新戦力対談~張芳赫選手×松浦麻琴選手~

  info_category3.gif2010/09/27




―お2人は大学時代から(嘉悦大学→日立リヴァーレ)一緒にプレーされています。お互いの最初の印象は?
張 : 背が高かったのでセッターだと思わず、リベロの選手を松浦さんだと思って勘違いしていました。大学の中では、かなり大型セッターだと驚いたのを覚えています。
松浦 : そうなんだ。私は「中国の子が来るよ」と聞いて、1つ上にも中国人の先輩がいたので「国際的なチームだね」と周りの子たちと言い合っていた気がします(笑)。それまでのバレー経験の中で、外国人の選手とプレーをすること自体が初めてだったので、「仲良くなれるかな?」の前に「一緒にバレーができるかな?通じるかな?」という不安がありました。大学で中国語を選考していたので、調子に乗って中国語を使いましたが、全然通じませんでした(笑)。
張 : 日常会話は問題なかったでしょ?
松浦 : なかったね。でも国際化が初めてだからねぇ。最初はね、いろいろ考えたよ(笑)。

―プレーの面で、松浦選手から張選手の特徴を教えて下さい
松浦 : 背が大きい選手は単発的な攻撃が多いイメージなんですが、この人は走れるんです。サイドに入ってもブロックが高いし、ライトからでも移動攻撃ができる器用な選手だと思っていたし、今もそう思います。
張 : 今まで言われたことがないようなことを言うね。
松浦 : 調子に乗るから「言わない」と思ってたんだもん(笑)。

―では張さんから見た松浦さんの特徴は?

張 : 攻めるセッター。気が強いイメージがあります。大学や日立でも勝負の場面でトスを上げてくれるので、私もアタッカーとして頼りにしていました。
松浦 : 日立のときは、練習中にコンビが全然合わなかったよね。試合前の公式練習でも1本も合わなくて、周りにも「張と何かあった?」って心配されるぐらい。
張 : 周りは不安だったみたいだよ。
松浦 : 私たちは「試合ではできるから大丈夫だよね」と余裕があったし、実際に試合になると合う。だから本人たちは全然心配していないんだけどね。
張 : ホントに。何とかしなきゃと思うし、何とか持って行こうとお互い思うから、コンビが合うのかな?
松浦 : 信頼だね。お互いの「何とかしよう精神」が出てくる(笑)。でも、張と一緒に入ると心強いよ。たまにだけど「持ってきていいよ」とか「次は決めるから」とか言ってくれる。普段言わないから、言ってくれたときは「絶対に次は決めるな」と思って上げてきたもん。オイシイところを持って行くんだよね(笑)。
張 : そんなことないよ!(笑)。みんなが決まらなくなったら「働かなきゃ」と思って頑張るんだよ。
松浦 : 仕事屋だね(笑)。セッターとしては、そういうアタッカーは大事だよ。頼りになるからね。




―お2人とも今シーズンからNECの新戦力として加入されましたが、正式に決まったのはいつですか?
松浦 : 私は8月半ばになってからなので、まだ1カ月ぐらいです。その割に、周りからは「馴染みすぎ」と言われています。
張 : 私はそれよりも早くて、6月からチームに入りました。みんな優しいよね。
松浦 : 下の子たちも慕ってくれるし、なついてくれるから可愛い。すごくやりやすい雰囲気です。

―入るまでのイメージは?
松浦 : 私はNECに入りたかったんですが、大学を卒業するときにはご縁がなくて。今こうして入ることができてすごく嬉しいです。セッターとしてはそのチームのスタイルを第一に考えるのですが、NECのバレーはスピードバレーのイメージが強くて、実際に自分が入ってみても速さを感じるので、バレースタイルも雰囲気もイメージ通りでした。
張 : サイドには器用な選手がいて、センターは杉山さんのように大きな選手がいる。速さも高さもあるチームというイメージでした。私は高校時代から合宿でお世話になっていたので、選手の方を見て「すごいな」と思っていました。ノア(井野)とも高校の同級生で、今もバレーを続けている同級生は私たち2人だけなので、「いつか一緒にやろう」と言い合っていたんです。なかなか機会がなかったけれど、こうしてNECで一緒にできるのは嬉しいし心強いです。7年経ってやっと実現しました。

