レッドロケッツ応援記 ~ 3/14 デンソー戦 セミファイナル直前に見つけた課題 ~

  info_category1.gif2009/03/16

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 レギュラーラウンドも残すところわずか2週。レッドロケッツは王座奪還を目指し、チーム力の向上を掲げる。連覇を目指すチームもあれば、四強争いの渦中で懸命に闘うチームもあり、3チームが回る過酷な入れ替え戦を回避しようと必死で戦うチームがある。
 それぞれの思惑。四強進出が決まったレッドロケッツとて、セミファイナル、ファイナルというこれから始まるいわば本当の戦いに向け、息つくわずかな暇すらない。

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  レッドロケッツの選手たちが試合に向けた練習に汗を流す頃、同じコートではトヨタ車体クィンシーズとパイオニアレッドウィングスの試合が行われていた。勝 てば四強が近づき、負ければ降格対象になりかねない。両チームの勝利への意思がぶつかり合う、熾烈な戦いをフルセットで、しかも最終セットは20点を超え るジュースで制したトヨタ車体の面々はコートで抱き合い、涙を流した。
 その姿を、レッドロケッツの選手たちはどう見たか。これから戦うデンソーも、やはり同じように四強を目指すチームである。1試合目の激戦を目の当たりに し、デンソーのセッター横山は「勝ち負けも大事だけれど、それ以上に勢いを求めた」と言う。もちろんこれはレッドロケッツも同様だ。これからへ向け、「勢 い」は不可欠な要素であることは間違いない。
 第1セット、序盤は相手のミスからレッドロケッツが連続得点を挙げ、幸先いいスタートを切る。しかし中盤、デンソーが盛り返す。開幕前から、杉山が 「チームとして“コレ”という形を持ったチームは強い。デンソーのブロックとか、コレがはまればというものを持っているチームは強いですよ」と警戒してい たまさにそのブロックが、レッドロケッツの前に立ちはだかる。中盤の連続失点でリードを失い、終盤は1点を巡る攻防が繰り広げられた。

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 15-20と5点の差をつけられた。しかもここはデンソーのホーム。レッドロケッツの不利は変わらない。だが、ここから、レッドロケッツの猛追が始まった。
 高橋の1枚ブロック、フォフィーニャのバックアタック。エンジンが加速し始めたレッドロケッツ本来のバレーが展開され始め、アウェイであるはずの満員の 観衆から「ウォー」と歓声が沸き起こる。内田のサービスエースで20-21、その後再びデンソーにブレイクされ、20-22と2点差まで詰め寄ったところ で山田監督は守備固めにレシーブの職人・中村を投入。

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デンソー細田のサーブをカットした中村の返球は、セッター秋山の頭上へピタリと返る。俗にいう「Aキャッチ」を受け、秋山の選択肢は広がる。美しい軌道で レフトへ託されたトスをフォフィーニャが決め、21-22。レッドロケッツのサーバーは松﨑。フローターで狙いを定め、相手の守備を崩したところで杉山が 主砲・シンディを連続ブロック。その後も試合は熾烈を極め、24-24のジュースへともつれ込む。デンソーはここでサーブのスペシャリスト・本田を投入。 ジャンプサーブをカットしたのはまたも中村。正確なAキャッチから、杉山のクイックでセットポイントをつかみ、最後はまたも杉山がシンディのバックアタッ クをブロックで仕留め、長いラリーを制し、苦しみながら第1セットを先取した。

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 一気に連取を狙った第2セットだが、攻めのサーブに転じたデンソーに対し、「気持ちの面で主導権を握られてしまった」と山田監督が言うように、序盤から連続失点が続き、デンソーのリードが広がる。サーブが冴えれば自ずとブロックが生きてくる。
 「サイドへの徹底マークでサイドが使えなくなり、センターも生かせなかった。攻撃が単調になってブロックにかかる。悪循環が続いてしまった」(山田監督)
終盤、有田、筒渕を投入したところで一度はリズムを取り戻し、6連続得点を挙げたが、前半の失点が響き、第2セットは16-25で失う。

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 続く第3セットもデンソーの戦略にはまってしまい、中盤に連続失点を喫する。さらに追い打ちをかけるように、プレー中の接触でフォフィーニャが足を痛 め、顔をゆがめた。緊迫した空気のなかに不安が漂う。しかし、その空気を高橋の絶妙なスパイクが断ち切る。直後、ベンチに下がったフォフィーニャが自ら交 代札を持ち、コートへ戻る。言葉ではなく背中で示す頼もしい助っ人の姿にレッドロケッツの勢いも加速するはずだった。
 だが、ここでまたデンソーのブロックが壁となり、レッドロケッツに追随の機を与えない。フォフィーニャの奮闘も実らず、第3セットも19-25で失っ た。一度相手に傾いた流れを引き戻すのは容易ではない。第4セットもデンソーがそのまま押し切り、セットカウント1-3、勝利を飾ることはできなかった。

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 「自分たちは四強出場が決まり、相手は四強をかけて必死で気力を尽くして向かってくる。負けないようにまず気持ちをつくっていこうと確認し合ったにもかかわらず、それができなかったことが最大の反省材料です」
試合後、言葉の端々に山田監督も悔しさをにじませる。四年ぶりの四強を決めたのは事実だ。だが、それはあくまで最低ラインの目標。目指す頂きはもっと、さらに先にある。やはり、息つく暇などない。
 ファイナルへのカウントダウンは始まっている。課題を糧に、悔しさをバネに。たとえこれからの戦いが、これまで以上に厳しく、険しいものになろうとも、全員の力で乗り越える。最後に、笑顔になるために。

(取材・文:田中 夕子/写真:加守 理祐、大谷 欣也)

  

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