レッドロケッツ応援記 11/28 対パイオニア戦 ~新たな戦いのスタート~

  info_category1.gif2009/11/30

 新生レッドロケッツとして挑む、これまでとは異なる特別なシーズン。それぞれが熱い思いを抱き、2009/10シーズンの開幕を迎えた。

 地元・東京での開幕とあって、試合前から赤い応援ボードを持った多くの方々が集まり、レッドロケッツに声援が送られる。
「頑張れ」
 最もシンプルで、力強い言葉。ある者にとっては初めてのシーズンを、またある者にとってはこれまで培ってきたものを遺憾なく発揮するためのシーズンを、そしてまたある者にとってはこれまでとは全く異なる立場で迎えるシーズンへ送られる熱いエール。
1年に一度、今だけの大切なとき。レッドロケッツにとって、また新たな瞬間が幕を開けた。

 対する相手はパイオニア・レッドウィングス。外国人選手はいないが、豊富な経験を持つベテラン選手を多く擁した「百戦錬磨」の相手である。誰にとっても独特の緊張を伴う開幕戦であることに変わりはない。だが、新生レッドロケッツとして次なるステージへの到達を目指す特別な緊張が伴ったのは確かだ。
 第1セットの立ち上がり、レッドロケッツは杉山、松﨑ら試合経験に長けた選手たちが得点源となり試合を盛りたてる。さらにコート後方からは「NECの井野として、チームを支える立場になりたい」と今季から加わった頼れる新戦力・井野がレシーブと声でチームを後押しする。



 レシーブからのコンビ、ブロックからの切り返し。前半からリードを保ち、レッドロケッツは上々の立ち上がりを見せたかに見えた。しかし、甲子園のマウンドに「魔物」が棲むと言われるように、やはり開幕戦のコートには目に見えない「魔物」が存在する。ルーキーながら開幕戦のコートに立ち、ハツラツとしたプレーでチームを盛りたてた八幡だが、対する相手、パイオニア・レッドウィングスのベテラン選手のプレーに圧倒される場面もあった。
「自分たちは1点1点にバタバタしてしまったのに、相手はベテランも多く動じなかった。ココというところできっちり点を取ってくるところはさすがだと思いました」



 サーブで相手を崩しながら、ラリーを展開しながら、あと1点、ココという場面での1ポイントを手にすることができない。
 杉山は言う。
「若い選手が多いということは原因ではないんです。ただ、追い上げられて点差が詰められると『どうしよう』と全体が浮き足だってしまって、踏ん張ることができませんでした」
 大量に得ていたはずのリードがみるみるうちに縮まる。そうなれば、試合巧者の面々が揃うパイオニアが一枚上だった。
「スパイクコースの打ち分け、強弱の付け方、勝負どころのポイントの取り方を相手はよくわかっていました。競り合いの中でどう点を取るかということに関しては、相手のほうが1枚上回っていたかもしれません」
 山田監督が思わずそう認めざるを得ないほど、相手は一瞬のポイントを逃さず攻める能力に長けていた。コートに立つ者にとっても「まさか」の瞬間を隙なく攻め込まれ、セットを優勢に運びながらも逆転負けを喫した。
「開幕戦はやはり特別。絶対に勝ちたい試合でした」
 山田監督も、悔しさに唇をかみしめる。よもやの惜敗に、まだ1戦とはいえ選手たちの表情も険しい。
 しかし、うなだれてばかりはいられない。何しろ、リーグ戦はまだ始まったばかりなのだ。苦しいスタートとはいえ、これまでやってきた成果、チームとして取り組んできた結果が出されていないわけでは決してない。
 ブロックフォローからの粘り。ポイントを狙ったサーブ。意地と、意思を込めたプレーの全て――。
「自分たちが取れているセットでは、これまでやってきたことが出せている。それをいかに継続するか。それが、これからの課題だと思います」(秋山)
「試合のなかで臨機応変に対応できずに連続失点が続いたのは確かです。でも、コートに立てばベテランも若手も関係ないし、これからのチームを支える選手が活躍していることも確か。あとは結果を出せるように、ここという時の一本を決められるようになるか。勝つのは簡単ではないからこそ、今この状態をどう打破できるかがとても大切なんです」(杉山)

 数字を見れば、確かに開幕連敗スタートではある。
 だが、悲観しないでほしい。新たな芽が、新たな形がここから確かに芽吹こうとしている。長いリーグ戦は、まだ始まったばかり、そしてその長いリーグを、新たなこのチームは戦い始めたばかりにすぎない。

(取材:田中 夕子)

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