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2020/01/20

試合レポート

■レッドロケッツ応援記  ~1/19 対埼玉上尾メディックス 今季リーグは8位に終わるも、最終戦で魅せた〝魂のバレー〟~

「明日は今季のリーグ戦最後の試合。見ている人の心が震えるようなプレーをチーム全員でやっていきたいです」
 18日のデンソーエアリービーズ戦直後、古賀が口にした言葉だ。



 V・ファイナルステージのファイナル8。レッドロケッツがセミファイナル進出を果たす(Aグループの上位2位までに入る)には、デンソーに勝利を収めるか、少なくともフルセットに持ち込み、ポイント(勝ち点)1を上積みする必要があった。
 しかし、選手たちの奮闘も虚しく、セットカウント1-3で敗れてしまう。金子監督が「自分たちがやりたかったことができた。良い入りができた」と振り返ったように、澤田のサービスエースで先制した第1セットは、「絶対に勝つ」という選手の気迫が相手を上回った。第2セットも中盤まで良いリズムで戦ったが、そこから一気に形勢を挽回されると、第3セット以降はなかなか自分たちのペースに持ち込めなかった。
 セミファイナル進出の可能性が完全に消滅した中で迎えた、リーグ最終戦となる翌19日の埼玉上尾メディックス戦だった。掲げてきた目標が志半ばで潰え、モチベーションが落ちても不思議ではない。だが、選手は支えてくれる人たちのために、そして未来の自分たち自身のためにコートに立った。山内は「リーグ戦を通して私たちが今までやってきたことを全部出し切ろうという気持ちで、チーム一丸となって臨みました」、島村は「今季の最高の試合をしようと入った」と語っている。



 第1セットこそ終盤に引き離され、20-25で落としたが、第2セットからのレッドロケッツには、一つひとつのプレーに魂が籠っているようだった。
 緩急やコースを工夫した攻撃的なサーブがチームに勢いをもたらした。荒谷のサーブで相手守備を崩し、島村がダイレクトで叩き込む。古賀と島村はサービスエースを決め、古谷と山内の力強いスパイクで一挙に16-7。相手につけ入る隙を与えず、25-16でセットを奪い返すと、レッドロケッツサポーターで埋まったスタンドからは「GO GO ROCKETS!」の大歓声が巻き起こった。
 その声に後押しされるように、第3セットも選手たちは躍動する。山内のバックアタックや古賀のサービスエースで、序盤に4点をリード。圧巻だったのは、埼玉上尾が12-8で取ったタイムアウト直後だ。相手の攻撃をしのぎ、セッターの澤田が右サイドへバックトス。ブロード攻撃に入ると見せかけた荒谷の背後から山内がサイドに流れ、ほとんどノーマークから相手コートに強打を突き刺した。レッドロケッツらしい、美しいコンビネーションだった。19-13から1点差に追い上げられたあたりは、やや冷や冷やしたものの、そこから小島らの活躍で粘り強くラリーを制し、25-23でセット連取に成功した選手たちは、実にたくましかった。



 試合後、「良いゲーム内容だった」と話した島村は、プレーしながらたしかな手応えを感じていた。「自分たちの課題だったブロックディフェンスが良い形ではまって、ブロックで点数を取れていたし、良いところでディグも上がっていた。つながりが要所、要所で出ていたと思います」
 第4セットに入ると、両チームの意地と意地がぶつかり合い、白熱したラリーが増えていく。レッドロケッツは序盤に古賀と荒谷がブロック。古谷の好レシーブは古賀が連続得点につなげた。「気持ちを込めて粘り強くプレーする」という山内の言葉がまさに体現されていた。ただ、相手も必死に食い下がってきたため、点差はまったく開かない。手に汗握る攻防が繰り広げられる中、23-23から先にセットポイントを握ったのは埼玉上尾だった。重圧のかかる次の場面で、古谷が思い切りよく放ったスパイクは、一度はブロックアウトによる得点と判定されたが、相手のチャレンジが成功。セットカウントはついに2-2となり、勝負の行方はファイナルセットへと持ち込まれた。



