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レッドロケッツ応援記 1/9 vsトヨタ車体 ~自信を取り戻した新年最初の勝利~
2010/01/12

新しい年の幕開けを、並々ならぬ覚悟と決意のもとで迎えた。
忘れ得ぬ、2009年末、皇后杯での敗戦――。
「私たちは、やってはいけないことをしてしまいました」
主将の渡邊は、チームを代表してホームページ上に記されたメッセージで、あってはならぬ敗戦を詫びた。そして、さらに強い気持ちで誓った。
「この悔しさを、プレミアリーグで晴らしたい」
2010年のスタートを飾る第1戦の相手は、トヨタ車体クインシーズ。主砲のレナタを中心に、昨季は四強争いを繰り広げるなど手堅い守備と、攻撃力を誇るチームだが、今季は1レグを終えて1勝5敗、レッドロケッツ同様に苦しいスタートを強いられている。どちらのチームも、新しい年の始まりを勝利して、浮上のキッカケをつかみたい。
皇后杯を終え、2週間の時間の中でレッドロケッツは1つの課題を打ち出し、取り組んできた。杉山は言う。
「相手が苦しい状況で返したボールを得点に結び付けられるように練習してきた」
成果は第1セットの序盤から形になって現れる。八幡のジャンプフローターサーブでトヨタ車体の守備が崩れ、苦しいトスがレナタに上がる。その隙を逃さず、秋山、杉山がすかさずブロックに跳び、レナタをシャットアウト。相手の得点源を序盤からブロックという最高の形で封じたことで、レッドロケッツは勢いを得た。八幡や秋山の攻めのサーブがその後も効果を発し、杉山、内藤のミドル陣がブロックを連発。レッドロケッツは、15-8と大きくリードを得る。

しかし、ここでよくない面が顔を出す。
「リードしていても、サイドアウトで焦ってしまって連続失点をしてしまう。もう少し落ち着いて、どっしり構えてプレーをしなければ、ああいう形になってしまう」
杉山が言う「ああいう形」は、サーブレシーブの崩れなど、小さなミスを契機に生じる連続失点を示す。大量リードを得ているのだから、落ち着いて、普段通りのプレーをすれば難なく取れる1本のサイドアウトが、焦りを伴うと、とてつもなく重い。逆に勢いを得たトヨタ車体の盛り返しに苦しみ、24-24でジュースに突入した。
気持ちと気持ち、意地と意地。互いが勝利を得るために、1セット目の先取に向け、懸命にボールを追いかける。何度もトヨタ車体にセットポイントを握られながら、レッドロケッツは粘りのバレーを展開して、1点、また1点と食い下がる。井野、八幡の好レシーブが流れを呼び込み、相手のミスから遂に30-29とレッドロケッツは逆転でセットポイントを得る。無我夢中で周りが見えなくなるような状況の中、ライトの松浦は冷静に相手ブロックをうまく利用してリバウンドボールでチャンスをつなぎ、最後はレフトの八幡へ。まさに叩きつけるようなスパイクが鮮やかに決まり、レッドロケッツが苦しみながら第1セットを制した。

相手にとっても、負けられない一戦であることに変わりはない。第2セット以降も、1点を巡る熱戦は続く。その中で気を吐いたのが、ルーキーの松浦だった。
皇后杯の敗戦は、松浦にとって母校に喫した敗戦。誰よりも悔しさを噛みしめていただけに、再スタートするリーグに賭ける思いは誰よりも強かった。
「今までは緊張のほうが先だってしまったけれど、ライト、セッター、与えられたポジションで責任を持って、自分のできることをしたい。連続失点が続く場面でも自分が何とかしたい。今まで、そのきっかけになれないことが悔しかった」
淡々とした表情の中に抱く、秘めたる闘志。高さを生かしたブロックや、巧さのあるスパイクで次々に得点するなど、短期間で著しく成長した姿を強く印象づけた。

3セット目はトヨタ車体・都築のジャンプサーブに崩されセットを落としたが、第4セットは秋山のサーブが冴え渡り、八幡のバックアタックやフォフィーニャのレフトからのスパイクで連続得点を挙げ、中盤からレッドロケッツが主導権を握る。第1セットのように相手へ隙を見せることもなく、フォフィーニャのサービスエースでマッチポイントに到達すると、最後はライトから松浦がラリーを制し、25-18。セットカウント3-1で2010年最初の試合を勝利で飾り、今季3勝目を挙げた。
3勝4敗で終えた1レグ。リードを得た状況からの連続失点など、確かに課題はいくつもある。しかし、悲観することはない。
杉山は言う。
「ゲームの中で課題を1つ1つ修正しようとしている。たとえ得点までつながらなくても、まず意識できていることが大きいし、その姿勢が、これから先につながっていく」
まだ1レグを終えたばかりで、長い戦いの過酷さが増していくのはこれからだ。だが今は、自信を取り戻したこの1勝を素直に喜びたい。新しい年の、始まりとともに。
(取材・文:田中 夕子)
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