジャンプサーブで相手守備を崩すと、ラーマットのブロード攻撃が炸裂した。久光製薬の必死の追い上げを食い止めつつ、柳田が上げたハイセット(二段トス)を廣瀬が打ち切り、23-21。だが、「シーズンを通しての課題だった勝負所での1点をとるプレー、攻めにいくべき場面でのプレーに甘さがあった」と柳田が言うように、またしても土壇場で逆転を許してしまう。



 スタンドからはサポーターの「元気出せ!レッドロケッツー!」「気持ちだぞー!」といった檄が飛んだが、23-25で第2セットを落とした選手たちは、第3セットに入って急速に勢いを失ったようだった。大野がネット際のボールをうまく押し込んで先制し、ラーマットがブロックで続いたところまでは理想的な展開だった。しかし、そこから一気にギアを上げてきた相手について行けず、あっという間に4-11。ここですでに2度のタイムアウトを使い果たしている。
 山口がサービスエースを決め、荒谷は思い切りのいいスパイクやサーブで見せ場を作った。途中交代で入った峯村や小島も、なんとか悪い流れを変えようと身体を張ったプレーで奮闘した。それでも相手はほとんど綻びを見せない。第3セットは16-25と終始、久光製薬ペースで進み、終わってみればストレートでの完敗だった。
 新たにスタートした「V.LEAGUE Division1」、レッドロケッツはとくにV・ファイナルステージのファイナル8に入ってから苦戦を強いられ、最終順位は6位で2018-19シーズンを終えた。昨年11月から約5ヶ月間に及んだ戦いを金子監督は次のように振り返る。
「開幕戦は非常に良い状態で自分たちが目指してきたバレーボールを展開できましたが、レギュラーラウンドの中盤は連敗や苦しい時期が続きました。その中でも選手1人ひとりは自分がやるべきことを考え、常に前を向いて戦ってくれました。私のような新米監督のもとで、最大限の力を出してくれたことに感謝しています」



 今季のレッドロケッツは試合中、極端に異なる2つの顔を見せることが多かった。自信満々のプレーで、攻守において相手を圧倒したかと思えば、ズルズルと連続失点を重ね、どうしていいかわからないというような不安な表情を浮かべてしまう。人間が行う以上、うまくいかないことは当然ある。しかし、ファイナル8で上位に食い込んだチームに比べると、明らかに精神的なタフさに欠けていた。金子監督は「技術力に自信を持っていれば、メンタルは安定すると思う。自信を持つためには、試合の中で成功例を多くしていかないといけないので、まずは技術力を上げていく必要がある」と話す。
 ファイナル8に入ってからの失速は、レッドロケッツに関わるすべての人にとって悔やまれる結果だった。だが、最終戦の直後、多くの選手が目を真っ赤にし、大粒の涙を流していた光景に救いを見出すことができる。
「また来シーズンのリーグに、強くなって帰ってきたいと思います」
 古賀がきっぱりと言い放ったその言葉を、信じたい。







■Hot Topic 柳田光綺 ~苦しむチームを引っ張ってきたキャプテン~
 キャプテン1年目だった昨季は、Vリーグ最終戦を勝利で飾り、自らも「VOM(V.Leaguer Of The MATCH)」に選出された。ファイナル6で思うように勝てずに5位という結果ながら、チームにも柳田にも安堵感から来る笑顔があった。
 しかし、今季はV・レギュラーラウンドでイースタン・カンファレンスを1位で通過したにもかかわらず、ファイナル8で失速。最終戦も王者・久光製薬スプリングスに力の差を見せつけられた。試合後の柳田に笑顔はなかった。
「ファイナル3進出の可能性はなくなっていましたが、久光さん相手に決勝戦のつもりで勝ちに行こうと入りました。課題だった入りの部分はクリアできたけれど、勝負どころで点を取れずにラリーでも押し切られてしまいました」
 キャプテンとしては、「わからないことばかりで、目の前のことをこなすのに精いっぱいだった」という1年目に比べれば、だいぶ周りが見えるようになってきた。ところが、視野が広がった分、「悩みも増えた」ことを明かす。
「ときには一人で抱え込んで、周りに迷惑をかけてしまうこともありました。それではチームにとってマイナスなので、まずは一プレーヤーとして何が大事なのかを考えるようにしました。そういう意味で、キャプテンとして何ができたかと言うと、まだまだ少ない。もう5年目でチームの中でもだんだん上の方の年齢になってきましたし、周りにもっと影響を与えられる選手にならないといけないと痛感したシーズンでした」
 真面目で、誠実で、常に一生懸命。そんな柳田をチームメイトは慕い、いつだって協力を惜しまない。キャプテンが柳田だったからこそ、今季のレッドロケッツは団結し、最後まで戦い抜くことができたという見方もできるだろう。
「このままじゃ終われません」と柳田は言う。
「手応えを感じていた部分もありましたが、リーグでは結果が出なかった。このリーグで感じたことや課題をみんなで消化して、まずは今シーズン最後の黒鷲旗に臨みたい。来シーズンのリーグで取り返すための黒鷲旗にしたいです」
 力強く前を見据える柳田の眼は、キャプテンらしい責任感を帯びていた。
 
(取材・文:小野哲史)

 

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