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レッドロケッツ応援記 ~11/30 対岡山シーガルズ戦 交替メンバーが奮起するも、老獪な相手の前に惜敗~

  info_category1.gif2014/12/01



 レッドロケッツは、Vリーグ時代の1999/2000シーズンに全勝優勝という金字塔を打ち立てたことがある。ただ、群雄割拠と言われる現在のV・プレミアリーグにおいて、一度たりとも敗れずにレギュラーラウンドを終えることなど、ほぼ不可能に近い。そう考えると、2セットを先取しながら今季初黒星を喫した29日の久光製薬スプリングス戦を受け、レッドロケッツがその敗戦を引きずることなく、自分たちのバレーを取り戻せるかどうかが、この日の岡山シーガルズ戦の焦点だった。
 岩崎は「昨日は悔しい結果でしたが、昨日は昨日で切り替えて、今日はまた新たな気持ちでやろうと、みんなで話し合って臨みました」と言う。島村もまた、「昨日出た課題を今日のゲームで生かす。それだけでした」と語った。もちろん、敗戦のショックがなかったはずはないが、過去は変えることができない。そのことを理解している選手たちは、むしろ前日以上に気迫をみなぎらせて、山口市・維新百年記念公園スポーツ文化センターのコートに立っていた。
 しかし、気合いとは裏腹に、レッドロケッツは立ち上がりからリズムをつかめない。岡山の高いテクニックと粘り強い戦い方に翻弄され、第1セットは一度もリードを奪えないまま17-25。第2セットも20-25で落とし、開幕3連戦と久光製薬戦の前半に見せた多彩なコンビバレーは、完全に封じ込められてしまった。山田監督は、第2セットまでを次のように振り返る。
「相手のサイドアウト率を少しでも下げるために、サーブで崩すことが一番の狙いでしたが、1、2セット目はきっちりサーブレシーブを返され、確実にサイドアウトを取られてしまいました。また、我々のオフェンスは相手ブロックを1枚にするパターンを作れていたのですが、それを決めきれない場面が多かった。アタックの決定力が足りませんでした」
 第1セット中盤に途中交代で入った上野がサーブに、バックアタックに、クイックにと持ち味を発揮。そして、ピンチサーバーで起用された鳥越は、バックローテーション3回の中で好レシーブを連発し、チームの得点へと結びつけた。しかし、それ以上に相手サイドアタッカーの攻撃を止められず、岡山の〝老獪さ〟ばかりが目立っていた印象だ。



 2点を先取されて始まった第3セットも、レッドロケッツは追いかける展開を強いられる。イエリズ、島村、白垣のポイントで4-4とするも、再び突き放され、山田監督は5-8の場面で、流れを変えるべく、セッターを山口から秋山にスイッチ。秋山は「自分の役割ははっきりしていました」と語る。
「今季は若い選手たちが成長して、頑張っていますが、スタートから出ているメンバーだけじゃなく、チーム全員が同じ気持ちで戦おうということでやってきました。長いリーグなのでずっと同じメンバーでやっていくのは難しいし、苦しい時に途中から出る選手の力が必要になるので、いつも準備はしています。今日も厳しい場面でしたが、必ず逆転して勝つという思いでコートに入りました」
 最初のプレーで上野のブロード攻撃を引き出し、近江には平行気味の速いトス、島村には鮮やかなバックトスでライトからの得点を演出した。岩崎がコート後方から懸命につないだボールは、島村がネット際でうまく合わせ、12-13。秋山が投入されてから、徐々にレッドロケッツらしさが現れ始める。イエリズの連続得点の後、松崎がリーグ戦初出場を果たし、いきなり得意のブロード攻撃を披露。「故障をして長いリハビリをしていた期間中に、周りで支えてくれた人たちに感謝の思いを込めて、とにかく思い切りやろう」と、ジャストミートではなかったがリーグ戦初得点をマークした。この後、もう1点を今度はキレ味鋭い完璧なブロードで決めた松崎の一撃が反撃の狼煙となったか、終盤に白垣のスパイクで逆転に成功し、イエリズの強打が決まって、レッドロケッツが25-23でセットを奪い返した。



 続く第4セットにおいて、白垣のサイド攻撃を軸に攻め立てたレッドロケッツだったが、岩崎が「単調なバレーになってしまい、相手に先手、先手を取られてしまった」と反省したように、堅実なプレーを続ける相手に対し、なかなか先行できない。6-7まではなんとか耐えたものの、そこからじりじりと突き放され、大野のスパイクや秋山のツーアタックも、単発で連続得点にならなかった。終盤に佐川、大野、近江の3連続ブロックで意地を見せたが、21-25。レッドロケッツは山口大会を2連敗で終えることとなった。
「持っている力を出せないまま負けてしまったのが悔しいですし、大いに反省しなければいけません」と山田監督。それでも、「途中から入った選手たちは、かなり劣勢の状況でしたが、よく頑張ってくれ、チームを勢いづけてくれました」と収穫も口にした。
 次週の滋賀大会で、年内のリーグ戦はひとまず中断期間に入る。この2連敗の反省を生かして確実に勝ち星を重ね、全勝で抜け出しつつある久光製薬と岡山にしっかりと食らいついていきたい。




~センターのレギュラー争いに名乗り~
 沈滞ムードが漂っていた状況で、まばゆい輝きを放ったのが上野だった。
 島村や大野が不在だったサマーリーグでは、チームの優勝に大きく貢献したが、リーグ戦ではここまでワンポイントでの出場にとどまっていた。
 この日、第1セットの9-18という苦しい場面で大野と代わって投入され、回ってきたサーブで、キレのある鋭いジャンプサーブを披露。いきなりの連続サービスエースで、会場に詰めかけたレッドロケッツサポーターを沸かせた。
「劣勢の中でメンバーチェンジするということは、その雰囲気を変えてほしいということ。今までやってきたことを出すつもりで、〝やってやるぞ〟と思ってプレーしました」
 前日の久光製薬戦は、チームの流れが悪くなった場面でも手番はなく、「チームのためになれずに悔しかった」と振り返る。そんな思いをこの日の試合でぶつけた。
 サービスエースの後は、バックアタックと速攻も決め、第2セット以降、すべてのセットでスタートからコートに立った。「ミドルもできて、サイドに開いても打てるので、速い攻撃やオープン攻撃で、相手に的を絞らせないのが自分の武器」と上野は言う。次々とスパイクを決め、4本放ったバックアタックは決定率なんと100%。攻撃面での器用さを存分に発揮し、山田監督も「本当によく頑張ってくれたと思います」と合格点を与えた。
 それでも試合後の上野自身は冷静だった。
「出始めは相手がデータを取れていないこともあって、打てば決まりましたが、だんだん相手に読まれてきて、ブロックされたり、セッターからトスを呼べなくなって打数も減ってしまいました。そうなるとチームとしての攻撃がサイドに偏って、サイドの人たちの負担にもなるので、後半ももっと自分の打数を増やすことが課題になりました」
  島村や大野というレッドロケッツの軸となっているセンター2人について、上野は「憧れる存在でもありますし、こんなことを言うのはおこがましいですが、超えたい存在でもあるので、自分の目標に置いています」と語る。魅力あふれるセンタープレイヤーがまた1人、レッドロケッツに台頭してきた。
(取材・文:小野哲史)

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