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2019/12/09

試合レポート

■レッドロケッツ応援記 ~12/7 対東レアローズ戦 各セットの出だしに課題を残し、交流戦でまさかの3連敗~

 ここ数試合のスタメンの顔ぶれと比べると、東レアローズ戦のそれは大きく変わった。レフトの1枚には9試合ぶりに曽我が入り、ライトは5試合ぶりに山内が務めた。セッターに起用された塚田に至っては、10月19日の今季初戦以来、12試合ぶりの先発である。金子監督はその狙いについて、「塚田は最近になってパフォーマンスが上がっていたのと、昨季までの経験や高さを期待しました。他のメンバーは、コンディション面などから判断して変えました」と話したが、そこには別の意図もあったに違いない。
 2戦連続ストレート負けに終わった前節の悪い流れを断ち切りたい――という思いだ。



 久しぶりにスタメンに名を連ねた選手たちは、とくにその意識が強かったかもしれない。曽我は「東レが相手ということでスタートから出たいと思っていましたし、出るからには絶対に勝つというつもりでコートに立ちました」と静かに闘志を燃やしていた。
 しかし、そうした意気込みとは裏腹に、立ち上がりから相手にペースを握られる。レッドロケッツはスパイクミスなど、自分たちの失策が目立った。ようやく本来のバレーを取り戻したのは、2-8あたりから。古賀の強打や曽我のブロックで互角に渡り合い、2度目のテクニカルタイムアウト直後は、むしろレッドロケッツの側に勢いがあった。古賀のコーナーいっぱいを突いたスパイクやトムシャの2本のブロックなどで11-16から4連続得点を挙げ、一気に1点差に詰め寄る。しかし、そこから再び引き離されて、21-25で最初のセットを落としてしまう。
 「試合の入りはずっと課題にしていて、今日も集中力がなかったわけではないと思います。でも、各セットの入りも含めて、一人ひとりがギアを上げる段階で、『ここから行くよ』と、もう少し目を見合わせて、一体感を出していければ、単調なミスはなくなっていたと思います」
 山内が試合後、そう振り返ったように、この日は第1セットだけでなく、他のセットも入りが良くなかった。第2セットは4-8、第3セットは3-8でテクニカルタイムアウトを迎え、ともにタイムアウト明け直後にも失点し、さらにリードを広げられている。



 第2セットではその後、曽我のバックアタックで反撃を開始し、古賀はネットインでラッキーな形でのサービスエース。13-18からはトムシャのスパイク、山田のブロック、荒谷のサービスエースで追い上げ、曽我の連続得点でついに21-21の同点に追いついた。だが、またしても終盤に相手に逃げ切られ、22-25とセットを失うことになる。
 続く第3セットも同じような展開だった。4-10から荒谷や山内のライトからの攻撃で12-14と2点差にしたところまでは良かったが、最後まで相手を捉えられずに21-25。各セットの中盤から終盤にかけての勢いがセット序盤にあれば、と思わずにはいられない。
 リベロの小島は「今日のキャッチはそれほど悪くなかった」と感じていた。実際、サーブレシーブ成功率は小島の78.9%を筆頭に、チーム全体では64.3%と今季初めて60%を超えた。ブロックやディグについてもそれほど悪かったようには思えない。問題は、金子監督が「オフェンスが機能しなかった」と言ったように攻撃面にあった。この一戦におけるチームのアタック決定率は、今季2番目に悪い25.0%。塚田も「ミドルをうまく生かせず、サイドからの攻撃に偏って、アタッカーを1人にしてしまうことが多かった」と、司令塔としての反省を口にした。



 今節に向けては「連敗からどう立て直すかということで、サーブと、粘り強くラリーにして、自分たちで決め切ることを取り組んできた」と山内は話した。しかし、「相手のミスに助けられた場面が多く、自力で取り切った点が少なかった」ことが3戦連続ストレート負けの要因の一つになったと言えるだろう。いくらサーブレシーブが成功し、粘ってラリーに持ち込むことができても、相手のミスを待つだけではやはり限界がある。「決め切る」という点にもっとこだわり、精度を上げていく必要がある。
 それでも翌8日、交流戦最後の戦いとなるPFUブルーキャッツ戦は、ここ3戦のもやもやを吹き飛ばすような結果が待っていた。東レ戦に続く完全アウェーの中、25-22、12-25、25-20、25-14で快勝。今季8勝目を挙げ、4試合ぶりに勝ち点3を手にしている。峯村はワンポイントながら今季初出場を果たし、吉田はサービスエースでリーグ初得点をマークするなど、ポジティブな話題も多かった。小島は言う。
 「負けが続いていた中で勝ち切れたのは良かったです。出だしに自分たちのリズムで得点を重ねていければ厳しい展開でも取り切ることができます。ただ、(大差で落とした)2セット目のようなゲームをしてしまうのも私たちの力。良いときと悪いときの差が激しいのは安定感あるチームとは言えません。自分たちが我慢しなければいけないときにどのように我慢するか。突破していくためにチームで考え、詰めていかなければいけないと思います」



 課題は依然として残るものの、何はともあれ連敗を脱出したことは大きい。次節からは再びプレミアカンファレンスのレギュラーラウンドに戻り、14日は大田区総合体育館のホームゲームで2位・岡山シーガルズを迎え撃つ。サポーターの声援を力にし、前回の対戦で完敗した宿敵に雪辱を晴らしたい。





■Hot Topic 塚田しおり
 久しぶりのスタメン出場を告げられたのは、東レアローズ戦前夜のミーティングの場だった。金子監督から言い渡され、塚田は「少し緊張した」と振り返るが、モチベーションは否が応でも高まった。「ここまで澤田選手が良い試合を続けてきてくれたので、今度は自分がどうにか(連敗中の)チームを変えたいという思いでこの試合に臨みました」
 セッターとしては、「NECは真ん中からの攻撃が強み。そこを突破口にしてやっていきたい」とイメージしていた。ただ、「ラリー中にミドルの存在感がなくなってしまったり、バックローを使っても効果が上がらず、うまく真ん中のゾーンでの印象を残せなかった」と、理想とするプレーはなかなか披露できなかった。金子監督は「久しぶりに上げたわりには頑張ってくれたと思います」と話したが、塚田自身はサーブやブロックも含め、「もっとできるはず」という思いを強くしたはずだ。
 チームが苦しい状況にある中で、塚田と曽我のコンビは良い関係性を構築できている。ベンチからのスタートが多かった最近は、2人セットの〝2枚替え〟でコートに入り、少ないチャンスで得点をもぎ取る場面が何度もあった。この日も塚田は、アタッカー陣の中で最多49本のトスを曽我に上げ、曽我もチーム最多14本のアタックを決めている。
「ハルナは自分から呼んでくれるので上げやすい部分がありますし、打って決まると乗ってくるタイプなので、乗せてあげられるように丁寧なトスを上げなければいけないと思っています。後半戦に向けて、もっともっと信頼関係を作っていきたい」
 高さや経験、あるいはサーブの良さが澤田ら他のセッターとは一味違った塚田の武器である。それらを実戦の中でより発揮できたなら、レッドロケッツの総合力はもうワンランク上の高みへと引き上げられるだろう。
 
(取材・文:小野哲史)

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