レッドロケッツ応援記~12/1 対久光製薬スプリングス戦 全員の力を結集し、敵地で快勝~

  info_category1.gif2012/12/03

 試合前のウォーミングアップの段階で、昨シーズンとはどこか違う雰囲気を感じた。1人1人の動きや、やっていること自体に大きな変化はないのだが、これから迎える戦いを楽しもうとする純粋な想いが、選手たちの表情に浮かんでいたのだ。先週11月25日に今季初黒星を喫し、この日は相手のホームゲーム。プレッシャーがかかるであろう状況を、選手たちはむしろ歓迎するかのように汗を流していた。



 内田は言う。「久光製薬への大声援を自分たちの応援に代えて勝ちに行こうと思っていました」
 リーグ戦初スタメンでリベロに入った鳥越の正確なサーブレシーブから島村の速攻で先制。近江、杉山、イエリズ、内田もそれぞれ得意の攻撃で続き、最初のテクニカルタイムアウトの前に、アタッカー全員が得点を挙げたあたりは、レッドロケッツが良いリズムで試合に入ることができた証と言える。第1、第2セットともに立ち上がりこそ互角だったが、徐々に主導権を握っていったのはレッドロケッツだった。
「うちのキャッチがすごく良くて、私の思う通りにトスを上げることができました。やっていて楽しかった」(松浦)
 第1セットは18-14から3連続失点を喫する場面があったが、「自分の持ち味はパワー。力強いスパイクが武器」と語る島村の攻撃で悪い流れを断ち切ると、杉山の一人時間差、近江の巧みなスパイクで突き放した。
第2セットもイエリズのサービスエースと近江のブロックで抜け出し、セット終盤に入ってからは近江や杉山のブロックが炸裂。第1セット同様、25-20でこのセットも奪っている。



 その勢いのまま一気に行きたい第3セット、しかし、ここまで開幕4連勝中の久光製薬も黙って引き下がりはしなかった。ホームで戦う意地もあっただろう。レッドロケッツはイエリズのバックアタックや杉山のブロード攻撃が随所に決まったが、セット序盤と中盤の2回の連続失点が結果的に響いた。15-20から内田のスパイクで追い上げ、交替で入ったばかりの白垣がレフトから決め1点差まで詰め寄ったものの、このセットは21-25で押し切られてしまう。
「1本ずつ行こう!」。レッドロケッツの選手たちはそう声を掛け合って第4セットを迎えたが、圧倒的な声援に後押しされた久光製薬はまたしても攻勢を仕掛けてくる。このセットのスタートから起用された秋山のトスから近江のスパイクや杉山の連続得点が決まっても、3点前後の点差がなかなか縮まらない。一旦は13-13に追いついたが、そこから再び引き離されてしまった。八幡を投入し流れを変えたいレッドロケッツは、イエリズの強打と島村のサービスエースで2点差に。それでも20-23と絶体絶命の状況に変わりはなかった。


 昨シーズンのレッドロケッツなら、ここであっさりとセットを失い、追い詰められた雰囲気のままファイナルセットに突入していたかもしれない。しかし、今のチームはあの頃のチームではない。諦めない気持ちが選手自身を奮い立たせ、気迫のこもったプレーが逆に相手にプレッシャーをかけていく。杉山の移動攻撃と内田のスパイクで22-23。久光製薬のタイムアウト直後にセットポイントを握られたが、島村のブロード攻撃と長いラリーからの内田のスパイクで、ついにデュースへと持ち込んだ。
 ここからの攻防で、会場の佐賀県総合体育館は俄然ヒートアップする。内田とイエリズのスパイクで相手のセットポイントを凌いだレッドロケッツと、島村のサービスエースとイエリズのフェイントでつかんだマッチポイントを凌ぐ久光製薬。こういう場面で勝負を分けるのは、技術や戦術ではなく、「絶対に勝つ」という強いメンタリティーである。それを持っていたのはレッドロケッツだった。29-28から百戦錬磨のベテラン杉山が鋭いブロード攻撃を相手コートに突き刺し、熱戦にピリオドを打った。
 全員バレーという言葉がふさわしい価値ある勝利だった。「苦しい試合だったが、選手たちがよく頑張ってくれた」と選手を讃えた山田監督。この日、18得点を挙げた島村や守備で貢献した鳥越ら、台頭してきた新戦力を評価しながらも「スタートで出る選手も控えの選手も同じレギュラーという気持ちでやらせています」と、まさにチーム一丸で戦っていることを強調した。
 試合前日が誕生日だったキャプテン内田には、夜にケーキを囲んでささやかなお祝いをしたという。松浦は「今日は絶対4勝目を挙げて、キョウさんの背番号『4』のポーズで勝利写真を撮りたかった」と語っていた。そのあたりにも、チームの今の雰囲気の良さがうかがえる。





 翌2日のデンソーエアリービーズ戦でも、ストレートで快勝したレッドロケッツは、5勝1敗として首位に立った。まだまだシーズン序盤ではあるが、勝つたびに自信を深めている選手が、実に頼もしく見える。
取材・文:小野哲史
 



――今日のご自身のプレーを振り返ってみて、いかがですか?
監督からは、相手のフェイントを拾うことが使命と言われていました。とにかくがむしゃらに上げることだけを考えてプレーしました。この日、十分な対策はしていたので、相手の攻撃も読めたし、動くこともできたと思います。
 
――リーグ戦初スタメンということで緊張はなかったですか?
本当はとても緊張していました。でも、コートに入った以上はやるしかないですし、緊張のせいでいつものプレーができなかったらそれが周りにも伝染すると思ったので、そこは心を決めて臨みました。
 
――いつの時点で今日のスタメンが決まったのですか?
正式に決まったのは試合前です。ただ、先週の試合が終わった時点で、次からはピンチサーバーではなく、リベロとして登録するから準備しておくように言われていました。
 
――今のチームの雰囲気は?
みんなの表情が昨シーズンより良いと思うし、苦しいときでもお互いの顔を見合って乗り切ろうという感じがあります。すごく良い雰囲気ですね。
 
――この1年間でどういう部分が成長したと感じていますか?
キャッチやディグで反応するために足首の柔軟性を高めるなど、いろいろと工夫したり、キャッチでたくさんの数をこなしてきました。まだまだ課題は多いけれど、去年よりは成長しているかなと思います。
 
――ファンの方にメッセージをお願いします。
まだシーズンは始まったばかりですが、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきます。熱く温かいご声援、よろしくお願いいたします!

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