 第3セットの後半以降、ほとんど互角と言える内容で推移したゲームは、しかし、最終の第5セットで一気に傾く。埼玉上尾の勢いにあっという間に2-8とされ、押せ押せムードに対してなすすべがなかった。それでもレッドロケッツは諦めない。荒谷に代わって投入された上野が速攻を決めると、7-12から古谷と山内のスパイク、上野のブロック、さらに古賀も続き、一挙に1点差に詰め寄った。
「まだまだ行ける!」。選手もスタッフも、スタンドのサポーターも逆転を信じていた。だが、同点に追いつくことはできず、12-15。V・ファイナルステージは3戦未勝利のまま、試合終了のときを迎えることとなった。
 他会場の結果を含め、レッドロケッツのV.LEAGUE 2019-20 Division1の最終結果は8位。チームワーストタイとなる順位に、選手は誰一人として納得していないだろう。ただ、この日の闘志あふれるプレーぶりには、観る者の心を打つ何かがあった。試合後、サポーターから沸き起こった温かな拍手がそれを物語る。
 古賀は言った。「私たちも鳥肌が立つようなプレーもたくさんありましたし、人と人とのつながりで取れた点数もたくさんありました」
 山内も「今までストレートで負けていた上尾さんに最後まで粘り強く戦えたことは、今シーズン取り組んできたことの成果だったと感じています」と胸を張る。



 金子監督は「個々で頑張ってくれましたし、一丸となって何とかしてこのゲームを取るんだという強い執念を見せてくれました」と選手を称えつつ、今季のチームの成長についてもポジティブに捉えていた。
「私が監督になって2年目ですが、今季は自分たちでコミュニケーションをとっていくという部分で、選手たちに任せてきました。実際、ベンチでも私がいろいろ指示するよりも、私が言いたいことは彼女たちからどんどん出ていましたから、彼女たち自身でチームを作るというところは見えてきました。山内や古賀を中心に、一人ひとりが芯の強い選手になろうとしている段階ですので、これを引き続きやっていく。そして、このチームの〝チーム力〟は無限の可能性を秘めていますから、レッドロケッツがバレー界を引っ張っていける存在になれるようにこれからも挑戦していきたいと思います」



 今季のリーグ戦は全日程を終えたが、3月には皇后杯全日本選手権、5月には黒鷲旗全日本選抜大会と主要大会は続く。今季のチームスローガンである「Connect~新・信・真・心~」を改めて胸に携え、レッドロケッツは歩みを止めない。




■Hot Topic 古賀紗理那
 アタック決定率は29.3%。総得点322点は、1試合平均に換算すると13.4点。各チームにいる「エース」の中で、今季の古賀を上回る数字を残した選手は少なくない。だが、レッドロケッツのエースは、やはり古賀を置いて他にはいないだろう。
 金子監督は今季の古賀についてこう語る。「バレー界全体の古賀への期待が高いことは彼女自身もわかっていますし、数字が出るところをどうしても求められます。でも、うちのチームでは彼女には数字以外のプレーも大事だと言い続けている中で、リーダーシップを出してチームを引っ張ってくれた点は、非常に大きい評価ができます」
 そもそも今季は9月いっぱいまで日本代表として国際大会に出場し続け、休息もほとんど取れないままにレッドロケッツに合流した。「夏場に土台を作ってくれたチームメイトには感謝したい」と話す古賀は、10月から始まったVリーグでもフル回転。リベロの小島以外ではチームで唯一、全24試合にスタメン出場を果たし、ワンポイントで3回ほどベンチに退いた以外は、ほぼすべての時間をコートに立ち続けた。
 古賀には選手としてのこんな理想像があるという。「(バレーボールは)一人でできる競技ではないので、人と人とのつながりを大切にして、しっかり最後は決め切る。それが私にとっては大事だと思っています」。今季、その理想にどこまで近づけたのかを問うと、「目標に届いていないので、それほど行っていません。次のシーズンで優勝を獲り返すという気持ちでまた頑張って行けたら」と力強い眼差しで語った。
 金子監督は、エース古賀のさらなる成長に期待を込め、エールを送る。「パワフルなスパイクを求める人もいますが、やはり古賀には彼女らしく、技術力が高い緻密なプレイヤーになっていってほしい。オリンピックで活躍する可能性も十分にあると思います。あとは彼女が彼女自身を乗り越えるだけ。どこに行きたいのかという明確な目標に向かって、ひたむきに進んでいってほしいと思います」
 
(取材・文:小野哲史)

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RESULT

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V.LEAGUE ファイナルラウンド

NEC
レッドロケッツ

NECレッドロケッツ

2

vs

20 - 25
25 - 16
25 - 23
23 - 25
12 - 15
3

埼玉上尾メディックス

2020/01/19 15:00

船橋アリーナ

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