レッドロケッツ応援記 ~2/12 対岡山シーガルズ戦 全員が想いを一つに、待望の今季初勝利!~

  info_category1.gif2012/02/13



 内田の丁寧なつなぎから、松浦(寛)が柔らかいトスを上げる。右サイドに回りこんだ杉山の、この日チーム最多となる22点目のスパイクが矢のように突き刺さった。マッチポイントはレッドロケッツらしい速いコンビ。会心のストレート勝ち!
 コートで戦った者たちは誰彼構わずに抱擁し合い、ウォームアップエリアで祈るように戦況を見守っていた選手の中には涙を流す者もいた。開幕から約2ヶ月、前節までの14試合の焦り、不安、屈辱感、重圧…。敗れるたびに膨らんでいくそれらを自らの強い気持ちで打破し、15戦目にしてつかんだ今季初勝利だった。


 
 山田監督は安堵の表情で試合を振り返る。
「サーブレシーブの安定が、オフェンスが機能したことの要因だと思います。ブロックとレシーブの関係性もほとんど崩れませんでしたから、好守両面で終始、優位にゲームを進めることができました」
 そして何よりコート上の選手たちは、いつも以上に心から楽しんでプレーしているように見えた。もちろん、第2セット半ば以降はリードできたという状況が、精神的なゆとりを生んだ部分もあるだろう。気分が乗っていたからこそ、難しいプレーも得点に結びつけてしまう勢いがレッドロケッツにはあった。
 そういう意味で結果に大きく影響したのは、終盤まで一進一退だった第1セットである。「いつか結果が出せると信じてここまでやってきた」と話すモルナールが口火を切ると、内田や内定選手の近江も続く。ピンチサーバーで起用された金子はサービスエースでベンチの期待に応えて見せた。岡山の粘りもあって点差が開くことはなかったが、レッドロケッツの集中は最後まで途切れなかった。22-22から杉山、内藤らのセンターコンビの活躍で抜け出し、25-22で最初のセットをつかんだのである。



 第2セットは立ち上がりに4連続失点などでややもたついたものの、7-9から内藤のブロックなどで一気に逆転すると、そこからは完全にレッドロケッツのペースだった。内田の絶妙なフェイントとサービスエース、「昨日がダメだったにもかかわらず、スタメンで使ってもらったので、その分を取り返すつもりだった」と意気込んでいた近江は難しい2段トスを豪快に決め切った。最後は交替で入ったばかりの張がライトから締めくくり、結局、このセットは25-16で奪った。



 第3セットを迎えてもレッドロケッツの勢いは止まらなかった。ベンチスタッフからも「攻めていくよ!」という声が選手の背中を後押しする。井野の安定したレシーブと松浦(寛)の多彩なトスワークで、攻撃陣はそれぞれに持ち味を発揮していった。杉山の速攻と近江の強打、内田はレフトからもライトからもスパイクを突き刺し、内藤はブロックで相手の前に立ちはだかった。セット半ばからは3連続、4連続と得点を積み重ね、着実に点差を広げていく。安定感という点で定評のある岡山のミスが珍しく目立ったのも、レッドロケッツの攻撃的な姿勢が相手に見えないプレッシャーを与えていたからに違いない。25-19。
 この瞬間が訪れることを信じて加古川市立総合体育館に駆けつけたサポーターは、赤く染めたスタンドで喜びを爆発させた。
 


 試合後のヒーローインタビューで内藤は胸を張った。
「今日から3レグのスタート。何とか1つでも多く勝ちたいという気持ちで戦いました。残りの試合も今日のように挑戦していきたいと思います」
 たかが1勝かもしれない。しかし、この1勝がなければ、決してその先はない。苦しんで苦しみ抜いてようやくつかんだ勝利だからこそ大きな価値がある。
 山田監督は今後に向け、「NECの力になっていくような試合をしていきたい」と静かに語った。シーズンは試合の細切れではなく、すべて線でつながっていく。当然、2レグまでの14連敗をすべて忘れて、というわけにはいかないだろうが、3レグ初戦の勝利で選手たちが自信を取り戻したのは間違いない。
 残り6試合、レッドロケッツは前だけを見据え、最後の最後まで戦い抜く。



取材・文:小野哲史








――待ちに待った今季初勝利です。試合を終えての感想は?
ここまで長かったです。でも、いつもやられていた反省点を、今日はたとえミスがあっても誰かがカバーできていたと思います。
 
――何が勝因になったのでしょうか。
徐々に良くなっていることは自分たちでも実感していましたが、それを良い試合だけで終わるのではなく、“勝たなければ意味がない”というのをみんなで意識していたからです。本当に勝ちたい、ただそれだけでした。
 
――井野選手ご自身のプレーに関して今日はいかがですか?
まだまだですね。ただ、選手だけでなく、スタッフも毎試合、一生懸命データを取ってくれて、その中でいろいろな指示をしてもらっています。自分たちが良いプレーをできたのも、スタッフを含めてチームで一丸になれたからだと思います。
 
――チーム全体が楽しんでいるように見えました。
監督から試合前に自分たちで雰囲気を作っていくようにと言われていました。
 
――今日の試合であえて課題を挙げるなら?
今日はサーブレシーブが安定していたので、NECらしいコンビバレーができましたが、サーブレシーブが崩れる場面も少しありました。そういうところはまだ改善していかないといけないですね。
 
――次戦以降の抱負を聞かせてください。
本当にこの1勝までが長かったのですが、ここで終わりではないですし、残り全部を勝ちに行くという気持ちでいます。今日だけは喜びに浸りたいですけど、また明日からは次の試合に向けてしっかり準備していきたいです。


 

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