レッドロケッツ応援記 ~2/3 対パイオニアレッドウィングス戦 苦しいフルセット勝ちで得た教訓~

  info_category1.gif2013/02/04

 苦しい試合には、いくつものパターンがある。
 たとえば、自分たちのやるべきことができずにいる試合。たとえば、相手が絶好調でどうにも手がつけられない試合。
 後半戦を迎え、三度目の対戦となったパイオニアレッドウィングス戦は、勝利に向けた強い意志を集結してきた相手にペースを握られ、なかなか流れを引き寄せることができないまま、同じパターンで失点を喫する。レッドロケッツにとっては我慢を強いられる、実に苦しい試合展開となった。


 
 苦しい状況を招いた原因はいくつもあるが、山田監督はあえて1つの要因を挙げた。
「1、2レグの対戦で相手が粘り強くつないでくることを熟知していたことに加えて、自分たちは『必ずこの1本で決まる』という決め手がない。その結果、余計に『ラリーに持ち込んじゃいけない』と気負ってしまい、非常に雑なプレーが目立ちました」
 スタートセットが重要だと意識していたが、第1セットを失ったことも相手に流れを与えてしまった原因だ。何が悪い、と決定的な理由はないのだが、なかなか波に乗れずにいたレッドロケッツを立て直す一因となったのが、ミドルブロッカーの島村だ。
 セッターの松浦が「積極的に使った」と言うように、前半からクイックを多用し、第2セット以降はブロックの枚数も増えていく。それでも島村からトスを呼び、警戒する相手の上から、時にはブロックを弾くような力強いスパイクを次々に叩きこんだ。
 トスを託した松浦はこう言う。
「3レグ初戦の岡山戦でフルセット負けをして、1人1人が『ああすればよかった』と悔いを残していました。負けたことは悔しかったですが、その結果、全員が『もう同じ結果にしたくない』と積極的に動いていた。島村はもちろんですが、ラリー中にトスを呼ぶ声は、今まで以上に多く、大きくなっているのを感じました」
 劣勢から第2セットを逆転で奪取し、第3セットも連取。セットカウントを2-1としたが、第4セットは後のないパイオニアがメンバー交代で立て直しを図り、両チームともに2日続けてのフルセットを迎えた。
 


 もつれた試合を象徴するかのように、第5セットも互いが得点を取り合う。6-6と同点の場面で、パイオニアはミドルの森谷がライトに走り込んでフェイントを落とす。空いたスペースに、リベロの鳥越が飛び込んだ。
「リベロとして入る以上は、サーブレシーブはサイドのキョウさん、アカリさんを助けること、フェイントボールを絶対に落とさないことが私の役目。絶対に拾おうと必死でした」
 鳥越がつなげたボールを、ネット上の押し合いで近江が相手コートにボールを落とす。この1点を機に、7-6と1点をリードしたレッドロケッツに、ようやく流れが傾いた。
 イエリズが高い打点からスパイクを叩き込み、8-7とすると、立て続けに連続ブロックで10-7。山田監督も「途中から立て直してくれた」と称賛したイエリズの活躍で、一気にリードを3点に広げる。
 そして、決定打はピンチサーバーとして登場した金子だ。
「速い軌道のサーブは、相手の正面に打てば拾われてしまうけれど、人と人の間に打てば崩すことができる。いつも通り打てばいい、と思い切り打ちました」
 終盤の緊張感が漂う場面でも、冷静に狙いを定めたサーブがサービスエースとなり、一気に勝利が近づく。最後は松浦が足でつないだボールをレフトからキャプテンの内田が空いたスペースに押し込み、15-10、粘るパイオニアを退け、苦しみながらも勝利を収めた。


 
 2レグを全勝し、単独首位で前半を折り返したことは素晴らしい成果なのだが、勝てば勝つほど「負けられない」とプレッシャーも生まれる。
 苦しんで、苦しんで得た13勝目は、ただ勝ったという喜びだけでなく、これからを戦ううえで最も大切なことを教えてくれたと山田監督は言う。
「あくまでチャレンジャーとして。たとえ苦しい時でもそれをいかにプラスにできるか考えながら、優勝するチームとなるために、どんな時もNECらしく戦い抜きます」
 いよいよ勝負は後半戦へ。試合でつかんだ課題と成果を力に変えて、チャレンジャーとして一戦必勝を誓う。
 



――連日のフルセットですが、今日の勝因は?
昨日(対岡山戦)は5セット目だけで5本、試合を通して25本のミスをしてしまい試合を落としました。まずはミスを減らすこと、1点の重みを意識して、1セット目から集中することを心がけました。終始相手のペースで進む苦しい展開でしたが、必ずお互いに「ありがとう」を言う事、たとえ点数を離されても絶対に気持ちを引かないように全員が意識していました。
 
――特にセンター線を効果的に使っていましたね
高さを生かすためにセンターを使うのが私の持ち味だと思うので、序盤から積極的に使いました。相手もセンターが多いと意識している中でも、スギさんや、島村がいいクイックを決めてくれたので助けられました。
 
――相手にリードされる場面も多くありましたが、立て直すことができた要因は?
同じパターンで失点していたのをわかっていても止められず、苦しい時が多かったですね。それでもタイムの時に「ワンタッチボールはしょうがないから、抜けてきたボールを拾おう」と確認し合うことができました。途中でレシーブ位置を変えたり、対策した部分もありましたが、修正できた部分とできない部分があり課題の残る試合でした。ずっとパイオニアペースで進んでいましたが、最後に流れが来て勝ち切れてよかったです。
 
――3レグに入り、どのチームにとっても厳しい試合が続きますが、今日のような勝利は大きいのではないでしょうか?
そうですね。昨日岡山にフルセットで負けたからこそ得られたものが多かったし、それが今日の結果につながったと思います。負けるのは悔しいですが、2レグを全勝で来ていたので、ここで負けて、気持ちを新たにできたことは、すごくよかった。絶対に四強に入りたいので、上位チームとの対戦以外は特に負けられないという意識があります。そういう意味でも、今日の勝ちは本当に大きいですね。
 
――では後半戦に向けて抱負をお願いします
クイックを使えることが自分の強みですが、そこにプラスしてカバー力があれば、もっとチームは楽になると思うので、カバー力を身につけることが一番の課題です。一戦一戦勝ちにこだわって、絶対に負けない気持ちを持ってチーム一丸となり、どの試合も勝ちに行きたいです。




バレーボール
 

このレポートの試合

2013-02-03 パイオニアレッドウィングス ○ 3-2 ●

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