~2012 V・サマーリーグ決勝大会レポート~成長した「チーム力」で連覇を達成!

  info_category1.gif2012/09/10

 
 昨シーズンの反省を糧として、夏場の鍛錬期は苦しい練習を重ねてきた。その成果を発揮する場が、サマーリーグ決勝大会。昨年のサマーリーグで12年ぶり2回目の優勝を果たし、今回は連覇を狙う大会ではあったが、意味合いは全く違うと、山田監督は言う。
「去年は若手主体で臨み、結果として勝つことができましたが、リーグに入るとまた別のメンバーが主力となって戦うことになりました。“総力戦”であるのは昨年も今年も変わりませんが、今年は昨年以上に『今いるメンバーでサマーリーグも、(V・プレミア)リーグも戦い抜く』と明言していますし、リーグに向けたプロセスの1つとして大会を迎えました」


 
 東部予選を1位通過し、決勝リーグの初戦はトヨタ車体クインシーズと対戦した。プレミアリーグ勢同士の大事な初戦であったが、2セットを先取したにも関わらず、ジュースとなりながら勝てるチャンスが何度もあった第3セットを失うと、完全に流れが相手に傾き第4セット・第5セットも連続で失いフルセットで敗退。松浦が「勝ち試合を、みすみす相手に渡してしまった」と振り返るように、悔いの残る1敗となった。
しかし、その敗戦がもたらした効果は大きく、決勝リーグ2試合目の岡山シーガルズ戦ですぐさま成果となって現れた。松浦はこう言う。
「(トヨタ車体に)負けたことで、チームの危機感が高まり、勝つためにどうしなければならないか。それぞれがもう一度役割を確認し合った結果、シーガルズ戦ではリードされても焦ることなく『熱くプレーをしながらも、冷静にやっていこう』と声を掛け合うことができました。優勝決定戦に進めたこと以上に、苦手意識のあった相手に対して3-0で勝てたことが、チームの自信につながりました」
 どんな試合であれ、負けることは悔しい。だがそこから何を学び、次にどう生かすか。悔しいフルセット負けがもたらした効果は、久光製薬スプリングスとの優勝決定戦でも如実に現れていた。
 


 第1セットから、セッターの松浦は積極的にセンター線の島村、大野にボールを集める。。松浦は全体の組み立てを意識し、「相手ブロッカーを見るばかりでなく、どこを使えば効果的に(攻撃が)回るかを考えながらトスを上げた」と言い、島村が「センター線が機能しなければサイドが厳しくなる。(対角に入る)大野と『自分たちからトスを呼ぼう』と話し合って臨んだ」と振り返ったように、互いのポジションからチームの勝利のためにどんなプレーを選択することが効果的か考えて臨んだ結果、チームにリズムをもたらした。センター線が相手の意識を引きつけることで、サイドの八幡、近江、白垣も機能し、得点を重ねる。攻撃陣だけでなく、リベロの滝口も相手の強打を立て続けに拾い、流れを引き寄せた。
「昨年まではノアさん(井野選手)が出場していたため、同じリベロのポジションとして正直自分の出番も限られていて、できることがなかなか見つけられず葛藤したこともありました。でも今年はやってやろうという気持ちも強かったし、サーブレシーブ、スパイクレシーブの練習を積み重ねてきました。自分だけでなく1人1人がここまでつらい練習を重ねてきたので、何とかその成果を発揮したいと思ってプレーしていました」(滝口)
 幸先よく第1セットを先取したが、第2、第3セットは久光製薬が連取。追う展開が続く中でも、焦ることはなかった。劣勢で迎えた第4セットは、山田監督が「今や攻守の要と言ってもいい存在」と称賛する近江が攻撃面でチームを牽引する。相手ブロックを見てコースを打ち分けるスパイクに加え、バックアタックも織り交ぜた巧みな攻撃で次々に得点し、再び流れを引き寄せる。
さらに第4セットからライトに入ったキャプテンの内田も、安定感の増したプレーで着実に得点し、チームを勢いづける。島村の連続得点で第4セットをもぎ取り、試合はフルセットへと突入した。


 
 両チームへの歓声に沸くなかで始まった第5セット、八幡の活躍で5-2とレッドロケッツがリードするも、久光製薬も水田、筒井、村田の攻撃ですぐさま反撃、中盤には7-8と逆転されてしまう。レッドロケッツも内田のスパイクなどで追い上げたが、久光製薬が先にマッチポイントに到達。12-14と崖っぷちまで追い込まれたレッドロケッツだが、ここで流れだけでなく勝利を引き寄せたのが島村だった。
レッドロケッツが1点を返し、13-14。久光製薬のリードが続く。ここで松浦は、ライトに走った島村へトスを上げ、得意のブロード攻撃を叩きこむ。だが久光製薬もレシーブで返し、再びボールはレッドロケッツのコートへ。
「セッターが前衛にいたので、攻撃は2枚。絶対に落とせないところだったので、打てるボールは全部打とうと思っていました」
 ライトから再びセンターへ走り込んだ島村が松浦のトスを呼ぶ。鮮やかなBクイックが決まり、14-14。第2セットに続いて、ジュースへともつれ込む。互いの意地と意地がぶつかりあうシーソーゲームに決着をつけたのは、頼れるキャプテンだ。近江のスパイクで17-16とすると、最後はライトから内田が決め切り、18-16。2時間を超える大激戦を制した。


 
 嬉しい勝利ではあるが、これはあくまで通過点に過ぎない。山田監督も「すべては、リーグで去年の悔しさを晴らし、立て直しを図るための経過点の1つに過ぎないと捉えています」と言うように、あくまで目標はV・プレミアリーグでの勝利であることを、監督だけでなく、選手たち自身が強く感じている。
 サマーリーグの最優秀選手に輝いた島村が、力強く言った。
「去年は(サマーリーグを)勝ったことで、気持ちが緩んでしまった部分もありました。でも今年は違う。全員が同じ方向を向いて、もう一回気を引き締めてみんなで戦おうと、いい刺激と自信が加わりました」
 すべては、来る時のために。進化と成長は続く。まだまだ、スタートはこれからだ。




 
 

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