V・サマーリーグ1次リーグリポート~現有戦力と新戦力の融合でさらなる高みへ~

  2011/07/04



 大きな収穫と今後への課題を手にした黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会から約2ヶ月。我らがレッドロケッツは、7月1~3日に岡山県の笠岡総合体育館で開催された「2011V・サマーリーグ女子大会」で、新シーズンの第一歩を踏み出した。今大会は“がんばろう東日本!震災復興支援チャリティー大会”と銘打たれ、入場料収入の一部や各チームが企画するイベントの収益が復興支援に充てられることもあり、会場を埋めたファンからはどこか温かい雰囲気が漂っていた。
 しかしその一方で、選手たちはコート上で懸命なプレーを披露した。V・サマーリーグは若手選手の登竜門としての色合いが濃く、新人やこれまで出場機会の少なかった選手が起用されることが多い。黒鷲旗以降、取り組んできたことを確認し、夏場の鍛錬期に向けて自分には何が足りないのかを明確にする。さらに監督へのアピールという側面もあるかもしれない。そう考えれば、選手の1つ1つのプレーに熱が帯びてくるのも当然であり、レッドロケッツも例外ではなかった。
 


「前回のリーグで頑張ってきた内田や松浦(寛)らが中心となって引っ張りつつ、新戦力が思い切ってやれる環境をチームとして作っていくこと。また、これまでの経験と新人の勢いやムードをどれだけ融合させてできるかがテーマでした」
 山田監督が今大会の狙いをそう語った通り、レッドロケッツは3日間、内田と松浦(寛)を軸に、張と4人の新人をスタメンに名を連ねるフレッシュなメンバー構成で試合に臨んだ。初日の健祥会レッドハーツ戦とGSSサンビームズ戦、2日目のPFUブルーキャッツ戦不戦勝の後のパイオニアレッドウィングス戦まで、すべてストレート勝ち。セッターの渡邉は「今までやってきたことが出せたこともあれば、出せないこともありました」と振り返ったが、リズムが悪い中でもセットを落とさずに勝ち切ったことは、一つの成果として見ていいだろう。大会2日目を終えた時点で、レッドロケッツは早々に決勝リーグ進出を確定させた。
 
 ただ、ブロック1位をかけて対戦した大会最終日の日立リヴァーレ戦は若い選手、特に新人たちにとっては厳しい洗礼となった。序盤は内田がバックアタック、松浦(寛)がブロックを決めて存在感を示し、「持ち味は攻撃とブロック」と言っていたセンターの大野もブロックと鋭い移動攻撃で先輩たちに続いた。しかし、徐々に流れは相手に傾いていく。日立の攻撃が勢いづいた上、レッドロケッツもミスを重ねた。セッターとアタッカーとの連携ミス、単純なダブルコンタクト、サーブレシーブも安定感を欠き、9-10から9連続失点。金子に代わって入った澁澤もスパイクを決めるも相手に傾いた流れを変えるまでには至らず、終盤に張のブロックと松浦(寛)の連続得点があったものの、16-25でレッドロケッツは今大会初めてセットを落とすこととなった。
 第2セットに入り、澁澤のフェイントや内田のバックアタックが決まるも若さゆえのミスを露呈し、ゲームの主導権は依然として日立にあった。大野は言う。
「こちらが何もできないまま、相手にリズムを作られてしまった。自分たちのプレーは後半に少し出せたぐらいで、出だしは全然できなかったことが悔しいです。昨日までは良いプレーができていたと思うので、油断した部分もあったかもしれません」



 澁澤と張の連続ブロック、内田のサービスエースなどで3-7から12-12に追いついたまでは良かった。しかし、この日のレッドロケッツにはそこから逆転する決定打に欠けていた。16-25、セットカウント0-2の完敗だった。
「コートに足がついていないというか、みんなフワフワした感じで、自分たちがやりたいことが何もできなかった。試合でできてこそ自信につながると思うので、こういう場でやってきたことを出せるようにもっと練習していきたいです」(渡邉)
 山田監督は「サマーリーグを迎えるまで、選手は自分たちで考えながら課題を挙げ、取り組むというように主体性を持ってやってきました。それをいかにゲームで出せるかと思っていましたが、やはりまだまだ力が足りない」とこの3日間を総括しながらも、「自分たちでやってきたからこそ、一番悔しいのは選手たち自身のはず。それを今後へのエネルギーにしてほしいですね」と激励の言葉で締めくくった。



 V・サマーリーグの決勝リーグは9月10~11日、兵庫県の加古川市立総合体育館で行われる。今回の1次リーグを経験した若い選手たちが、約2ヶ月後にどれほど成長した姿を見せてくれるのか。本格的な夏の到来とともに、選手たちにとっても熱く厳しい試練の時期がやってきた。


(取材・文:小野哲史)



 

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