レッドロケッツ応援記 2/6 対東レ戦~成果と自信をつかんだ南国・鹿児島での11勝目~

  info_category1.gif2011/02/07



 上位4チームが一堂に会した南国・鹿児島。会場には中盤戦のカギとなるであろう、この決戦を見ようと3,800名の観衆が詰めかけ、試合開始前から熱気に充ち溢れていた。
 10勝7敗で3位のレッドロケッツと、11勝6敗で2位の東レアローズ。最高の雰囲気の中、誰よりも高いモチベーションのもと、試合に臨んだ選手がいた。レッドロケッツの司令塔・松浦麻琴だ。
「たくさんの声援があると燃えるタイプ。今日も背中を押してもらいました」
 先々週の久光製薬戦でケガをし、先週はスタメン出場を見送る形になったが順調に回復し、昨日のJT戦もスタメン出場。惜しくも1-3で敗れはしたが、1、2レグとは違うスタイルでJTに応戦、4レグ以降へ向けた手ごたえをつかんだ。
松浦(麻)だけでなく、チーム全員が万全の準備のもと、迎えた東レ戦。どちらのチームにとっても、絶対に負けたくない、負けられない試合。決戦を前に、杉山はこう言った。
「2レグで東レにいい形で勝つことができたので、相手は前回以上に『必ず勝つ』と強い気持ちを持って臨んでくるはず。相手のペースにさせないために、両エースをどう抑えるかが勝つためのポイントになると思います」
 


 まさに有言実行。
 第1セットから前後や左右、確実にポイントをついたサーブで崩し、レフトの木村、迫田に対して2枚ブロックを並べる。きっちりとワンタッチを取って、松浦(麻)がガライ、内田の両サイドやライトの松浦(寛)を絡めた多彩な攻撃を展開し、連続得点を挙げる。サイド一辺倒ではなく、ミドルの内藤、杉山もうまく使うことで相手のブロックを分散させ、ブロックが減った打ちやすい状況でスパイカーが気持ちよく打ち切る。事前の対策がピタリとはまり、まずはレッドロケッツがリードを奪う。終盤、東レに逆転を許すもすぐさま追いつき、再び粘りを発揮。ブロック、レシーブでつないだボールをリベロの井野はガライへトス。頼れるエースが大事な場面で得点し、24-23とすると、最後も木村のスパイクをブロックでタッチ、内田がレフトから決め25-23で東レを振り切った。
 続く第2セットはコンビミスから0-5と先行され暗雲が立ち込めたが、徐々に落ち着きを取り戻し、劣勢にもひるまず、攻めのサーブからチャンスを見出す。ガライ、杉山が要所でブロックを決めたことが起爆剤となり、序盤のビハインドを跳ね返し、逆転に成功。最後も杉山が木村をブロックで止め、第1セットに続いて接戦を制する。
 


 2-0とセットを先行し、油断が生じたわけではないが3セット目はミスが目立ち始める。序盤のコンビミスやサーブミス、さらにミス後に相手のサーブを返球できずエースにしてしまうなど、リズムを失う展開を招き、3セット目は大差で東レに奪われ、第4セットも先行しながら逆転されてしまう。
 13-18と東レがリードした場面で、山田監督は松浦(麻)に代えて澁澤を投入し、ライトの松浦(寛)がセッターを務める布陣に変える。交代直後、松浦(寛)はやや大きめの返球をネット際でクイックにするファインプレーを見せ、ここから再びレッドロケッツが流れを取り戻す。内藤のブロック、クイックでの連続得点から1点、また1点と追い上げる。上昇ムードになったところで、コートに松浦(麻)を戻し、今度はラリーで松浦(寛)が決める。追い上げながらも23-25で第4セットを失い、フルセットへと突入したが、流れは完全にレッドロケッツに傾いている。
「いい流れが来ているよ。5セットもこのまま行けるよ!」
最終セットのコートへ向かう選手たちに不安はなかった。