―印象が変わったことはありますが?
松浦 : チャレンジとプレミアの違いかもしれませんが、言われることがハッキリしているな、と。スギ(杉山)さんからいろいろ教えてもらっているのですが、「プレミアの試合を想定したときに、こういう攻撃は効かないよ。だったらこう回したほうが効くんじゃない?」とハッキリ言ってくれるので納得できましたが、最初は言われることのレベルの高さに圧倒されました。プレミアの意識は違うなと改めて感じましたね。
張 : チャレンジは同じチームと1回か2回しか試合をしないのに、プレミアは4回対戦しますからね。そのあたりも大きな違いだと感じます。トレーニングも厳しいので、そのお陰で今は筋肉もついて体も逞しくなって。最初はついていくのがやっとで、「そこまでやるんだ」と思うこともありましたが、上を目指すならどのチームもそれだけやっていますからね。勝つためには必要なんだなと実感しています。

―生活面も変化したと思いますが、不慣れな面はありませんか?
張 : 毎日練習でとても疲れますが、最近はやっと慣れました。
松浦 : ホント。時間があっても外に出ないよね。それぐらい、毎日ぐったり。
張 : 朝は8時ぐらいに体育館に来て、お昼ご飯を食べて、練習して、治療して、結局体育館を出るのが20時を過ぎることもあるので、帰ってから食事と洗濯をしてお風呂に入ったらすぐ寝ちゃいます。私は休みの日も寝ているけど、マコは行動派だよね?
松浦 : 渋谷も横浜も近いし、洋服が大好きなので1日休みの日は買い物に行きます。今までは往復7000円かけて東京に出てきていたので、このアクセスの良さが嬉しくて(笑)。
張 : 便利だよね。1人でプラプラするのも楽しいし。今は練習がきついから買い物でグルグル回っても疲れちゃうから、大学時代の友達とご飯を食べに行くぐらいだけど。
松浦 : バレー中心の生活ができる環境で、すごくありがたいよね。
張 : ホントに。恵まれているよね。




―では少しバレー以外の面もうかがいます。松浦さんは普段はどんな性格ですか?
張 : フワーっとして見えるけれど意外と繊細です。男っぽく見えるけど、意外と女の子(笑)。料理もうまいし、いろいろ得意なんですよ。片づけも好きだし、とても女の子です。
松浦 : 照れますね(笑)。
張 : バレンタインのときもお父さんにクッキーとかマフィンとかつくったのを、みんなに食べさせてくれて、それもすごくおいしかった。最初は「一緒につくろう」と言っていたけど、私は面倒になってやめたんです(笑)。セッターの職業病じゃないけど、人に対しても気を遣う。あ、ちょっといいこと言い過ぎたかな?(笑)。
松浦 : (笑)。コートに立ったら「堂々としていろ」と言われるので、それをすごく意識していて、周りからは「緊張しているところを見たことがない」と言われます。実際はめちゃくちゃビビっています(笑)。
張 : 意外と傷つきやすいんだよね。
松浦 : わかっているねぇ(笑)。

―では普段の張さんは?
松浦 : なつかれやすい人です。
張 : ちょっと! いいこと言ってね。
松浦 : 下の子からも、よく声をかけられるし、すごく慕われています。見た感じはすごくキリっとしていて怖そうで、話しかけにくいはずなのに。ただ、ハッキリしていて物事もズバッと言うから、張に言われても腹が立たないんだよね。思ったことをパンと言うから、「じゃあそうしようかな」と思えるし、パッと解決できる。
張 : その場で話し合って、その場で終わり、というのが好きなんだよね。
松浦 : だから引きずらないでそこで解決する。わかってくれるし聞いてくれる。私は言いやすいし、やりやすい。悪かった時は素直に謝れるし、何でもサバサバしてるよね。不器用だけど(笑)。これは隠せないでしょ(笑)。部屋も汚いし。
張 : そんなことないでしょ!ちゃんと片付けしたらキレイでしょ!
松浦 : そうね。でも私たち、下の子たちからめっちゃいじられるよね?
張 : 確かに。中国はもともと上下関係がないから、私はすごく楽。ありがたいです。




―約2カ月後には今季のVプレミアリーグが開幕します。チームの状態は?

