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2019/12/16

試合レポート

■レッドロケッツ応援記  ~12/14 対岡山シーガルズ戦 シーズン最後のホームゲームは悔しい黒星も、今後の伸びしろを感じさせる

 10月12日に開幕した2019-20 V.LEAGUEのV・レギュラーラウンドはプレミアカンファレンス内の1、2レグ、そして交流戦が終わり、いよいよ3レグを迎えた。スターカンファレンスの6チームと戦った交流戦では3勝3敗。いまだV・ファイナルステージ進出の切符は手にしておらず、この3レグはいずれの試合もシーズンの結果に直結しうるものだ。
 そのスタートである12月14日がホームゲームであったことは、これ以上にない追い風と言えた。『ロケッツフェス』と銘打たれたホームゲームは、試合前の選手入場時に場内が暗転し、そこからスポットライトを受けたメンバーたちがコートへと駆け込んで行く。そのおなじみの演出は、選手たちの闘志をかきたてるもので、キャプテンの山内美咲は「今から戦いにいくぞ、という気持ちになる」といい、そこから赤色のスタンドを目にし「情熱的なムードが心に響くんです」とほおを赤らめる。
 高揚感の中で選手たちは臨戦態勢を整えて、ゲームへと臨んだ。



 この日の相手である岡山シーガルズには1レグでストレート負けを喫しており、その試合ではオフェンスが機能しなかった反省から「この1週間、オフェンスを中心にコンビの組み立てを意識して全員で練習に取り組んできた」と山内。アタッカー陣には「スパイクにもうひと工夫しよう」と金子隆行監督は伝えたという。
 ただ、この試合で露呈したのは「ここ最近の課題」(金子監督)でもある、ゲームの入り方の悪さ、だった。1セット目開始早々から3連続失点を許すと、3-4からふたたび3連続失点。山内の力強いスパイクや、曽我啓菜の両サイドからのアタックが決まるものの、岡山の構築するブロックとレシーブの連係をなかなか攻略できない。中盤で最大7点差をつけられる苦しい状況の中、2枚替えで投入された柳田光綺が連続得点をあげる場面もあったが、第1セットは20-25で落とした。
 続く第2セットは山内のアタックで先制するも、荒谷栞、古賀紗理那がブロックシャットを喫するなど4連続失点。リズムを掴めぬままゲームは進み、中盤ではラリー中にレシーブが乱れ、コンビが組めなくなった状況で曽我が3本目のパスを相手コートに返す際にネットにかけてしまう痛恨のミスも。手を叩き、悔しさをあらわにした曽我だったが、11-19の状況から奮闘を見せる。そこでは一旦、自分を見直すためにもコーチやチームメイトに意見を仰いだといい、その理由を「ダメなときは自分自身も何が悪いのかをわかっていないこともあるので。客観的に見て、どうなっているかを言ってもらい、改善ができた」と曽我。ライト側から曽我の切れ味鋭いスパイクが決まり、チームも5連続得点で追い上げる。しかし、このセットもサーブミスやスパイクでの直接失点が引き金となり、最後は4連続失点を許すと18-25で岡山に奪われた。



 第3セット、もうあとがない状況でチームはまず選手起用とポジションを変更する。山内に変えて柳田を開始から投入し、またS6ローテーションから始める中で、古賀をそれまでのポジション1(バックライト)からポジション4(フロントレフト)に配置。セット間にチームが確認したのは“強打で攻めよう”というもので、古賀もその意識を強めてコートに入った。



