山田監督×内田キャプテン 2013/14V・プレミアリーグ開幕直前対談

  info_category3.gif2013/11/27



昨季は届かなかったリーグ制覇。あの悔しさを胸に秘めたレッドロケッツは、11月30日に開幕する2013/14V・プレミアリーグに向け、厳しいトレーニングを重ねてきた。山田監督と内田キャプテンが、ここまでの取り組みやリーグ開幕を前にした思いを語った。


山田 晃豊
Akinori Yamada
監督

内田 暁子
Akiko Uchida
キャプテン


――今季はどんなチームスローガンを掲げていくのでしょうか?
内田 『One NEC~Top One~』というスローガンを掲げました。グリーンロケッツも含めてNECグループ全体と私たちが一つになり、お互いのエネルギーを出し合って戦っていこうという思いを込めています。また、「Top One」には頂点を極めるという意味があり、チーム一丸となって今リーグの頂点を目指していきたいと思っています。
 
――夏場以降は主にどんな練習をしてきたのですか?
山田監督 トータルバレーボールをテーマにしていますから、全体的な底上げを図ってきました。その1つとして、ポジションの枠を超えて、各選手が様々な役割をこなせるように、個のプレーの幅を広げようとやってきました。それを技術的、戦術的に高いレベルで合わせ、チームになった時に全員守備、全員攻撃として機能すると考えたからです。とは言え、いきなり高いスパイクや強いスパイクを打てるようになったり、守備範囲が一気に広くなったりはしません。今の身体能力の中で、どれだけ技術や戦術の考え方を伸ばせるか。そこで、ウォーミングアップからサッカーやラグビーといった他の競技の動きを取り入れるクロストレーニングを行ってきたのですが、ステップワークや目の使い方、決められたルールの中でどう連動するかなど、いろいろな狙いがありました。
 
内田 たとえばサッカーをやっても、最初は小学生みたいにボールに集まってしまうのですが、だんだんパスをつないだり、良いシュートも打てるようになって、みんながだんだん上手くなっていくんです。スペースを見つけたり、相手の動きを予測したりとバレーにも生かせる部分がありそうだなと感じました。それに、これまであまりやってこなかったトレーニングなので新鮮でしたし、ハードワークでありながら頭も使うので、見た目以上に大変でした。
 
山田監督 こうしたトレーニングは以前もやっていたのですが、どうしてもレクリエーションで終わってしまうことが多かったのです。それをもう一段階、目的意識を高めて、ガチンコで勝負するような練習に持って行きたかったわけです。負けたら罰ゲームもありますから、選手は楽しい中にも真剣にやっていました。
 
――先ほどの「ポジションの枠を超えて」とは、具体的にはどんな取り組みですか?
山田監督 現代のバレーボールは、ポジションの専門性を高めるため、各ポジションごとに特化した練習をしていくのが一般的です。それをあえて取り払いました。たとえば、サイドアタッカーがクイックを打ったり、センターの選手もレフトやライトから高いトスを打つ。リベロがセッターのプレーをやったり、みんながバックアタックを打つ。そのようにして、1人最低2つのポジションをこなせるようになろうという狙いです。多様性や多機能といった意味を持つ「ポリバレント」を1人1人が高めていくことで、私たちが理想とするトータルバレーボールに近づくと考えています。
 
――内田選手ご自身、また、チームメイトの反応や手応えはいかがですか?
内田 クイックも打てるようになりましたし、本来のポジション以外のポジションもこなせるようになって、これまでよりはレベルアップできていると思います。
 
――今後の試合で、そういったプレーがお披露目されるわけですか?
山田監督 試合で使えるものもあれば、使わないけれど、そこから得られるものもあるということです。たとえば、サイドアタッカーがクイックを打つというのは、実際の試合ではほぼありません。でも、よりコンパクトに、速く最高到達点に行かなければいけないクイックでは、踏み込み(スパイクアプローチ)を習得することで、本来のサイドで平行トスから速い攻撃を仕掛けるプレーに生きてくるのです。そんな取り組みから、チームとしてのプレーの幅は今までよりも随分と広がったはずです。同じ目的で、ビーチバレーもやったね。
 
内田 はい。近隣施設で、オフシーズンに週2回ぐらいですね。天気も良く、みんな、日焼けで真っ黒になりました。
 
山田監督 それもトータルバレーボールにどうつなげるかという発想です。ペアで戦うビーチバレーでは、すべてのプレーを2人でこなさないといけませんから、トータルの技術力を磨かれますし、必ずどちらかの選手がボールに触るので、連続動作を鍛えるのに効果があるのです。
 
内田 砂の上でのプレーは、床と違って動きづらいので、床でやる時以上に筋力を使いました。また、風もありますからボールもより丁寧に扱わないと、うまくつながりません。難しかったけれど、とても勉強になりましたね。


