レッドロケッツ応援記 1/9 対パイオニア戦~高い守備意識とガライの爆発力で2011年初勝利~

  info_category1.gif2011/01/11



 うまくいかないときや思うような結果が出ないとき、新しい試みで局面の打開をはかるのは、1つのセオリーである。天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権を含めれば、2010年を3連敗で終えたレッドロケッツにとって、年をまたいだ2週間は何かを変えるには絶好のタイミングだった。
 その「何か」の1つが内田とガライのポジションの入れ替えであり、山田監督は「連続失点を許す場面が目立ったことと、バックアタックの機会を増やしたかった」と狙いを説明する。2011年初戦となった8日のJTマーヴェラス戦はストレートで敗れ、効果はすぐに現れなかったが、翌9日のパイオニアレッドウィングス戦でついに待望の勝利がもたらされた。
 試合開始の直前、井野が「スタート、気持ちで行こう!」と仲間を鼓舞する。杉山と内藤は短い言葉を交わし、互いに大きくうなずき合った。自分の名前がコールされたスターティングメンバーが、控え選手やチームスタッフ1人1人とハイタッチをしてコートに入っていく。いつもと変わらない光景に見えたが、選手は立ち上がりからアクセルを全開に踏み込んだ。

 

 序盤、内藤の速攻と松浦(寛)のブロックで3-0とし、パイオニアに追いつかれた後はガライの強打と杉山の移動攻撃で突き放した。中盤に2連続失点を喫した場面では山田監督が早めにタイムアウトを要求し、直後に内藤が2本のスパイク。松浦(寛)がサービスエースを決め、得点にはならなかったが途中交替で入った滝口が果敢にバックアタックを放つなど、選手は指揮官の意図をしっかりと理解し、自分たちの役割をまっとうした。
「いいぞー、レッドロケッツ!」「このまま突っ走れ!」。25-19と理想的な形で第1セットを奪ったレッドロケッツに、応援席からも割れんばかりの拍手が鳴り響く。決して数は多くなかったものの、愛知県の西尾市総合体育館まで足を運んだサポーターのボルテージは上がる一方だった。



 松浦(麻)の2本のサービスエースで第2セットも好スタートを切ったレッドロケッツ。セット終盤まで点差が開くことはなかったが、ガライと内田の両エースを軸に、1点ずつ着実に積み重ねた。内藤のブロックなどで抜け出し、24-20としてからデュースに持ち込まれた点について、「追い上げられてゆとりがなくなった。本来ならあそこで一気に決めなければいけなかった」と山田監督は振り返る。それでも相手のミスに助けられたこともあり、27-25でレッドロケッツは何とか逃げ切りに成功した。



 この日、多彩かつ豪快な攻撃が光った中で、それらを支えたのは高い守備の意識だった。井野は言う。
「1本目のディグ(スパイクレシーブ)を意識して、年末年始から全員で練習してきました」
 リベロの井野やポイントになる場面でレシーバーとして投入される滝口はもちろん、攻撃の軸であるガライまでもが身体を投げ打ってボールをつないだ。第3セットもレッドロケッツペースで試合は推移したが、誰一人としてさぼることのない粘りの姿勢こそが、ボクシングのボディブローのようにじわりじわりと相手にダメージを与えたはずだ。この試合で9本のバックアタックを叩き込んだガライが、最後は絶妙なフェイントで締めくくって25-20。レッドロケッツは会心と言える内容で、約1ヶ月ぶりとなる勝利を手中に収めた。



 
「試合前は不安がなかったこともないけれど、ここで勝てたことはすごく大きいと思います」(松浦麻)
 パイオニアは前日まで3連勝中で、第2レグに入ってからは前回王者の東レやデンソーを下すなど、7位にいながら決して侮れないチームだった。しかもレッドロケッツとの直接対決の結果いかんでは、両チームの順位が入れ替わる可能性もあったのだ。
「サーブの精度を上げなければいけないなどの課題はまだまだありますが、今日勝てたことで選手の自信にもなります」と山田監督が言うように、プレッシャーのかかる一戦での勝利は、今後に向け、単なる1勝以上の価値を持ってくるかもしれない。次節、東京都町田市でのホームゲームを前に、レッドロケッツが確かな自信を取り戻した。

(取材・文:小野哲史)







―素晴らしい勝利でした。今日の試合を振り返っていかがですか?
チームにとってとても重要な勝利でした。今日はスパイカー、レシーバー、セッターと全員が機能していたと思います。
 
―昨日までは苦しい試合が続いていましたが、何か変えたことはあったのですか?
一番大きいのは気持ちの問題。今日は全員が勝てると自信を持ってコートに入ることができました。
 
―ガライ選手は攻撃だけでなく、守備面での貢献も大きかったように見えました。
レフトというポジションなので、スパイクはもちろん、サーブにしろブロックにしろ、オールラウンドなプレーが求められます。当然、レシーブにも参加しなければいけないので、すべてをこなせるように心掛けています。
 
―今シーズンが開幕して2ヶ月が過ぎましたが、日本やチームには慣れましたか?
試合中のとっさの場面で日本語が出てこなかったり、ついポルトガル語が出てしまったりすることもありますが、言葉は少しずつ覚えてきているので、コート内ではだいぶコミュニケーションが取れるようになりました。
 
―次節はホームゲームになります。レッドロケッツサポーターにメッセージをお願いします。
私たちが常にコートでベストを尽くしているということを信じてください。1週間しっかり調整して、ホームゲームではぜひ2連勝したいと思います。 

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