• トップ
  • インフォメーション1
  • レッドロケッツ応援記 ~1/11 対久光製薬スプリングス戦 最後まで粘りを見せるも、ストレートで女王の前に屈す~

レッドロケッツ応援記 ~1/11 対久光製薬スプリングス戦 最後まで粘りを見せるも、ストレートで女王の前に屈す~

  info_category1.gif2015/01/13



 新たな年を迎え、2014年最後の公式戦となった天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権を挟んで中断されていたリーグ戦が、約1ヶ月ぶりに再開された。ベスト4に終わった皇后杯以降、「もう一度、一人ひとりが個々と向き合い、個人としてのレベルアップを図り、それを試合でみんなが一つになってできるように取り組んできた」とリベロの岩崎は言う。大阪に乗り込み、10日に日立リヴァーレと対戦したレッドロケッツは、その成果をいかんなく発揮した。最初のセットこそ落としたが、第2セットを接戦の末にものにすると、劣勢だった第4セットも諦めずに追いかけ、セットカウント3-1。スタメン出場を果たした上野や途中交代で入った柳田らの活躍で、2015年の、さらには第2レグの初戦を鮮やかな逆転勝ちで飾ったのだった。



 そして迎えたこの日の一戦。改めて言うまでもなく、久光製薬スプリングスはリーグ3連覇を目指す女王であり、レッドロケッツにとっては2年前の3月に勝利して以来、リーグ戦では目下6連敗中を喫している強敵である。しかし、この相手に勝たない限り、プレミアリーグ制覇という最大の目標は手にできない。ボディメーカーコロシアムに駆けつけた大勢のサポーターの後押しを受けながら、選手たちは持てる全ての力を尽くして、目の前の巨敵に立ち向かっていった。
 ただ、レッドロケッツの立ち上がりはあまり良くなかった。白垣が「スタートから勢いを出していこうと話していたのですが、最初はみんな少し硬かった」と振り返ったように、いきなり3失点。島村の冷静にコースを突いたプッシュで反撃を試みるも、5-12とされ、早くもタイムアウトを要求せざるを得なかった。イエリズがブロックと強烈なスパイクを決め、2試合連続スタメンの上野がダイレクトで押し込んで2点差に迫っても、そこから3連続得点を与えて再び引き離されてしまう。
 それでもイエリズのサービスエースや、島村、上野の速攻で食らいつき、レッドロケッツは決して諦めなかった。島村は「(ストレートで完敗した)天皇杯での久光戦に比べれば、ラリーに持ち込めるプレーが増えた」と語ったが、岩崎が相手エース新鍋のスパイクコースにきっちり入ってつなぎ、近江が確実に決めて19-21とした場面は、その1つの例と言っていいだろう。しかし、結局、追いつくことはできず、22-25でこのセットを失った。
 先行したい第2セットは序盤、ブロック、スパイク、フェイントを次々に決めたイエリズの奮闘が光った。島村はサイドからスパイクを叩き込み、上野はクイック、近江もライトからの攻撃で続く。だが、白垣が決めて10-13となった直後からの4連続失点が痛かった。またたく間にリードを広げられ、悪い流れを変えるべく柳田、秋山、鳥越が投入されたものの、状況を打開するまでには至らず、16-25で、このセットも落とすこととなった。



 なんとか巻き返したいレッドロケッツは、第3セットの立ち上がりこそ、セッターの山口がアタッカー陣をうまくコントロールし、上野、イエリズ、近江、白垣が得点を重ねていった。ところが5-6から相手に走られ、4連続失点。その後、近江や島村がしっかり決めても点差は縮まらないままだった。そんな苦しい状況を救ったのが、9-13の場面で送り込まれた柳田だ。「とにかくトスが上がってきたら決めよう。その気持ちだけでコートに入りました」と、ルーキーらしいフレッシュさでチームに流れを呼び込んだ。ライトから鋭いスパイクを次々と決め、技ありのフェイントで15-15に追いつくと、久光製薬ベンチは堪らずタイムアウト。逆にレッドロケッツベンチは一気に沸き返り、殊勲の柳田は「ナイス、ライ!」と、先輩たちからもみくちゃにされるようにして迎えられた。
 この日初めてリードして迎えたテクニカルタイムアウト後、白垣のサービスエースで20-17としたが、久光製薬も簡単には引き下がらない。20-20以降は一進一退の展開となり、セット終盤はイエリズが気迫のバックアタックを放ち続けた。しかし、デュースに入ってからはなかなか先行できず、相手のマッチポイントを5度しのいだものの、28-30で力尽きた。今回もまた久光製薬の高く厚い壁に跳ね返された。