 
――他に、体力作りなどの面では、どんな強化をしてきたのでしょうか?
山田監督 ウエイトトレーニングやプレーに直結するフロアでのトレーニングをやってきました。その中でとくに意識したのが、それらのトレーニングと、コートでの実戦練習が分かれてしまわないことです。トレーニングのためのトレーニングではなく、きちんとバレーボールにつながるように、コーチングスタッフと連携を取りながら強化してきました。
 
内田 夏場のトレーニングは結構ハードでした。ラントレーニングでも、息が上がった状態で何本もダッシュしたりするので、新加入の選手や1年目の選手は、「こんなに走るのか」と思ったかもしれません。
 
――そういうきついトレーニングでは、誰がチームを引っ張っている感じでしたか?
内田 鳥越が一番走れていましたかね。
 
山田監督 プレーの体力はあったね。引っ張るって意味では、マコト(松浦)なんかも声を出して、元気に引っ張っていました。
 
――昨季終了後は、各選手が各年代の代表チームに招集され、チーム全員がそろうことが少なかったと思います。そのあたりは、どのように補ってきましたか?
山田監督 代表チームに呼ばれた選手は、国内ではなかなかできない経験を積んできましたから、そこで得た経験をチームに持ち帰って、還元してもらえればいいという考えです。
 
内田 抜けたと言っても、長い期間抜けたのは近江ぐらいで、他のメンバーは一緒に練習できています。それに近江に関しても、経験を積んで帰ってきてくれたことの方がチームとしては大きいと思っています。
 
山田監督 U23の世界選手権に行った島村は、チームで副キャプテンだったらしいんです。彼女、僕には言わなかったんですが(笑)。
 
内田 そうだったんですか?私も今、知りました(笑)。
 
山田監督 いずれにしても、今まではチームの中にいると、先輩たちについていく感じだったのですが、そ同世代ばかりのチームに入ることで、自分が率先して引っ張っていく気持ちが芽生えたのかもしれません。チームへ戻ってからはそういう変化も見て取れました。

――近江選手は先日のワールドグランドチャンピオンズカップなどでも活躍していました。
山田監督 ワンポイントで起用されることが多かった点は、常にコートに立っていたこれまでとの大きな違いだと思います。どういう局面であろうと、自分に与えられた持ち場で力を発揮する。その難しさを改めて感じたでしょうし、近江自身の選手としての幅も広がったに違いありません。


 
――昨季終了後からこれまで、毎日の練習以外には、バレーボール教室やファン、NEC社員のみなさんと触れ合うイベントなどもありました。それらは、選手のみなさんにとって、どんな位置づけになるのでしょう?
内田 バレーボール教室では、小中学生等のお手本にならなければいけないですし、選手にとっても良い勉強になります。また、いろいろなイベントに参加することで、ファンのみなさんや会社のみなさんと触れ合い、レッドロケッツをとても応援してくれていることを改めて感じることができ、頑張れる力も湧いてきますシーズン中はそういう機会をなかなか作れないため、この時期にそうした空気に触れるのは、私たちがバレーボールをやらせていただいていることの意味を再確認できる貴重な場になっています。
 
――今季はユニフォームのデザインも変わりました。その点はいかがですか?
内田 デザインが変わると、選手も心機一転というか、新たな気持ちが入りますね。かっこいいデザインになっているので、ファンの方はぜひ注目してください。
 
――そして、2013/14シーズンのリーグ開幕は間もなくです。今リーグはどのように戦っていきたいとお考えですか?
山田監督 昨季はセミファイナルで力を発揮できずに終わりましたので、今季はそこを越えて、優勝に向かって全力でチャレンジしていきたいということに尽きます。これまでやってきた自チームの精度を高めるという内向きの努力と、試合でネットを挟んで相手と対面した時の勝負、いわゆる外向きの努力を意識して、一戦一戦、相手に打ち勝っていこうと意思統一を図ってきました。初戦からそれを出せればなと思っています。
 
内田 昨季はシーズン終盤に失速してしまったので、最後まで走り切れるよう、みんなで厳しい練習を積み重ねてきました。出だしでしっかり走って、良いリズムに乗っていくためにも、まずは開幕2連勝したいという思いが強いです。
 
――最後に、レッドロケッツのファンのみなさんに改めてメッセージをお願いします。
山田監督 私たちは毎週試合をやるわけですが、会場に応援に来てくださる方にとっては、その1回きりの観戦かもしれません。そういう意味で、見てくださる方に勇気や目標に向かっていく夢などを感じ取ってもらえるような試合をやっていくこと。また、みなさんが託してくれる夢を私たちが叶える。そんな思いで一戦一戦全力で戦いますので、熱いご声援よろしくお願いいたします。
 
内田 私たちにできることは、試合で一生懸命プレーすることです。それを見ていただくことで、明日の活力や、仕事や勉強を頑張って目標に突き進もうという気持ちを持ってもらえたら嬉しいので、ぜひ会場で応援してください。
 
(構成/小野哲史)
 

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