松浦 : 監督を始め、全体的に開幕が近付いてきたムードになっている実感はあります。合宿でも課題がびっくりするぐらい出たので、それを1つ1つクリアにして試合に臨むために、全体で取り組んでいるところです。
張 : サマーリーグも課題がいっぱい出たので…。やることはいっぱいあります。

―個人としての課題は何ですか?
松浦 : 私はセッターなので、ミスのないコンビバレーを目指すことです。スパイカーが確実にヒットできるような、正確なトスを目指しています。チーム全体として速さが増した分、1本のミスで崩れてしまう可能性があるので、そこは自分が何とかしていかないといけないと思っています。
張 : 前はセンターでしたが、今はサイドにも入るのでレシーブの練習もしなければなりません。レシーブなど、今までは積極的に取り組んでいなかったこともやらなければならないので、苦手な面も向上させるために練習しています。まず前衛で攻撃を頑張って、後ろでもレシーブやバックアタックで貢献したいです。

―チーム内競争も激化していると思いますが、それぞれ「ここは負けない!」というアピールポイントは何でしょう?
松浦 : もう1人「松浦」がいるうえに、タイプが一緒なので、どうしても意識します(笑)。ヒロ(松浦寛)もヒロの良さ、アキ(秋山)さんにはアキさんの良さがあるので、自分も高さのあるセッターとして、高い位置でハンドリングを使ってトス回しができるところはアピールポイントかなぁ…。コンビバレーが好きなのでサイドだけでなくバックアタックなども絡めて組み立てるタイプなので、コンビの使い方、人を動かすコンビのパターンは自分が一番引き出しがあると思っているし、これからもっと出したいです。
張 : 後衛でもいっぱい拾います、頑張りますと言っても嘘になってしまうので、まずは後ろからの攻撃や、高さを発揮したいです。自分とカナ(内藤)さん、スギさんと並ぶと大きいし、ブロックで絞れれば後ろのレシーブ陣が少しは楽になれると思うので、身長を生かして高いところで勝負したいです。
松浦 : 2人が試合に出て公式練習でコンビが合っていなくても、心配せずに安心して下さい(笑)。
張 : そうだね(笑)。

―今シーズンの目標を教えて下さい
松浦 : まずはファイナルまで行くことです。自分が入って順位が落ちるのは嫌だし、ファイナルを目指す気持ちでいないとやっていけないと思うんです。リーグ戦とセミファイナル、ファイナルを合わせた32試合全部を戦いたいです。
張 : 出るチャンスがあれば点数を取って、チームに貢献できるように。入ってよかったと思われるようになりたいです。去年の自分よりもどれぐらい成長したか、プレーも精神面もどれぐらい成長したのかを周りの方々に見てもらうことが楽しみだし、何より久しぶりにプレミアリーグで戦えることが今からとても楽しみです。
松浦 : 私はプレミアでプレーするのは初めて。楽しみですね。
張 : 雰囲気が全然違うよ。お客さんもたくさん入るし。体育館も温かいし。
松浦 : いいね、頑張らなきゃね。




―では最後に、応援してくれる方々へのメッセージをお願いします

松浦 : 見ていただいた方に「NECに来てくれてありがとう」と思われるような、プレーを見て感動してもらえるような選手になりたいと思います。
張 : 応援してくれる人たち、みんなの期待に応えられるように自分なりに頑張るし、与えられた仕事を頑張りたいです。いっぱい応援してもらえるように頑張ります。
松浦 : たくさんの応援をいただけるとありがたいです。NECのバレーは見ていて面白い、また見に行きたいと思えるようなチームにしたいので、応援よろしくお願いします。

取材:田中 夕子
JVL承認NECW-2010-T010

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