レッドロケッツ応援記 2/13 対デンソー戦 ~敗戦を糧に得た12勝目~

  info_category1.gif2011/02/14



 混戦リーグの中では、1勝、1敗が大きな明暗を分ける。
 すべての試合が大切な1戦であり、得るべき1勝であることに変わりないとはいえ、JT、東レといった上位チームから得る1勝はチームにとって大きな自信になることは否めない。前節の東レ戦で得た勝ち星が、厳しい状況を抜けだす決定打になったわけではないが、自チームよりも上を行くチームから得た大きな勝利であることは確かだった。
 油断があったわけではない。だが、安堵が思わぬ敗戦を招いてしまったのかもしれない。内田はこう言う。
「自分たちが出さなければならない形、取り組んできたものがあったにも関わらず、相手が違うパターンで来たときに対処できなかった。対応力がないことを示した敗戦でした」
 トヨタ車体にストレート負けを喫し、迎えたデンソー戦。この1戦を勝利するために。試合前、キャプテンの内藤が発した一言が、苦しい状況に陥りそうになったチームを再び1つにした。
「仲間を信じよう!」
 今、取り組むべき試合に向けて。レッドロケッツの迷いが消えた。
 


 レッドロケッツだけでなく、デンソーにとっても負けられない試合であることを裏付けるように、第1セット序盤から1点を巡る白熱した攻防が繰り広げられる。
 ともに、絶対に負けられない試合。両者の意地と、この試合に向けて徹底して練り上げてきた対策がぶつかり合う。勝敗を分けたのは、セット終盤に繰り広げられたラリーであり、粘りの末に得点につながるプレーを見せた内田、松浦(寛)の活躍だった。
 トスを挙げる松浦(麻)はこう言う。
「コンビバレーを主軸とする以上、サーブレシーブをして、攻撃に参加する選手が絶対に狙われる。相手が潰しにくるのはわかっているんです。だからここでどう粘って、得点できるか。NECの勝敗はここにかかっているといってもいいぐらいなんです」
 3レグに入ればどのチームもデータが集まり、抑えるべきポイントが明確になる。つまり、スパイク決定率や決定本数の高いガライや内藤、杉山にはマークが厳しくなることが予想される。ここで打破するべき重要ポイントが、ガライの対角である内田と、松浦(麻)の対角に入り、サーブレシーブにも入る松浦(寛)だ。1セット目の終盤でもマークが厳しくなったポイントを外し、松浦(麻)はライトの松浦(寛)を使う。
「自分がどれだけ決められるか。重要なポジションだということを理解しています」
 相手マークの裏をかいた攻撃がキレイに決まり、勝負所でラリーを制す。「厳しい戦いになればなるほど、相手も技術や精神力を高めてくるのでそれ以上のプレーがしたかった」と松浦(寛)が言うように、終盤の厳しい場面での競り合いを守備からのリズムで自チームに流れをもたらしたレッドロケッツが競り合いながら第1セットを先取した。
 


 第2セットもレッドロケッツが序盤から主導権を握る。第1セット同様に、相手マークの裏をつく松浦(麻)のトスワークが冴え、中盤からレッドロケッツがリードを奪う。
 しかし終盤、デンソーのサーブに乱され、ピンチを招く。流れを変えようと山田監督は内田に代えて八幡を投入。期待に応えて地元出身の八幡がパンチ力を生かした攻撃で得点し、再びレッドロケッツがリードを広げる。
 通常であれば2点、3点はセーフティリードであるはずなのだが、相手にとっても負けられない試合である上、安全圏は存在しない。セットポイントからデンソーに連続失点を喫すると、山田監督は八幡に代えて再び内田をコートへ。24-18から22点まで追い上げられた状況で、内田の声がチームを救う。
「点差もあるし負けていないのに雰囲気が悪かった。『負けていないよ』と盛り返したかったし、自分が入ることで『もう一度頑張ろう』と空気を変えたかった」
 競り合いながらもガライがレフトから鮮やかにスパイクを決め、第2セットもレッドロケッツが連取。一度コートから離れた内田がもたらした「喝」はチームに勢いをもたらし、第3セットからは再びレッドロケッツが主導権を握る。「トヨタ車体に負けて、もう一度チャレンジャー精神を取り戻すことができた」(松浦(麻))というレッドロケッツの集中力は試合終了まで途切れることなく、最後は松浦(寛)がライトから技ありのフェイントを決め、3-0で勝利。前日の悔しい敗戦を鮮やかに払拭するストレート勝ちで12勝目を飾った。
 


 勝利の喜びを得たとはいえ、混戦リーグは続く。
 レッドロケッツだけでなく、すべてのチームにとって、負けられない試合をどう戦うべきか。
 松浦(寛)は言う。
「どのチームも四強入りを目指して技術力、精神力を高めてくる状況だからこそ、それ以上に向上できるように、これからの試合は1戦も落としたくありません」
 松浦(麻)の言葉にも力がみなぎる。
「チャレンジャー精神を忘れず、1戦1戦力を出し切って負けません。勝ちます!」
 残りは8試合。悲願達成に向け、すべての試合でレッドロケッツが勝利を誓う。

取材・文:田中 夕子



 
 
 



―大事な場面での出番。今日の試合はご自身としていかがでしたか?

後半で出ることが多いのでプレッシャーはかかりますが、ジャンプサーブは自分の持ち味なので思い切り打ちました。少ない出番の中でどれだけ持ち味を出せるか。今日は1本ミスをしてしまいましたが、思い切り打ってのミスだったので次につなげられるようにしたいし、次の東京大会や川崎でのホームゲームでいいプレーが見せられるように、見ている方々に勇気が与えられるようなプレーが見せられるようになりたいです。
 
―去年に比べてサーブの決定率、効果率が上がった印象があります。ご自身の出来は?
去年は緊張して何もできなくて悔しかったので…。その分も力にしたいと思ってきました。自分に与えられている重さが去年は重かったし、1年目は何もできず悔しかった分、それをバネに自分の中で克服できるようにここまで頑張ってきました。
 
―この試合では同期の松浦寛選手、八幡選手と一緒にコートに立ちました
私はヒロ(松浦)やミキ(八幡)とは試合では一緒にプレーすることができなくて、それも悔しかったし、自分だけが取り残されているような気がしていたんですが、ヒロもミキも「ナミが入った分も頑張るから」と言ってくれたので今日の試合でも泣きそうになりました。今日の2本目のサーブはアウトになってしまいましたが、同期のヒロやミキと一緒にできる少ない時間を一生懸命やりたいと思って、思い切ってプレーしました。
 
―リーグも後半戦に突入し、より厳しい場面での出場が予想されます。ご自身の役割をどうとらえていますか?
1本に対する重み、1本に対する気持ち、1点取るぞという「一球入魂」、ど根性を見せられるようなプレーがしたいです。ジャンプサーブを思い切り打つので、一緒に1点を取っていただけるよう、応援よろしくお願いします。

アーカイブ