 
 ファイナルセットも、当初の狙い通り、相手の両サイドを徹底マークし、ブロックからつかんだチャンスをガライ、内田、松浦(寛)が決め切る。圧巻は9-8とレッドロケッツが1点のリードで迎えた場面だった。
内藤のクイックで待望の10点目を挙げると、攻撃がサイドに偏り始めた東レに対し、ブロックでの徹底マークからチャンスをつくり、両チーム一歩も譲らぬラリーを展開。ここで松浦(麻)は内藤のクイックを選択した。
「あそこでクイックを使うのは賭けでもあるので、内心ではめちゃくちゃびびりました。でも、カナさんを信じて上げました」
 鮮やかに決まった内藤のクイックは11-8とリードを広げただけでなく、「この場面でミドルもある」と相手ブロックに意識づけるには十分すぎるほどの効果を発した。相手のブロックに迷いが生じた隙を逃さず、松浦(麻)のトスが今度はライトの松浦(寛)へ。1枚ブロックを鮮やかに抜いて12-8。続いて「試合を通してずっとやられてきた和田選手のクイックを、最後の場面で止められたのが本当に大きかった」と試合後に杉山が振り返った内藤のブロックで13点目を挙げ、相手のスパイクミスでマッチポイントに到達。最後はガライが冷静に決め15-10。大きな、大きな11勝目を手にした。


 
 残りは10試合。
「まだ混戦に変わりはありません。1試合、1試合、すべての試合が大事な試合。目の前の試合で勝ちを取りに行きます」
 杉山の言葉にも、力がみなぎる。
 1レグよりも2レグ、そして2レグ以上に3レグはチームとしての成長を、チーム全員が感じ、共有している。夢の実現へ―。戦う覚悟はできている。

取材・文:田中 夕子
 








―脚の具合は?
大丈夫です!コンビの面で不安はありましたが、試合をやっていくうちに感覚も不思議なほど戻るもので、ゲームを重ねるうち、セットを重ねるごとによくなっている手応えがありました。今日は身体もプレーの出来も、とてもよかったです。
 
―トスワークも冴えていました
ベンチから「今はセンターにブロックが外れているよ」「ノーマークだよ」という声をいただいているので、それもプラスになっています。今日の試合は相手のブロックが見やすかったので、空いているところ、相手が外してきたところを見て、そこを積極的に使いました。
 
―JT、東レと上位2チームとの対戦でしたが手ごたえは?
JTに負けはしましたが、手応えを感じた試合でした。次は絶対に勝てると思います。
 
―先週は松浦()、秋山選手がセッターとしていい仕事をして連勝を飾りました。松浦()選手にとっても刺激になったのでは?
そうですね。2人がいい働きをしてくれたおかげで、今週は自分がしっかりやらなきゃと思ったし、休んだことで逆に責任感が芽生えました。
 
―今日の試合でも松浦()選手がワンポイントセッターとして流れを変えました
4セット目を取られはしましたが、あそこで最後にいい流れに持って行くことができたのは5セット目を戦う上で大きかったですね。みんなも4セット目が終わったときに「今の流れがいいから、5セット目もこのまま行こう」と声を掛け合っていました。4セット目の流れが5セット目につながって勝つことができたと思います。
 
―ラリー中に内藤選手のクイックを使ったのも効果的でした
あの場面でクイックを使うのは、内心、めっちゃびびります(笑)。びびって、びびってそれでも使いました(笑)。決まってよかったです。
 
―地元・九州での勝利となりました
本当によかったし、嬉しいです。ホッとしました。相手の迫田選手が地元(鹿児島)出身だったので、余計に負けられないと思って臨みました。
 
―応援して下さる方々へのメッセージをお願いします
3レグに入っていい形で戦えているのも、たくさんの方々の応援があってこそだと感じます。NECを応援して下さる方はとても熱心で、(会場が)どんなに離れていても、たくさんの方が駆けつけてくれる。ワーっと盛り上げてもらうことで、自分も盛り上がるタイプなので、いつも元気をもらっています。残り10試合しかありませんが、チーム全員で1勝でも多く勝利を重ねてファイナルに行くために頑張ります。
 
 

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