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2020/01/14

試合レポート

■レッドロケッツ応援記  ~1/11 対東レアローズ戦 総力戦で持ち味発揮するも、フルセットの末に惜敗~

 いよいよ始まったV・ファイナルステージ。プレミアカンファレンスのレギュラーラウンドを3位で突破したレッドロケッツは、同1位のデンソーエアリービーズ、スターカンファレンス2位の東レアローズ、同4位の埼玉上尾メディックスと1回戦総当たりで対戦する「ファイナル8」で上位2位までに入り、25日に行われるセミファイナル進出を目指す。



 11日、ファイナル8初戦の相手となった東レには、昨季のファイナル8初戦で2セット先取してから逆転負けを喫し、今季も交流戦ではストレートで敗れている。選手たちには雪辱の思いもあったはずだ。さらに金子監督が「ファイナル8は一つ、スイッチを切り替えられるポイント。初戦は大きな意味をもたらす」と語ったように、チームを勢いづけるために是が非でも勝利を手にしたい一戦だった。
 しかし、第1セットは序盤から走られ、一度も追いつけぬままに16-25。これが今季、何度か見られた悪いときのレッドロケッツだったとしたら、ここからズルズルと第2、第3セットも奪われていたかもしれない。だが、この日は違った。



 金子監督から「ちょっと固すぎるだけ。サーブレシーブなどは悪くないので、そこは自信にしてやっていこう」という言葉をかけられた選手たちは、第2セットに入って本来のプレーを取り戻す。
 リベロ小島らの堅守からラリーを制し、澤田と島村の連続ブロックも決まって5-2。そこから一度は逆転を許したが、10-10以降は相手の強力な攻撃に耐えながら、一歩も引かなかった。古賀は「前回の対戦ではしっかり叩かれて決められるシーンが多かった印象があるので、今週はブロックの基準やディフェンスの場所取りを意識してやってきた」と話したが、その成果も随所で発揮された。荒谷はブロックやブロード攻撃で存在感を示し、粘り強く得点を積み重ねていく。20点以降の勝負所では古賀と島村がきっちり決め切り、25-23でセットを奪い返した。
 第3セットに入ると、レッドロケッツの勢いはさらに増す。古谷、荒谷、古賀の攻撃でまたたく間に3点を先取。8-6からは荒谷のブロード攻撃とブロックの後、古谷のパワフルな3本のスパイクで13-7と一気に相手を突き放した。前節に続いて起用されたスタメンで躍動する古谷は、「自分の持ち味は思い切ったプレー。中途半端に行ったら周りにも伝わるし、自分自身もスッキリしない。ワンプレー、ワンプレーに100%を出せるように意識しています」と胸を張る。



 ただ、ここからじわじわと追い上げられ、17-14からの3連続失点でついに並ばれてしまう。柳田のスパイクと荒谷のブロックで再びリードを奪い、最後はデュースの末に26-24で辛くも逃げ切ったが、追い上げを許したことで、相手に「まだまだ行ける」と息を吹き返させるきっかけを与えた面はあるだろう。中盤までに6点ものリードを作ったならば、そこからさらに点差を広げ、相手を諦めさせるような勢いを見せつけなければならなかった。
 金子監督も試合後、「相手のミスでラッキーな形でセットを取った後、勝ちが見えてくる4セット目の入りが甘かった。(勝敗を分けた)ポイントになったのは、3セット目の追いつかれたところだった」と語っている。
 島村が「4、5セット目は相手のサイドの両エースにやられた」と振り返ったように、第4セット以降は相手の力強いサイド攻撃をなかなか止められない。序盤からペースを握られ、19-25でセットタイに持ち込まれると、最終の第5セットも外国人エース・クランの高さのある強打に手を焼き、いきなり4点を先制された。「サーブレシーブが崩れてしまった」(古賀)のも、今季初のフルセットマッチということで、スタミナや集中力がやや切れかかっていたのかもしれない。その後、必死に食らいつきながら、柳田が難しい二段トスを決め切るなど、意地を見せる場面もあったが、8-15で万事休す。ファイナル8は黒星発進となってしまった。



 悔しい形での敗戦ではあった。ただ、まったく何もできず、完膚なきまでにやられたという内容ではなかった。スタメンで長くコートに立ち続けた者はもちろん、途中から出場した選手もそれぞれに自身の仕事を全うした。各セットの中盤や終盤に柳田に代わって守備固めで投入された峯村もその一人だ。
「技術的に求められているのは守備。次の人につなげられるように心がけていますし、限られた時間の中でチームが勢いづくような姿勢を意識しています」と、ベテランらしい落ち着いたプレーで貢献しつつも、チームが得点したときには満面の笑顔で若々しくコートを駆け回った。レッドロケッツが標榜する「全員バレー」をまさに体現していた。
 惜しくも勝利には届かなかったが、金子監督は選手の奮闘を讃えた。「選手は高い意識を持って、『絶対に勝つんだ』という姿勢を見せてくれた。いかなるときでも前を向いて戦ってくれたことは評価できると思います」



 ファイナル8は、獲得ポイント(勝ち点)で争われる。V・ファイナルステージ進出時に付与されるアドバンテージポイントを含め、東レは「4」、レッドロケッツは「2」となり、この日の第1試合で上尾がデンソーを破ったことで、両チームはともに「3」。つまり、4チームがポイント2差の中にひしめき合う混戦状態となっている。レッドロケッツも次週のデンソー戦と上尾戦に連勝すれば、セミファイナルに進出できる可能性が十分にあるということだ。
 この日の第2、第3セットのように良い意味でミスを恐れず、アグレッシブな戦いを展開できたとき、必ずや望む結果を手にすることができる。




■Hot Topic 島村春世
 リーグ戦が終盤に差し掛かり、1試合ごと、いや、1セット、あるいは1点の重みが増していくにしたがって、島村の存在感が大きくなりつつある。チームに故障者や調子を落とす者が少なくない中、リーグ戦の中盤以降、尻上がりに調子を上げてきた。
 昨年12月のデンソーエアリービーズ戦から7試合連続のスタメン出場。そのうち4試合で50%を超えるアタック決定率をマークし、40%を割ったのはわずか1試合しかない。「シーズン前半はコンディションが整わなかった」ため、ベンチを外れることもあり、規定打数に達していないものの、レギュラーラウンド全体のアタック決定率45.9%は、チーム内でも断トツの1位だった。
 この日の東レアローズ戦でも、得意のワンレッグ攻撃が冴えた。ライトからのオープン攻撃も含め、34打数で17得点。相手に的を絞らせず、とくに第2セットから第3セットにかけてはサイドアタッカー陣とともに攻撃の軸となった。ブロックも3本を決め、チーム最多となる20点をマークした。それでも「4セット目から相手に対応されて決まらなくなった。まだ修正できたからこそ、6、7割ぐらいの出来だと思っています」と自己評価は厳しかった。
 しかし、島村は若いチームを引っ張るリーダーとしての存在感も光った。後輩たちを安心させるために「常に笑顔でいることと、ボディタッチを多くするようにしている」という。その狙いを「口で言っても伝わったかどうかわからないことがある。体にちょっと触れることで和やかな雰囲気にもなるから」と話す。
 今季のリーグ戦もいよいよ大詰め。2014/15シーズンと16/17シーズンの2度の優勝を主力として経験している島村が、後輩たちに伸び伸びプレーさせながら、最後の大一番を迎える。
 
(取材・文:小野哲史)

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