 
 島村は試合後、「自分たちのミスから序盤に流れを逃し、終盤に追いつくことはできたけれど、やはり勝利には手が届かなかった。力の差を感じました。もっとレベルアップして、一つ一つのプレーの精度を上げていく必要があると思います」と悔しさをにじませた。山田監督も「3セットとも常に追う形になってしまい、その中でもなんとか食い下がる展開には持ち込めましたが、勝負所でのプレーの質に差が出てしまった印象です」と試合を総括。ただ、同時に「選手はやるごとに良くなっていて、チームとしても成長していますから、この先も期待できる」と前向きなコメントも残している。それは「悪いリズムを立て直せた点はプラスだった」(白垣)、「やってきたことを発揮できた所もあった」(岩崎)と、選手自身も手応えを感じている部分だった。スコア自体は天皇杯の時と変わらないが、試合内容は着実に向上している。たとえ敗れても進化を止めない。レッドロケッツとは、そういうチームだ。
 次週の秋田大会は、早くもレギュラーラウンドの折り返し。連勝できっちり勝利ポイントを重ね、自らの進化を証明してほしい。


 



~ハツラツプレーでチームの窮地を救った新星~

 文京学院大学女子高から今季、レッドロケッツに加わった。高校時代から各年代の日本代表に選出され、国際経験は豊富だ。2年前の世界ユース選手権ではベストスコアラーに輝き、昨年のアジアジュニア選手権では全日本ジュニアのキャプテンを務め、銀メダルを獲得に大きく貢献した。V・プレミアリーグは開幕戦からベンチ入りを果たしたが、初出場は第4戦の久光製薬スプリングス戦。ただ、その試合での4回のアタック機会では、得点を挙げることはできなかった。
 年末年始の中断期間には、「とくにスパイクを練習してきた」という。「ただ打つのではなくて、相手ブロックを見て打ったり、ブロックを利用したり、また、強弱をつけたスパイクをできるようにやってきました」。その取り組みが、今回の大阪大会で実を結んだ。日立リヴァーレ戦でも久光製薬戦でも、すべてのセットに途中交代で起用され、それぞれ6得点をマーク。「得点が決まるたびに、先輩たちが『ナイス!』と喜んでくれたのが嬉しかった」と笑顔で振り返り、「緊張というよりも楽しんでプレーできました」と強心臓ぶりも披露した。山田監督は久光製薬戦後、「小さいけれど、アタックが武器で、コースも広角に打つことができる。また、ブロックも高さがありますから、今日の活躍が自信になって、もっと大きく伸びると思います」と語り、さらなる期待を寄せていた。
 それでも、「10点満点中3点」と自己評価は厳しい。
「昨日、今日と思い切りできたのも、先輩方が盛り上げてくれたから。そこは自分がもっと盛り上げていかないといけないですし、ラリー中、セッターにトスを呼び込むなど、自分発信からもっとできれば、相手ブロックを動かせたり、セッターがもっと使いやすくなると思います」
 目標の選手は、レッドロケッツを攻守で引っ張る近江だという。「他のチームのエースに比べれば、それほど身長が高くないにもかかわらず、レシーブでもスパイクでも一本一本、気持ちが見えるプレーをしている。それが観ている会場の人たちの感動をさせるのかなと。近江さんのすべてを見習いたいです」
 今後もレッドロケッツが窮地に立たされた時、柳田がハツラツプレーでコートを駆け回り、チームを活気づけてくれるはずだ。
(取材・文・小野哲史)
 

アーカイブ