 「最初から前衛に立っていたこともあり、打つ機会も増えたので。それがよかったと思います」と古賀が振り返ったように、セットの序盤から力強いスパイクを相手コートに突き刺す。エースが繰り出す強烈な打球音に呼応して、場内の声援も高まっていく。『ロケッツフェス』の名にふさわしいムードが戻ってくると、その中で島村春世や荒谷も得点。16-15からは柳田がスパイクにサーブで連続得点をあげるなど引き離す。24-18から相手のスパイクに対してブロックタッチの判定がなされたが、チャレンジが成功し、このセットを奪い返した。
 ここから逆転へとつなげたいチームは第4セットも古賀、柳田の両アウトサイドヒッターが中心となって得点を重ねていく。中盤では最大5点差にリードをつけるなど優位にゲームを進めたが、本来の粘り強さを取り戻した岡山の反撃に会い、19-18から6連続失点。ここから「決めきれない場面があっても、それでも自分にトスが上がってきてので、最後は自分が決めたいと思っていた」という曽我が2本連続でアタックを決めたが、最後は相手アウトサイドヒッターのスパイクをはね返すことができずに21-25でゲームセット。シーズン最後のホームゲームで白星を飾ることはできなかった。



 各セットの入り方は課題として残り、また、試合後に山内が「(今日の相手を)見習いたい」と口にした“粘り強さ”も自分たちに足りていないことが身に沁みる内容。その点について曽我は、「バレーボールはボールを落とさなければ勝つ」と表現し、「執着心を持ってプレーしないといけないと今日の試合を終えて感じた」と語っている。
 その一方で、試合のハイライトだった第3セット以降のエースの躍動と、声援に後押しされて発揮されたチームのパフォーマンスは今後に期待高まるものだった。古賀の力強いプレーを「久しぶりに見たな、という感覚。気持ちよかったですね」と喜んだ山内は、「ホームゲームが自分たちの力を押し上げてくれました。力はあるので、いかにそれを発揮するために準備をして、どう試合の中でアクションに変えられるか」とさらなる成長を誓った。
 この日の試合結果を受けて、岡山のV・ファイナルステージ進出が決定。残り2枠をめぐり、レッドロケッツにとって負けられない戦いが続く。
 それでも黒星から学ぶこと、そしてホームで受けた応援のパワーがあるからこそ、まだまだ−、チームは強くなれる。



■Hot Topic 山内美咲
~キャプテン1年目、私自身が壁を打ち破ることを~
 「皆さんの声援を受けながら勝ちたい気持ちで臨んだのですが、このような結果になり悔しく思います。ただ試合は続きます。この悔しさをバネに、シーガルズさんの粘りを見習いながら、強くなりたいと思います」
 この日の試合後、真っ赤なスタンドに向けてキャプテンの山内美咲はマイクを手に声を振り絞った。会場を埋め尽くしたファンに白星を届けられなかったこと。それと同時に、自分自身に向けた悔しさで胸はいっぱいだった。
 直後の記者会見で山内は、「軸となる選手が一人でも多くなることが、いまのチームにとって必要だと思います」と唇を噛み締めながら口にしている。
 “軸となる選手”。それは彼女が今、目指している姿にほかならない。
 今シーズンからキャプテンに就任した山内。力強いスパイクと、まさにレッドロケッツのチームカラーを象徴するような明るさは彼女の武器だ。ただ、随所で見られるものの、ここ最近はそれが見られない。
 その理由を山内は「勝たなきゃいけない状況だと考えているうちに、やらなきゃ、って頭の中はそればかり。それがよくないんです」と分析。ひたすら純粋に「楽しむ!」「やってやるんだ!」「相手を倒してやる!」といった具合に心のベクトルが向けば、持ち前の弾けるプレーが繰り出せることは、ほかでもない自分がわかっている。そのことについて「そうやって考えないこと自体は自分の長所でもあり、短所でもあるんですよ」と苦笑いを浮かべるが、そこにはキャプテンとしての自覚も垣間見える。試合そして勝敗に向き合うようになった証しだ。
 黒星はやっぱり悔しい。ホームゲームならなおさらだ。その上で山内はしっかりと前を向いた。
「そこは打ち破らないといけない壁です。私が打ち破って“軸となる選手”になること、それがチームの成長にもつながると思いますから」
 にっこりと笑いながら、「苦しい時こそ耐え切れるようになりたいな」とこぼした言葉に、自分自身とチームの成長曲線が伺えた。
 
(取材・文:坂口功将)

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